アダム・シルバーNBAコミッショナーが選手の移籍について言及「公のトレード要求はシステムを腐敗させる」|NBAオールスター2023

YOKO B

アダム・シルバーNBAコミッショナーが選手の移籍について言及「公のトレード要求はシステムを腐敗させる」|NBAオールスター2023 image

2月18日(日本時間19日)、アダム・シルバーNBAコミッショナーがユタ州ソルトレイクシティで開催されているNBAオールスター2023で恒例の記者会見を開き、選手の移籍やトレード要求について言及した。契約下にある選手が公にトレードを要求することについて「システムを腐敗させる」と批判した。

シルバーNBAコミッショナーは、リーグ内の選手の移籍について「興味深いことに、今年はリーグの歴史上、最も多くの選手の移動がありました」と述べている。

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「これは、トレード期限が近づくにつれてチームがプレイオフに向けて最高のポジションを確保しようとしたことを物語っていると思います。今年は、トレード期限直前の1週間でリーグ全体の10%以上の選手が移籍したことになります」

その10%のなかには、カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツからダラス・マーベリックスに移籍)やケビン・デュラント(ネッツからフェニックス・サンズに移籍)などのスター選手が含まれている。

シルバーNBAコミッショナーは、選手の移籍は基本的にはポジティブなことだと述べ、「現在のCBA(Collective Bargaining Agreement/労使協定)では、たとえばフリーエージェンシーの仕組みなど、契約を短くすることで、それが可能になるように設計されています」と続けた。

「ファンにとっては、自分のチームが並みの成績に留まることを望んでいないでしょう。チームには、賢いマネジメントによってチームが再建されたり、賢い動きができたり、率直に言えば、チームと選手の両方が悪い関係から抜け出せるような状態であってほしいと思うものです」

一方で、「それは、いわゆるトレードの要求とは全く違います」と、選手がトレードを要求することについては懸念を示した。

「実際に、選手会は現在の労使協定の中で、公にトレード要求をしてはいけないというルールに合意していると思います。以前から何度も言っていることですが、それはシステムを腐敗させるものだと考えます。もちろん、ファンはそれを好みません。多くの選手も同じように嫌がります。なぜなら、最終的には、特定の選手が移籍先にいると信じて特定の球団に行くかもしれないからです」

シルバーNBAコミッショナーは、選手には契約を守ってほしい一方で、同時に選手の動きはある程度あったほうが良いという考えを示しつつ、最後に「公に発言することには強く反対」だと述べている。

「ある程度の選手の移動はいいことだと思いますが、それは選手と球団が結んだ契約を尊重し、パートナーシップのもとに行われなければならないと思っています」

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YOKO B

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。