2022-23シーズンのNBAのレギュラーシーズン日程が発表された。10月18日(日本時間19日)から4月9日(同10日)まで1230試合が行われる。
レギュラーシーズン開幕からの4日間「Kia NBA Tip-Off 2022」や、75回目となるクリスマスゲーム、マーティン・ルーサー・キングJr.デーの注目試合や、メキシコおよびパリでのグローバルゲームズ復活に加え、リーグが新たに発表したのが「NBAライバルウィーク」だ。
古くからのライバルや新たなライバルたちが対戦するNBAライバルウィークは、1月24日(同25日)から28日(同29日)までの5日間で11試合が全米中継される。
NBAライバルウィークに行われる試合をチェックしよう。
1月24日(同25日)
ボストン・セルティックス対マイアミ・ヒート
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):セルティックスの92勝67敗
NBAライバルウィークの最初は、昨季のイースタン・カンファレンス・ファイナルの再戦だ。マイアミ・ヒートがボストン・セルティックスをホームに迎える。昨季のカンファレンス・ファイナルはセルティックスが第7戦で勝利した。だが、終了間際のジミー・バトラーの3ポイントショットが決まっていれば、ヒートの勝利で終わる可能性もあった。この2チームは2020年のイーストのファイナルでも対戦しており、その時はヒートが第6戦で勝利。NBAファイナルに駒を進めている。
ただ、彼らのライバル関係はジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、バトラー、バム・アデバヨの時代よりも前から続いている。2010年代初頭を振り返れば、セルティックスのポール・ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレン、ヒートのドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズ、クリス・ボッシュというビッグスリー同士のバトルがあった。当時、ヒートはセルティックスを下して最終的に優勝している(アレンのこの両チーム間の移籍もあった)。
ロサンゼルス・クリッパーズ対ロサンゼルス・レイカーズ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):レイカーズの150勝81敗
コート内外を問わずしてスターの力があるのがロサンゼルスだ。この2チームは多くのスター選手たちを擁している。レイカーズにはジェームズ、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルック。一方のクリッパーズにはリーグトップのウィング、ポール・ジョージとカワイ・レナードがいる。
歴史的にはレイカーズが通算成績150勝81敗と支配してきた。だが、直近の7試合はクリッパーズが制している。レイカーズが最後に勝利したのは、バブルで行われた2020年7月30日(同31日)だ。クリッパーズは「ロサンゼルスの闘い」で流れを保つことができるだろうか。
1月25日(同26日)
ブルックリン・ネッツ対フィラデルフィア・76ers
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):76ersの127勝92敗
この対戦の重要度を理解するには、昨年のトレードデッドライン(トレード期限)を振り返るだけでいい。ジェームズ・ハーデンがフィラデルフィア・76ersに、ベン・シモンズがブルックリン・ネッツに移籍する大型トレードが両チーム間で実現した。
そのトレード以降にこの2チームが対戦したのは一度だけだ。フィラデルフィアでの対戦で、ネッツが76ersに勝利した。ただ、シモンズは欠場している。2021-22シーズンを全休したシモンズだが、新シーズンは復帰見込みだ。シモンズのフィラデルフィア帰還は11月22日(同23日)が最初だが、76ersのアリーナにシモンズが戻ってくる時はいつでも要チェックである。
メンフィス・グリズリーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):ウォリアーズの59勝53敗
ゴールデンステイト・ウォリアーズが第6戦で勝利した、昨季のウェスタン・カンファレンス・セミファイナルの再戦だ。このシリーズでは途中でジャ・モラントが残念ながらひざを痛め、最後の3試合を欠場した。それまでの3試合、モラントは第1戦で34得点、第2戦で47得点、第3戦で34得点と見事な活躍を見せていたのだ。
ただ、この両チームのライバル関係は、昨季のプレイオフ以前からのものだ。2019年にウォリアーズからトレードされて以降、メンフィス・グリズリーズで試合に出場しなかったアンドレ・イグダーラは、定期的にグリズリーズのファンからブーイングされている。
昨季のレギュラーシーズンでグリズリーズが勝利した際、ジャレン・ジャクソンJr.はウォリアーズのキャッチフレーズ「Strength in Numbers」(人数の強さ)をツイートで用いたが、優勝後にはウォリアーズのクレイ・トンプソンがそのことを非難。そしてそれにモラントも応じた。
両チームが最初に対戦するのはクリスマスデーだが、第2ラウンドとなるのがライバルウィークだ。
1月26日(同27日)
シカゴ・ブルズ対シャーロット・ホーネッツ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):ブルズの83勝47敗
ボール兄弟の直接対決成績:ロンゾが2勝、ラメロが1勝
ロンゾとラメロのボール兄弟対決の次章となるのがライバルウィークだ。これまでこの兄弟はNBAの舞台で3回対戦しており、兄ロンゾが2勝1敗と弟ラメロをリードしている。ただ、直接対決でより良い数字を残しているのはラメロだ。ロンゾの1試合平均11得点、5.7アシスト、2リバウンドに対し、平均17.3得点、9アシスト、7リバウンドを記録している。
もちろん、この対戦はほかにも魅力的であり、シカゴ・ブルズを6度の優勝という栄冠に導いたマイケル・ジョーダンが、引退後にオーナーを務めているのがシャーロット・ホーネッツ。その両チームの激突だ。
フェニックス・サンズ対ダラス・マーベリックス
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):サンズの103勝84敗
昨季ウェストのカンファレンス・セミファイナルの再戦だ。ダラス・マーベリックスが第7戦で勝利した。それまでのリーグの歴史で、第7戦はホームチームが110勝33敗という成績だったが、マーベリックスはロードでの第7戦を制して下馬評を覆した。それだけではない、トップシードだったサンズを下してウェストのファイナルに勝ち進んだのだ。
この時の第7戦で、マーベリックスは一度もビハインドを背負うことなく、最大46点のリードを奪い、33点差をつけて勝利している。無表情のデビン・ブッカーを見て笑うルカ・ドンチッチの画像はミームとなった。サンズにとって打ち消したい記憶だ。
その最初の機会は、10月19日(同20日)のシーズン開幕戦となる。だが、1月下旬のライバルウィークでも、両者はライバル心をかき立てることだろう。
1月27日(同28日)
メンフィス・グリズリーズ対ミネソタ・ティンバーウルブズ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):グリズリーズの54勝53敗
現在最もエキサイティングな若手ガードの2人、グリズリーズのモラントとミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズの対戦だ。モンスターダンクやブロック、見事な運動能力やスキルという点で、この両選手はトップに立つ。
絶対的に、「ポップコーンを用意して」席に座り、ティップオフに備えるような一戦だ。この両選手のどちらか、あるいは双方による次のハイライトシーンを見逃したくはないだろう。
トロント・ラプターズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):ウォリアーズの32勝24敗
NBAファイナル2019の再戦だ。ウォリアーズはトロント・ラプターズに敗れ、2000年から02年のレイカーズ以来、NBA史上6度目となるスリーピート(3連覇)を逃した。
- 1952~54年: ミネアポリス・レイカーズ
- 1959~66年: ボストン・セルティックス(8連覇)
- 1991~93年: シカゴ・ブルズ
- 1996~98年: シカゴ・ブルズ
- 2000~02年: ロサンゼルス・レイカーズ
このシリーズは、ケビン・デュラントが最後にウォリアーズのユニフォームを着る舞台となった。また、クレイ・トンプソンが941日の離脱を余儀なくされた2度の重傷の1度目を負ったのもこのシリーズだ。トンプソンは2022年1月に復帰を果たし、ウォリアーズのファイナル復帰と2015年以降4度目となる優勝に貢献した。
1月28日(同29日)
デンバー・ナゲッツ対フィラデルフィア・76ers
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):76ersの52勝42敗
ジョエル・エンビードとニコラ・ヨキッチの直接対決:エンビードの4勝2敗
現在トップのビッグマン同士の対戦だ。デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、76ersのジョエル・エンビードである。過去2シーズン、両者はMVP争いで2位以内となり、いずれもヨキッチがエンビードを制している。2020-21シーズンはヨキッチが971票でエンビードが586票だった。だが、昨季は875票に対して706票とエンビードが差を縮めている。
ヨキッチはこの世代で最高のパスができるビッグマンだ。その得点力とプレイメーク能力でナゲッツの攻撃を爆発させており、史上最高の選手との声もある。一方、インサイドでもアウトサイドでも止められないエンビードは、センターとしてシャキール・オニール以来となる得点王に輝いた。昨季のMVP争いでも見られたように、彼らはお互いを尊重している。どちらも受賞を望みながら、どちらにしてもビッグマンの栄誉となることはうれしいと認めていた。
ニューヨーク・ニックス対ブルックリン・ネッツ
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):ネッツの110勝106敗
ブルックリン・ネッツがバークレイズ・センターにニューヨーク・ニックスを迎える。ニューヨーク市の自治区対決だ。ネッツは2012年にニュージャージーから移転。ブルックリンで戦うようになって10年だ。ロサンゼルスにおけるレイカーズとクリッパーズのように、ニューヨークは常にニックスの街のようではあるが、ネッツもバスケットボール熱がすさまじい街で立場を確立し続けている。
コート上での対戦では、最近はネッツがニックスを上回っており、2021年1月以降7試合連続で直接対決を制している。
ロサンゼルス・レイカーズ対ボストン・セルティックス
通算成績(レギュラーシーズンとプレイオフ合計):セルティックスの206勝164敗
NBAファイナル対戦成績:セルティックスが優勝9回、レイカーズが優勝3回
NBA史上最も傑出した、そしてスポーツの歴史においても有数のライバル同士の対決ほど、NBAライバルウィークを締めくくるのにふさわしいカードはないだろう。セルティックスがレイカーズをホームで迎え撃つ。
2020年にバブルでレイカーズがタイトルを手にしたことで、両チームはNBA史上最多タイの優勝17回で並んでいる。18度目の優勝を競う両チームの直接対決は、歴代の偉大な選手たちの対戦を思い起こさせるだろう。例えばビル・ラッセル対ウィルト・チェンバレン、マジック・ジョンソン対ラリー・バード、コービー・ブライアント対ピアースだ。
その長い歴史に、ジェームズ対テイタムも加えられるだろうか。そのためには、レイカーズはプレイオフを逸失した失望の昨季から大きく巻き返さなければならない。一方、セルティックスもNBAファイナル2022でウォリアーズに2勝4敗で敗れており、18度目の優勝に届かなかった。
原文:Everything you need to know about 2023 NBA Rivals Week(抄訳)
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