ウィザーズのアンセルドHCがシーズン総括 「八村塁は大きく成長した」

Jackson Filyo/Wizards.com

ウィザーズのアンセルドHCがシーズン総括 「八村塁は大きく成長した」 image

八村塁

ワシントン・ウィザーズのウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチが今週、オフシーズンを前に最後の会見に応じた。就任1年目でアンセルドHCは35勝47敗という成績を残している。開幕から10勝3敗のスタートを切り、最後は7試合で5勝をあげて締めくくった。指揮官はNBAヘッドコーチとして初シーズンの経験、若い選手たちの成長、ウィザーズが今後改善できる点などに触れている。

「(ヘッドコーチ就任は)異なる経験だった。シーズン中も話してきたが、アシスタントコーチからヘッドコーチへの調整のことだ。思考回路や、日々の仕事の仕方も鍛え直さなければいけない。どんどん相手のことを考えるのが減り、自軍や人の管理が中心となった。毎日選手と触れ合うことだけでなく、ほかのすべてのことだ。強化やコンディショニング、用具、スタッフのこと。すべてに注意を払う必要がある。スケジューリングもそうだ。様々なところで調整が必要となる。やっていく中でどんどんやりやすくなっていくものだよ。もちろん、素晴らしい経験だった」

安全衛生プロトコルや主力の負傷、デッドラインのトレードなどで、シーズン中にウィザーズのローテーションは何度か再調整が必要だった。それらの変更の中で希望となったのが、チームが若手選手たちを早くに成長させられたことだ。より高いレベルの競争が可能となり、今後改善するために必要なことをより理解できた。

「完全には計画どおりじゃなかったが、シーズンを通じた成長ぶりを誇りに思う。機会を生かしたことが大きかった。最たる例がコーリー(キスパート)だ。出場時間を増やそうとしたら、スターターに定着した。そういう時間は貴重だ。ああいう状況や時間帯、練習中の環境はシミュレーションできない。スターターとして主力選手と対戦できる。学んだり、全般的に成熟するのを早められる。弱点は改善しなければいけないが、長所を強化することも必要だ」。

シーズン最後の数週間はさらにその成長は進んだ。指揮官は、若手選手たちの機会が増え、さらに成長させられたと話している。

「ゾーンやボックスワンなど、(守備で)いくつか層を増やすことができた。すぐにダイナミクスを変えるのは、シーズン序盤は難しいことだったんだ。今年も新しい選手やスタッフが多かったからね。あのレベルでの一貫性が、我々が望んでいたものだ。それをシーズン終盤で見出し、選手たちがもう少し吸収できるようになった。素晴らしかったと思う。少ない機会でも、それが成長だ」。

シーズン後半戦で最も成長ぶりが注目されたのは、3年目の八村塁だ。3ポイントショットにとどまらず、プレイの幅を広げ、シーズンが進むにつれ、彼の役割は大きく増していった。

「塁は大きく成長したと思う。私からすると、これまでの彼はミッドレンジ内の選手だった。ダンカースポットやエルボー、ポストからプレイしていた。その彼が攻撃で外に広がり、3Pを加えていったのは大きい。一方、我々は彼を様々な状況で起用した。ボールへのスイッチだけでなく、ピック&ロールにおけるボールへのスイッチは、おそらくそれまでやったことがない者にとって大きなことだった。攻守両面で幅を広げるのは、彼にとって素晴らしいことだろう。彼はかなり早くに多くを身につけた」。

来季に向けたチームの課題は、守備の向上だろう。アンセルドHCは、シーズンが進む中で順位が落ちていったことについて、守備で安定する必要があると強調した。

「順位表だけを見たら少し誤解してしまう。数字は変わっていく。数パーセントの違いで順位がいくつか変わることもある。もちろん、昨季私はここにいなかった。昨季の守備がどうだったかを言うことはない。我々はかなり力強いスタートを切ったと思う。勝つだけでなく、そのために守備に頼らなければいけなかった。それが我々の名刺だった。攻撃のリズムを身につけてから、それを手放してしまったと思う。だが、それは言い訳にならない。初日からずっとそういうコミットメントと心構えでなければいけないんだ」。

原文:In quotes: Wes Unseld Jr. on the Wizards' 2021-22 season(抄訳)

NBA全試合ライブ&見逃し配信 最高の瞬間を『NBA Rakuten』で

Jackson Filyo/Wizards.com