NBA.comのショーン・パウエル記者が2019-20シーズンを迎える全30チームの戦力を分析するシリーズコラム。第2回目は、クリーブランド・キャバリアーズ編をお届けする。
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2018-19シーズン成績:19勝63敗
新加入:ダリアス・ガーランド(ドラフト)、ケビン・ポーターJr. (ドラフト)、ディラン・ウィンドラー(ドラフト)、ジョン・ビーレイン(ヘッドコーチ)
退団:JR・スミス、キャメロン・ペイン、デイビッド・ヌワバ
レブロン・ジェームズが再び去って最初のシーズンは、ほぼ前回のコピーだった。ジェームズが去り、チームは崩壊。彼を中心に再建し、彼が去ってすぐに突然高齢化したチームにとっては、かなり予想できたことではあった。
大型契約を与えられたケビン・ラブが、負傷で22試合しか出場できなかったのも、痛手となった。その負傷により、キャバリアーズは再建のシーズンとすることになり、結果的には新人ポイントガードのコリン・セクストンが多くの出場時間を得ることに。これは必ずしも悪いことではない。当初は不安定だったセクストンだが、最後の2カ月半は1試合平均20得点と力強くシーズンを終え、オールルーキーのセカンドチームに選ばれている。2年目のジェド・オスマンも出場機会が増えた。
やや残念なのは、ラリー・ナンスJr.が大きく成長できなかったことだ。向こう気の強い、時折ハイライトになるダンクを見せるかもしれないハードワークするロールプレイヤーで終わる恐れがある。
ジェームズ時代から残るその他の選手たちも、様々な理由で苦しむか、単純に消えていった。JR・スミスは造反で出場停止、ラブは負傷し、トリスタン・トンプソンは頭打ち。ジョージ・ヒルとカイル・コーバーはトレードされ、キャバリアーズはイースタン・カンファレンスの下位に沈み、再びロッタリーに助けを求めるようになった。
オフの動き
NBAを巡るサプライズの夏において、あまり重視されていないことのひとつが、NBAのベンチで1日も過ごしたことがない66歳のおじいちゃんのようなコーチが、キャバリアーズのヘッドコーチに選ばれたことだ。
いずれにしても、ジョン・ビーレインは驚くべき人選となるかもしれない。ミシガン大学で長く大学バスケでのキャリアを築いてきたビーレインは、その戦略や冷静さ、気質から、非常にリスペクトされているコーチだ。いずれもキャバリアーズで必要となる要素である。
引退する年齢となってからは特に、彼のタイミングは終わったと考える声があった。ところが、キャバリアーズは革新的な人選に踏み切った。
年齢とキャバリアーズの状態から、ビーレインは橋渡し役のように思われる。それであれば、賢い選択だ。若い選手のマネジメントに関しては経験豊富だし、キャバリアーズはドラフトを通じて次の時代に向けて再建していくからである。トップクラスのフリーエージェントはキャバリアーズを目的地に選ばない。今夏のキャバリアーズの静けさを考えれば、2020年のドラフトロッタリーに戻り、育てていくべき20代序盤の若手をビーレインに与える可能性が大きい。
セクストンにオスマンが戻り、1巡目指名のダリアス・ガーランド、ディラン・ウィンドラー、ケビン・ポーターJr.が加われば、そういった選手は5人になる。
期待は5位指名のガーランドだ。バンダービルト大学での1年は半月板の負傷で5試合出場にとどまったが、これはキャバリアーズが同じように大学で出場試合数(11)が制限されていたガードを獲得した時に似ている。カイリー・アービングのことだ。テネシー州の最優秀選手を3回受賞したガーランドは、春にNBAのスカウトたちを忙しくさせた。
大学キャリアが短かっただけでなく、彼はコンバインも序盤に去っている。それでも、キャバリアーズがガーランドの本能にほれ込むには十分だったようだ。唯一の問題は、セクストンといかにフィットできるか。両者ともボールを持たないプレイができるが、どちらともリードプレイメイカーとしてプレイするほうがやりやすい。
ジョーカーとなり得るのがポーターJr.だ。才能でいえば、30位指名は掘り出し物と考えることができる。ただ、南カリフォルニア大学での振る舞いから停止処分を科され、シーズンの多くを棒に振ったことで、各チームは警戒した。耐久性があるスイングマンで、サイズも6フィート6インチ(約198センチ)と素晴らしく、ドリブルからプレイを作ることができる。その点で、彼を選んだことでキャバリアーズが失うものは何もない。
ウィンドラーは大学での4年を生かし、下馬評が良くなかったベルモント大学でNCAAトーナメントに進出。4年生までに見込み有望な選手へと成長した。
これらすべてがどうフィットしていくのか、キャバリアーズとビーレインはこれから見出していくことになる。現時点でのキャバリアーズは、できるだけ多くの財産を集め、若手の主軸に十分な出場機会を与え、今のうちにミスをして成長させようとするチームだ。
財産という点では、今夏のキャバリアーズはラブをトレードしなかった。ただそれは、来シーズンが終わった時もロスターに残ると意味するものではない。年齢や負傷の過去、サラリーから、難しいことではあるが、適切な価格であれば、ラブは出ていくことができるし、出ていくだろう。
ロケット・モーゲージ・フィールドハウス(旧クイックン・ローンズ・アリーナ)の外には、ジェームズの像が建つだろう。だが、彼が再びそのドアをくぐるわけではない。キャバリアーズは別の道で堂々とした地位を手に入れなければならないのだ。そして、その道は長くなるかもしれない。
原文:30 Teams in 30 Days: Cavaliers set to lean heavily on young roster by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)
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