NBA.comのショーン・パウエル記者が2019-20シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第5回目は、アトランタ・ホークス編をお届けする。
2018-19シーズン成績:29勝53敗
新加入:ディアンドレ・ハンター(ドラフト)、キャム・レディッシュ(ドラフト)、エバン・ターナー(トレード)、アレン・クラブ(トレード)、ジャバリ・パーカー(FA)、チャンドラー・パーソンズ(トレード)
退団:トーリアン・プリンス、ケント・ベイズモア、ドウェイン・デッドモン、オマリ・スペルマン
53敗を喫したチームに賛辞が寄せられることは多くない。だが、再建中のホークスがそういうチームだ。若い主軸と未来に向けて大きく踏み出し、前途有望なビジョンを垣間見せた。
最も注目を集め、それにふさわしかったのが、ポイントガードのトレイ・ヤングとパワーフォワードのジョン・コリンズのコンビだ。一緒になって1年目だったが、すぐにうまくコンビネーションを築いた。
ヤングは序盤に新人らしいミスもあったが、新人王に選ばれたダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチを含め、どのルーキーよりも力強くシーズンを終えている。オールスター以降はショットがさらに冴え、連続して36得点、36得点、49得点を記録した時期もあった。
1試合平均8.1アシストもリーグ4位の数字で、将来的には得点とアシストの双方でリーグでも5本の指に入るような選手となる可能性がある。同様に重要なのが、彼は楽しませてくれたということだ。ホークスは街のバスケットボールに対する熱気を目覚めさせるのに魅力を必要としている。
一方、コリンズは1試合平均19.5得点、9.8リバウンドをマークした。いずれもチーム最多の数字で、攻守両面においてインパクトを与え、自覚を見せつつある。また、シックスマンの新人ガード、ケビン・ハーターは、3ポイントショット成功率38.5%と長距離における武器となった。
フェニックス・サンズで失敗したアレックス・レンの復活も明るい材料だった。26歳のレンは3月と4月に1試合平均15.6得点(フィールドゴール成功率51.9%、3P成功率40.4%)、5.9リバウンドを記録し、センターの先発というポジションを得たのだ。
一方で、ホークスの大きな問題だったのがディフェンス。若さゆえに理解できるところもあるが、シーズンの大半でひどかった。それでも、ホークスは若い主軸の成長を受け、シーズンが終わると本格的に高価なベテランたちの放出を始めている。
Peep highlights of @jcollins20_ and @TheTraeYoung at Team USA camp earlier this month 🎥
— Atlanta Hawks (@ATLHawks) August 25, 2019
(via @SLAMonline)https://t.co/g6FtbOLNR0
オフの動き
加入してまだ3年だが、トラビス・シュレンクの下でのホークスのリーダーシップを疑問視する声があるだろうか。ゴールデンステイト・ウォリアーズのフロントからホークスにやってきたシュレンクは、痛手となるミスや球団を後退させるようなところがまったくない。
2018年夏、シュレンクはトレードでドンチッチを手放した。代わりに獲得したのが、ヤングとダラス・マーベリックスの2019年1巡目指名権だ。これはロッタリーピックとなった。そしてヤングはスターのポテンシャルを発揮し、ポイントガードの心配はひとつなくなった。シュレンクはこの夏、延長契約を勝ち取っている。
この3年のドラフトで、シュレンクはコリンズ、ヤング、ハーター、そしてことしのハンターとレディッシュを獲得した。その哲学はシンプルかつ妥当だ。ドラフトでできるだけ多くの打席に立ち、そしてホームランを願うということである。現在のNBAにおいて、フランチャイズプレイヤーを獲得するのに最善の手段である。
ハンターかレディッシュは期待以上となるかもしれない。前者はホークスが強く必要とする守備を買われた。レディッシュはジョーカーだが、そのスキルセットは否定できないものだ。少なくとも最初は、ホークスが正しいことを証明するチャンスをたくさん得られるだろう。
シュレンクのさらなる取引で、ホークスはブルックリン・ネッツやオクラホマシティ・サンダーから将来の1巡目指名権を手に入れた。再びシュレンクはホークスを肥大化した契約のゴミ捨て場に使ったのだ。ターナー、パーソンズ、クラブはそれぞれ契約最終年。2020年夏に彼らをまとめて放出すれば、ホークスはその金を再建プロセスに入って初めてフリーエージェント市場で使える。
最高のシナリオは、まだ新人契約の若き主軸が開花し、来年夏に球団がプレイオフ出場を競えるようにしてくれるベテラン、あるいはトップクラスのスターのトレードにキャップスペースを使えるようになることだ。アンソニー・デイビス、ポール・ジョージ、ラッセル・ウェストブルックが、それぞれの理由からこの夏移籍したように。
ドラフトだけでは足りないかのように、シュレンクはパーカーと2年1300万ドル(約13億9000万円)のFA契約を結んだ。まずまずの買い物で、かつてのドラフト全体2位指名選手をローリスクで手に入れた。活躍すれば、より長くとどまるにふさわしいかもしれない。
基本的に、ホークスは次のステップを進められるようにこのオフシーズンを使った。近年のアトランタでは、定期的にビジターチームを応援することがあった。だが、チームの改革や、新しくなったアリーナでチケットを売れる魅力的なポイントガードと、ホークスは街のバスケットボールファンに、それをさせる理由をほとんど与えていない。
アメリカンフットボールの街アトランタで、バスケットボールが目的となることはできるのか。ホークスがメインのアトラクションだったことはない。ドミニク・ウィルキンスの時代ですら、だ。だが突然、上を見る球団にはどんなことも可能となっている。
原文:30 Teams in 30 Days: Hawks flying in right direction with Trae Young, John Collins by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)
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