NBA記者の戦力分析:プレイオフ進出の勢いを維持したいキングス|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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昨シーズン、17年ぶりにプレイオフ進出を果たしたサクラメント・キングスは、その勢いを維持することを目指す。

期待が高まるキングスの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • クリス・ドゥアルテ(ガード/トレード)
  • ナーレンズ・ノエル(センター/フリーエージェント)
  • サーシャ・ベゼンコフ(フォワード/ユーロリーグ) 

主な退団選手

  • リショーン・ホームズ(センター)

昨シーズン

何年も泥沼から抜け出せなかったフランチャイズが、ついにやり遂げた。キングスは16年間の低迷に終止符を打ち、プレイオフ進出を果たしたのだ。最優秀クラッチ選手賞を受賞したディアロン・フォックスと、リバウンドでリーグをリードしたドマンタス・サボニスという、2人の若い選手も飛躍を遂げた。彼らがオールスターに選出されたことで、2004年以来初めてキングスは2人のオールスター選手を抱えている。

マイク・ブラウンはキングス最初のシーズンで最優秀コーチ賞を受賞し、キーガン・マレーもオールルーキー・ファーストチームに選ばれた。そればかりか、キングスは勝利後にはゴールデン1センターの屋上からビームを灯し、サクラメントの街中を幻想的な雰囲気に包んだ。

これは紛れもなく、一度は途方に暮れたフランチャイズが自らを取り戻し、素晴らしく、そして楽しいバスケットボールをするという今シーズン最高の爽快な物語だった。サクラメントは、クリス・ウェバー/ブラデ・ディバッツ/ペジャ(プレドラグ・ストヤコビッチ)時代にプレイオフに進出して以来初めて、バスケットボールの憧れの地となった。

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夏の総括

ドラフトロッタリー(ドラフト抽選会)終了後のキングスには安堵感が漂っていた。キングスがドラフト指名権で失敗したからではない。逆に指名権を持っていなかったからだ。ジマー・フレデッテ(2011年ドラフト全体11位)、トーマス・ロビンソン(2012年ドラフト全体5位)、ニック・スタウスカス(2014年ドラフト全体8位)、そして忘れもしないマービン・バグリー三世(2018年ドラフト全体2位)を指名するという賭けに出た球団のことを想像してみてほしい。キングスはすがすがしいほどにドラフトロッタリーと縁がなかったのだ。

成功すること、プレイオフ進出を果たすということはそういうことだが、キングスにロッタリーピックがない理由は、ここ数年のドラフトで成功しているからだった。キングスは、2017年のドラフト全体5位でフォックスを、昨年のドラフト全体4位でマレーを指名した。さらに、インディアナ・ペイサーズとのトレードでサボニスを獲得できたのは、12位指名のタイリース・ハリバートンがいたからだ。

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その結果、2023年ドラフトでキングスにドラマは起きなかった。現に彼らの1巡目指名権(全体24位)は、ホームズをダラス・マーベリックスに引き渡すためにおまけで投入されている。キングスは昨シーズン中に彼をトレードしようとしたが、買い手がつかなかったのだ。ホームズはキングスで評価を落とし、ブラウンが採用した新システムでは使い物にならなかった。2年前になぜかホームズと4年の延長契約を結んだが、センターとしてはサイズがないホームズにキングスでの未来はなく、キングスは彼の代わりにノエルと契約をしている。

キングスの第一の目標は、好調を維持することだ。だからこそ、ベテランフォワードのハリソン・バーンズと3年5400万ドル(約79.4億円/1ドル=147円換算)の延長契約を結んだ。生産性が少し衰え始めている選手としては高額な契約と言えるかもしれないが、バーンズは堅実なリーダーで、ロッカールームでの人気も高いため、必要だと考えられている。

さらに続けてキングスは、昨シーズン3ポイントショットを向上させて活躍した若手ジャーニーマンのトレイ・ライルズ(27歳)との契約も延長した。

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キングスはまた、クリス・ドゥアルテを2巡指名権2つと引き換えにペイサーズから獲得することに成功した。これは驚くほどの好ピックアップだった。ドゥアルテは、2年前にオール・ルーキーに選ばれ(1試合平均13.1得点)、一時はペイサーズの将来の基盤となる選手の1人と考えられていた。キングスのモンテ・マクネアGMは、ドゥアルテが同レベルまで、おそらくそれ以上のレベルまで行けると信じているようだ。ドゥアルテのプレイが急落したのはケガのせいもあり、昨シーズンはローテーションの座を失って1試合平均7.9得点にとどまった。また、3年目の選手としては高齢の26歳で、すでにピークを迎えているのではないかとの疑問もある。

そのほかにも、サボニスのバックアップセンターとして、キングスはマーベリックスからウェイブされたジャベール・マギーと契約し、若いロスターに経験のあるベテランを加えた。35歳のマギーはキャリア通算平均7.8得点、5.2リバウンドを記録。2021-22シーズンにはプレイオフ2回戦に進んだフェニックス・サンズで74試合(17試合先発)に出場し、1試合平均16分間プレイするなど、充実したシーズンを送っていた。

キングスにはヨーロッパリーグのMVPであるサーシャ・ベセンコフも加入。彼はプロとして経験豊富な新人であり、NBAのゲームに慣れればローテーションに大きく貢献するはずだ。

活発に動く必要のなかったキングスのオフシーズンはこの程度にとどまった。チームの目標は、報酬総額を適正に保ち、ローテーションに1〜2選手を加え、ケミストリーを維持してプレイオフチームを熟成させることだったのだ。今回ばかりは、キングスがロッタリーで選んだ選手について誰も疑念を抱く必要はない。

原文:30 teams in 30 days: Kings aim to maintain momentum after return to playoffs
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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