バブル(隔離施設)での再開シーズンに参加できなかった8チームは、2019-20シーズンが停止した3月11日(日本時間12日)以降、約6か月にわたって試合から遠ざかっている。その8チームの選手たちが、自主練習を開始した。『AP』が詳細を報じている。
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アトランタ・ホークスのロイド・ピアース・ヘッドコーチは「これほど激しいレイアップの練習は見たことがない」と話した。
「フルコートでレイアップの練習をしたが、選手たちは手を叩き、声を出していた。長いこと練習していなかったから、レイアップの練習に興奮していたんだ」。
ウォルト・ディズニー・ワールドでのNBA再開シーズンに参加できなかったチームたちが、自主練習を開始した。いつになるにしても、次の試合に向けた準備を始めるために――。
ニューヨーク・ニックスの練習後、トム・シボドー新HCは「今のところ、次のシーズンがいつ始まるのかは分からない。だが、今からその時までにやるべき仕事がたくさんあることは確かだ」と話した。
リーグは8チーム(ホークス、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ニックス、ミネソタ・ティンバーウルブズ、シャーロット・ホーネッツ、クリーブランド・キャバリアーズ、シカゴ・ブルズ、デトロイト・ピストンズ)に対し、選手とスタッフが一緒にいて、新型コロナウイルスの検査を毎日受けられる独自の“バブル”を作ることで、自主的なチーム練習を行なうことを認めた。
22チームがディズニーで8試合以上を戦ってきたのに対し、8チームはパンデミックによる3月11日(同12日)のシーズン停止以降、個別の自主練習だけに制限されてきた。
以降、クリーブランドのロケット・モーゲージ・フィールドハウスは空っぽだった。キャバリアーズのような若いチームにとって、中断は二重に痛手だった。指導体制が変わり、ジョン・ビーラインの退任後に昇格したJ.B.・ビッカースタッフの下で最高のシーズンを送っていたからだ。
ケビン・ラブは、チームが団結し、失った時間を取り戻すことが「最重要」だったと話している。
自主練習を逃したくなかったラブは「ある種の継続性や団結をもたらしてくれる」と述べた。
「ほかのチームたちと違うんだ。彼らは一緒にやれた。プレイオフに進まなかったチームでも、8試合をやっている。彼らは何かのためにプレイする機会を得ていた」。
「僕らはそれができなかったんだ。だから、同じコートにいることが、僕らにとって非常に大切だった。お互いに会って、時間を過ごすだけでもね」。
NBAとNBPA(選手会)の合意では、グループ練習に参加予定の選手たちは、9月14日(同15日)からチーム施設で個別練習を続けることができ、それから日々の検査を開始した。2日間の隔離後にワークアウトとスクリメージが始まり、10月6日(同7日)まで続く。
ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンはワークアウトへ参加しないことにしたが、スティーブ・カーHCは2019年NBAファイナルで前十字靭帯を断裂したクレイ・トンプソンが今週コートで練習する見込みだと話した。
ホークスのピアースHCは、すぐに5on5を行なった。長いことやっていなかったからだ。先がどうなるか分からなかったコーチたちにとって、選手たちが見せたレベルはうれしいサプライズだった。
カール・アンソニー・タウンズやディアンジェロ・ラッセルら15選手のグループとなったウルブズのライアン・サウンダースHCは「どんどん良いバスケットボールになると分かっている」と話した。
「正直、6か月の停止後ということで予想していたよりもずっと良かったよ」。
ヒューストン・ロケッツから移籍後に負傷で戦列を離れたクリント・カペラは、ようやくホークスでの練習に参加できた。これまでも選手とコーチはコンタクトを取ってきたが、練習とは違った。
ホーネッツのジェームズ・ボレーゴHCは「6か月の間に何度もメッセージや電話、Zoomをしてきた。だが、直接顔を合わせ、目と目で見るのとはまったく違う」と話している。
「だから、今回は我々にとって本当に貴重なんだ」。
残念ながら、ワークアウトが終わってから、彼らが再び一緒になるのがいつになるのかは分からない。NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、少なくとも1月までは2020-21シーズンが始まらないとの見込みを口にした。そのため、トレーニングキャンプがいつ始まるかも不透明だ。
少なくとも、その時まで、各チームはフロアから離れない。
ピアースHCは「自分たちが逃したことや、できなかったことについて、我々にできることは何もない」と話した。
「我々は、与えられたことを通じていかにやっていくかを知っている。だから今日のエネルギーはすごかったんだ。選手たちはこれを最大限に生かしたいと望んでいる」。
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