シーズン開幕に向けてアダム・シルバーNBAコミッショナー「72試合をやりきる自信がある」

大西玲央 Reo Onishi

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12月21日(日本時間22日)、アダム・シルバーNBAコミッショナーがシーズン開幕を直前に記者会見を行ない、様々な質問に答えた。

12月開幕、72試合のスケジュール、多くの会場が無観客、新型コロナウイルスの猛威の中での開催など、例年とは大きく異なる今季だが、シルバーNBAコミッショナーは「72試合をやりきる自信があります」と述べた。

「多くの方から、なぜこのタイミングでシーズンを開始させるのかと聞かれました。端的に説明すると、選手会と医療エキスパートとともに制作した健康・安全プロトコルに自信を持っているからです。安全に責任を持って運営できるかわからない状態では開幕はあり得ません」。

オーランドでバブルという形を持って再開された2019-20シーズンでは、開始から終わりまで一件も陽性者を出さないという成功を収めたNBAだが、今季はそれぞれのチームのアリーナで試合が開催されることから、都市間の移動なども発生する。

MLB(野球)やNFL(アメリカンフットボール)では感染者が出ながらも、個別で対応しつつシーズンを進めた。NBAも今季はある程度の感染者が出ることを想定しており、シルバーNBAコミッショナーは「個別のケースが発生することには準備ができています」と答えている。

「プレシーズンで見られたこと、他リーグがバブルではない環境でシーズンを行なっていたのを見る限り、残念ながらある程度の件数は避けられないものだと思っています。しかし万が一の備えはできています」。

シーズンを開幕するにあたって、健康と安全が最も重要であるとシルバーNBAコミッショナーは述べているものの、経済的な面での影響も判断材料となっていることも説明した。

「シーズンがなければ経済的な影響が大きくあることも当然判断材料にはなっています。選手やスタッフなど直接影響される人だけでなく、シーズンが実施されていることに生活がかかっている仕事に関わる人が数万と存在します。ただし、もしシーズンを中止しなければならないという判断が必要な際は、健康と安全だけを念頭に判断します」。

またNBA選手の東京オリンピック出場についても言及した。シーズン終了を7月に設定したのはオリンピックが理由のひとつであると説明しつつも、「選手たちに参加を促すのは我々の役割ではないと思っています」と話した。

「USA Basketballは独立した組織であり、アメリカ以外の国を代表してプレイする選手も多くいます。最終的には選手たちがそれぞれ決断することとなります」。

しかし不透明な状況が続いているだけにFIBA(国際バスケットボール連盟)とIOC(国際オリンピック委員会)と連携し、ロスターの提出期限を延ばすなどの柔軟な対応はあるかもしれないと述べた。


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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。