ゴールデンステイト・ウォリアーズは2014-15シーズン以降で6度目となるNBAファイナル進出を決めた。その中で彼らは5年連続NBAファイナル進出を果たし、優勝リングを3つ手にしている。
ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラと、それらのシーズンで常に変わらぬ顔ぶれの選手たちがいる。スティーブ・カー・ヘッドコーチも同様だ。ただ、サポーティングキャストや成功の度合いは、それぞれのファイナルで異なっている。
今季のチームを含め、NBAファイナルに進出したウォリアーズの各シーズンを序列化してみよう。
6位 2018-19シーズン
- レギュラーシーズン成績:57勝25敗
- プレイオフ成績:14勝8敗
- ネットレーティング:+6.4
ケビン・デュラント、カリー、トンプソン、グリーンを擁したチームが、なぜウォリアーズ王朝における最下位なのか?
理論上は、このチームは素晴らしい。だが、それまでの4度のファイナルを経て、この時のウォリアーズは疲弊していた。デュラントがチームを去るという脅威がシーズン全体を曇らせていた。
第5戦で彼がアキレス腱負傷し、第6戦の第3クォーターにトンプソンが前十字靭帯を負傷したのは、ウォリアーズが乗り越えるにはあまりに大きな出来事だった。トロント・ラプターズとのNBAファイナルで、ウォリアーズは第6戦で敗れている。
5位 2021-22シーズン
- レギュラーシーズン成績:53勝29敗
- プレイオフ成績:12勝4敗
- ネットレーティング:+5.6
ウォリアーズがNBAファイナルの舞台に戻ってきたのは良いストーリーだ。しかし、今季のチームは以前のバージョンと同じレベルではない。白星の数やネットレーティングはNBAファイナルに進出した近年のウォリアーズでいずれも最少の数字だ。
過ぎゆく時に勝てない。今のウォリアーズは年齢の影響を感じている。グリーンとトンプソンは32歳で、カリーは34歳。イグダーラは38歳でNBAプレイオフ2022における2番目の最年長選手だ。椎間板の負傷で今ポストシーズンの出場は42分にとどまっている。
それでも非常に良いチームではあるのだが、王朝における他シーズンのウォリアーズと比べて評価するとなると、バーが信じられないほどに高くなってしまうのだ。
4位 2015-16シーズン
- レギュラーシーズン成績:73勝9敗
- プレイオフ成績:15勝9敗
- ネットレーティング:+10.7
レギュラーシーズンで最多勝利を記録したチームが、このリストでは4位でしかないのはなぜか?
1995-96シーズンに72勝10敗を記録して優勝したシカゴ・ブルズのメンバー、ロン・ハーパーの言葉を借りるなら、「リングがなければ意味はない」だ。
優勝していれば、この時のウォリアーズはNBA史上最高のチームになれたかもしれない。新記録となる開幕24連勝を飾り、前シーズンから続いてホーム54連勝という記録も樹立したチームだ。
だが、この時のウォリアーズは、レブロン・ジェームズのそけい部をはたいてグリーンが出場停止だった重要なNBAファイナル第5戦を落とした。グリーンは第7戦で見事だったが、及ばなかった。第7戦でウォリアーズはクリーブランド・キャバリアーズに敗れたのだ。
3位 2017-18シーズン
- レギュラーシーズン成績:58勝24敗
- プレイオフ成績:16勝5敗
- ネットレーティング:+6.0
このシーズンのウォリアーズには良いところがたくさんあった。NBAプレイオフで前シーズンから続くホーム16連勝という新記録を樹立。カリー、トンプソン、グリーン、デュラントと、4選手がオールスターに選出された。それでも、苦難もあった。
膝内側側副靭帯の負傷でカリーがシーズンの多くを欠場し、歴史に残るウェスタン・カンファレンス・ファイナルでヒューストン・ロケッツに敗退寸前まで追い込まれた。第7戦でロケッツが3P を27本連続で失敗し、15点のリードから逆転負けしたことで、ウォリアーズはNBAファイナルに勝ち進んだのだ。だが、ファイナルではキャバリアーズをあっさりとスウィープ(4連勝)した。
2位 2014-15シーズン
- レギュラーシーズン成績:67勝15敗
- プレイオフ成績:16勝5敗
- ネットレーティング:+10.2
ウォリアーズ王朝の1年目は最も特別だった。今なお残る「Strength in Numbers」(人数の強さ)という信念が生まれたシーズンだ。ショーン・リビングストンやリアンドロ・バルボサといったベンチメンバーは、ファンに強く記憶されている。
就任1年目のカーHCは、前シーズンでプレイオフ・ファーストラウンド敗退に終わったチームを引き継ぎ、王朝を築いた。ただ、この時のチームに対する期待は大きくなかったのだ。開幕時の優勝予想では、ウォリアーズより有利とみなされたチームが7つもあった。ウォリアーズの優勝確率は、わずか3%だったのだ。
彼らはそんな下馬評を覆した。カリーは初のMVPを受賞し、トンプソンは初めてオールスターゲームに選出され、革新的なスモールボールのセンターとしてグリーンを加えた「死のラインナップ」が形成された。この時のグループは、バスケットボールのあり方を完全に変えたのだ。
1位 2016-17シーズン
- レギュラーシーズン成績:67勝15敗
- プレイオフ成績:16勝1敗
- ネットレーティング:+11.6
このチームが最高と考えられるだけの正当な理由がある。
ハリソン・バーンズに代えてデュラントを加えたウォリアーズは、まったく止めることができないチームとなった。トンプソンが29分間で60得点をあげ、グリーンは1試合で10スティールを記録。3チームを40点差超で下した。
プレイオフで彼らほど支配的なチームはなかった。NBAファイナルでキャバリアーズに1敗するまで、プレイオフで15連勝を飾ったのだ。ポストシーズンで16勝1敗という輝かしい成績は、NBA史上最高記録である。
このチームこそがベスト・オブ・ベスト、とびきりの最高であり、二度と上回るチームは出てこないかもしれない。
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