2020-21シーズンを振り返ったアダム・シルバーNBAコミッショナー、来季のプレイイン・トーナメントにも言及

大西玲央 Reo Onishi

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7月6日(日本時間7日)、アダム・シルバーNBAコミッショナーがミルウォーキー・バックス対フェニックス・サンズによるNBAファイナル2021の第1戦を前に、フェニックス・サンズ・アリーナ(アリゾナ州フェニックス)で恒例の記者会見を行ない、ここまでのシーズンについて振り返りながら様々な質問に答えた。

シルバーNBAコミッショナーは、「全員にとって肉体的にも精神的にも負担の大きいシーズンだった」と話し、選手のケガについて触れることから会見を始めた。今季は短縮シーズンであった上に、新型コロナウイルスへの対応などもあり、選手にかかる負担の増加が懸念されていた。

「細かいデータを横に置いて話しますと、肉体的、精神的負担は間違いなくケガに影響していると私は考えています。科学的な根拠があるわけではありません。パンデミックの前から、リーグとして研究することを重要視してきました。なぜケガをするのかというのは、まだ解明できていないところではあります。これはオフシーズンも、研究を続けていくべきことです」。

「ケガは本当に絶望的なものであり、リーグの競争性を損なうものでもあります。選手たちのキャリアは決して長いものではなく、できる限り彼らがコートに立てるようにすることは、我々にとってもファンにとっても大切なことです」。

それでも、短縮された72試合シーズンについてシルバーNBAコミッショナーは、「あらゆる要素のバランスを取るためには、最良の結果だったのではないかと感じています」と話した。

さらにシルバーNBAコミッショナーは、来季のプレイイン・トーナメントの可否について「来季も継続される予定」であると話した。

プレイイン・トーナメントは昨季のバブルで初めて導入され、今季は各カンファレンスの7~10位までが参加する方式に拡大されていた。

シーズン途中、ダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバンや、リーグの顔とも言えるレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がトーナメントの存在を批判するなど、今後の採用が注目されていた。

「もちろんチームとNBA選手会の合意が必要となります。確かに、レブロンに限らずトーナメントを批判する選手やチームもいました。しかし全体的に見れば、リーグにとっても選手にとっても、とてもポジティブだったのではないかと感じています。もちろん検討すべき改善点などもありますが、再びオーナーと選手会と投票を行なえば、来季も開催する方向になるのではないかと思っています」。


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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。