今夏のフリーエージェント期間を前に、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、11月のひざの負傷でシーズン残り試合を欠場したクリーブランド・キャバリアーズのコリン・セクストンが、バスケットボール活動再開を認められたと報じた。同記者は、一部のNBAエグゼクティブが、制限付きFAでオフシーズンを迎えたセクストンが「年俸2000万ドル(約26億6000万円/1ドル=133円換算)ほど」の契約を結ぶかもしれないと考えていると伝えていた。
だが、8月中旬に差し掛かった今も、セクストンは新契約を結んでいない。エージェントのリッチ・ポールとキャバリアーズのフロントは、セクストンのサラリーに関するスタート地点から合意できていないようだ。そのため、交渉は停滞している。
セクストンの才能と潜在能力を疑う者はいない。リーグ3年目で平均24.3得点だ。だが、その他の要因もあり、それらがセクストンとポールに不利に働いている。
『Cleveland.com』のChris Fedor記者によると、キャバリアーズのバスケットボール運営部代表を務めるコビー・アルトマンとポールの話し合いは、「論争」のようではないという。だが同記者は、両者は大きな「金銭的なギャップ」を埋める必要があると伝えている。
キャバリアーズはセクストンに3年総額約4000万ドル(約53億2000万円)超の契約をオファーしたと報じられている。年俸換算で約1300~1400万ドル(約17億2900万~18億6200万円)。2000万ドルには遠く及ばない。
セクストンとポールにとって不運なのは、キャバリアーズにオファーシートを示し、マッチするか放出を認めるかを迫れないことだ。キャバリアーズはセクストンを球団の土台というよりローテーションの一角と見ており、そういう選手のためにラグジュアリータックス(ぜいたく税)を払うつもりはない様子。他球団からの誘いがない限り、キャバリアーズが提示額を引き上げる必要はない。
コート上のことも要因となる。キャバリアーズは7月にダリアス・ガーランドと5年1億9300万ドル(約256億6900万円)の延長契約を結んだ。そのガーランドとセクストンがバックコートでコンビを組むと、チームにとっては守備の問題が残る。そのため、Fedor記者によれば、セクストンよりキャリス・ルバートのほうがフィットすると見る人たちが球団内にもいるという。
Fedor記者は最近、ポッドキャスト『The Lowe Post』で、『ESPN』のザック・ロウ記者に「サイズや長さ、守備でもたらせる多才ぶりから、(球団内の一部は)コリンよりキャリスを望んでいる」と話した。
「そういう人たちは、キャリスとダリアスが一緒にやってきたことを気に入っている」
Fedor記者は、キャバリアーズがガーランド、ルバート、ラウリ・マルカネン、エバン・モーブリー、ジャレット・アレンというスターティングラインナップでシーズンを始めたいと考えているとしている。それは、キャバリアーズがセクストンを先発ガードではなく、ベンチスタートから得点する選手と見ていることを示唆する。そして報じられているオファーを考えれば、それは理にかなう。
新シーズンまでにセクストンが新契約を結ばなければ?
キャバリアーズとセクストンが折り合いをつけられなければ、選手は720万ドル(約9億5760万円)のクオリファイング・オファーを受け入れ、2023年に無制限FAとなるかもしれない。そうすることで彼は自分の価値を高め、キャバリアーズだけでなくリーグ全体に、ひざの問題は過去のことで、大金を投資する価値があると示すことができる。
ポールが、最終年がプレイヤーオプションの短期契約へと推し進めることもあり得る。その場合、セクストンは少なくとも保証された金額を確保し、20代半ばで無制限FAになることができる。
コリン・セクストンのスタッツ
2021-22シーズン(出場11試合)
- 平均16.0得点
- 平均3.2リバウンド
- 平均2.1アシスト
- 平均0.9スティール
- 平均2.8ターンオーバー
- 平均28.7分間出場
- フィールドゴール成功率45.0%
- 3ポイントショット成功率24.4%
- フリースロー成功率74.4%
2020-21シーズン(出場60試合)
- 平均24.3得点
- 平均3.1リバウンド
- 平均4.4アシスト
- 平均1.0スティール
- 平均2.8ターンオーバー
- 平均35.3分間出場
- フィールドゴール成功率47.5%
- 3ポイントショット成功率37.1%
- フリースロー成功率81.5%
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