NBA記者の戦力分析:新時代を迎えつつあるブレイザーズ|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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ポートランド・トレイルブレイザーズはこの夏、デイミアン・リラードのトレード要求に揺れている。一方、ドラフトでは全体2位でスクート・ヘンダーソンを指名した。

ブレイザーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • スクート・ヘンダーソン(ガード/ドラフト)
  • クリス・マレー(フォワード/ドラフト)

主な退団選手

  • 特になし

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昨シーズン

3月まで、ブレイザーズの方向性に疑問はなかった。答えは「ビクター・ウェンバンヤマ争奪戦」だ。シーズン最後の17試合で15敗し、ウェンバンヤマをドラフト指名するチャンスを得られる位置につけた。だが、全体1位指名権は得られず、全体3位指名権を手にした。

スター選手のデイミアン・リラードは、平均32.2得点、4.8リバウンド、7.3アシストを記録し、オールNBAサードチームに選出されるなど、昨季も素晴らしかった。いつもどおり、ブレイザーズに大きな影響を及ぼした。ただ、出場は58試合にとどまり、ブレイザーズがプレイイン・トーナメントに出場しないことがはっきりすると、終盤戦も欠場している。

2022-2023シーズンのブレイザーズには、平均20得点超を達成した選手が3人いた。リラードとアンファニー・サイモンズ、そしてジェレミー・グラントだ。だが、ユスフ・ヌルキッチは健康を保てず、出場した際もコートでゆっくりと衰えを見せ始めている。

ブレイザーズは2021-2022シーズンの29位に続き、ディフェンシブレーティングがリーグ28位とNBAで最も守備が課題のチームのひとつだった。また、新人シェイド・シャープは安定せず。ただ、良いプレイをした時はかなりのポテンシャルがあることをうかがわせた。

シーズン最後の数か月、ブレイザーズを巡る最も大きな話題だったのが、リラードの去就だ。オフシーズンに彼がついにトレードを要求するのかと騒がれた。そしてその答えは、比較的早くに出ている。

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夏の総括

リラードがビッグショットを決めた際、手首を叩くのがお決まりのジェスチャーなのは周知のとおりだ。だが、この夏の「デイム・タイム」には違う意味がある。トレード要求を受け、ブレイザーズがどれほど時間をかけるのかということだ。

10年以上をポートランドで過ごしたリラードに、終わりの時が近づいている。コービー・ブライアントやダーク・ノビツキーのように、ひとつのチームだけでキャリアを終えるというロマンティックな考えは、現代のNBAの現実を前に犠牲となった。リラードですら、優勝するために役立つことをチームが十分にしてくれないと、我慢の限界に達したのだ。

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誰もがこうなることを予想していた。リラードのトレード要求がドラフト前だったので、ブレイザーズにはいくつかの選択肢もあった。だが、リラードが望む移籍先はひとつだけ。マイアミ・ヒートだった。

こうして、ジョー・クローニンGMは難しい状況に置かれた。ブレイザーズでの栄光の年月に報い、リラードを満足させるのか。それとも、ブレイザーズにとっての最善を目指すのか。クローニンGMは後者を選んだと言われる。ヒートの条件に納得せず、他チームを探ったからだ。

これで事態は紛糾した。リラードサイドからは、トレード市場を操作するために、ヒート以外のチームに移籍しても、選手は姿を見せないとの声が上がった。これにリーグが乗り出し、労使協定で定められた契約を遵守するように通達。リラードは応じた。

夏が進んでも、取引はまとまっていない。ヒートは条件を吊り上げるのか。あるいは第3のチームが絡むのか。それとも別のチームがもっと良い条件を提示するのか。はたまた、何も起こらず、リラードはブレイザーズに合流し、トレードデッドライン(トレード期限)前に再検討するのだろうか。

最後の選択肢は可能性が低い。ブレイザーズが代役となる選手をドラフトで指名したからだ。Gリーグ・イグナイトを経験したヘンダーソンは、NBAで戦う準備を整えている。ポートランドは前進し、初日からヘンダーソンにボールを託したいと望んでいるのだ。シャーロット・ホーネッツが全体2位で彼を指名せず、全体3位で指名できたのは、ブレイザーズにとって恵みだった。

また、ブレイザーズはもうひとつの1巡目指名権で、サクラメント・キングスのキーガン・マレーの兄であるクリス・マレーを獲得している。ただ、少なくともまだ今のところは優れたシューターではない。

最後に、ブレイザーズはリラードがトレードを要求する前に、グラントと5年1億6000万ドル(約236億8000万円/1ドル=148円換算)の契約を結んだ。リラードがトレードを要求しないことを望んでいなければ、グラントとこの契約を結ぶことはなかったという見方も多い。だが、結果は周知のとおりだ。「デイム・タイム」は時を刻み続けている。

原文:30 teams in 30 days: Blazers ready to enter new era(抄訳)

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