NBA記者の戦力分析:上昇気流を加速させるマジック|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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成長著しいパオロ・バンケロを擁するオーランド・マジックは、今こそ2022-2023シーズン終盤の成長を基盤にチーム構築を図る必要がある。

マジックの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • アンソニー・ブラック(ガード/ドラフト)
  • ジェット・ハワード(ガード/ドラフト)
  • ジョー・イングルス(フォワード/フリーエージェント)

主な退団選手

  • ボル・ボル(センター/フォワード)

昨シーズン

最初の2か月でつまずき、ホリデーシーズン中も不安定だったマジックは意地を見せ、シーズン終盤は29勝28敗という好成績で幕を閉じた。プレイイン・トーナメントはおろか、プレイオフ進出には十分ではなかったが、最期の数か月でマジックは望んでいたもの、つまり、より良いチームを手に入れた。

マジックはリーグで最も若いチームのひとつであり、ほぼ毎試合、ミスを犯し、接戦で敗れる(マジックは3点差以内の試合で5勝6敗)という、いかにも若いチームらしいプレイをしていた。2022年ドラフト全体1位指名のパオロ・バンケロにけん引され、やがて彼らは何かをつかみ始めた。身長203cmのフォワードのバンケロはマジックが期待した通りの選手で、シーズンを通して安定したパフォーマンスを見せ、大事な場面で冷静で、チームの中心的存在だった。新人王に輝いた彼は、1試合平均20.0得点(フィールドゴール成功率42.7%)、6.9リバウンドを記録し、コートで最高の選手だった夜もあったほどだ。

2年目のフォワードのフランツ・バグナーは、またしてもスキルと競争心を見せつけてまだ開発されていないポテンシャルを秘めていることを示唆した。効率性(FG成功率46.5%、3ポイントショット成功率36.1%)という観点から見れば、彼はチーム最高のオフェンシブプレイヤーだった。

ウェンデル・カーター、マーケル・フルツ、ジェイレン・サグスもローテーションの中で生産性が高かった選手だが、後者の2人は大きなケガから見事に立ち直っている。繰り返しになるが、5勝20敗という最悪のスタートをおぎなうには足りなかったが、この終盤の様子を見る限り、マジックには将来に向けて明るい兆しを感じる理由があった。

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夏の総括

マジックが採用しているレシピはシンプルで、ドラフトに重きを置き、選手を賢く選び、選手育成プログラムで若手を育て、スター選手を1人か2人獲得するというものだ。

これはNBAで目新しいことではない。デンバー・ナゲッツはまさにそれを実践して2023年に優勝している。もちろん、彼らは幸運にもニコラ・ヨキッチというNBA史上最も偉大なドラフト指名選手に巡り合っているわけだが、ここで言いたいことはわかるだろう。

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マジックがブラックとハワードという2人の1巡目指名選手を追加したことで、ドラフト路線は再び軌道に乗った。これでマジックは、7選手をドラフト1巡目で指名したことになる。

ブラックは、NBAで最もうらやましい髪の持ち主であることに加え、ドリブルからの得点能力とちょっとしたショーマンシップも持ち合わせている。元マジックの選手で現ミシガン大のコーチであるジュワン・ハワードの息子のハワードは、成長に少し時間がかかるかもしれないが、彼のシュートレンジは広く、将来有望だ。

ルーキー契約が終わりに近づいている選手がいるため、ある時点でマジックは才能ある選手たちについて、誰をキープし、誰をトレードするのかという大きな決断を下さなければならない。2023年の夏は、マジックはボル以外の保有する選手をそのままキープすることになった。フロントコート陣が揃っているマジックにはボルの居場所はなかった。

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トレードされなかった選手の1人はジョナサン・アイザックで、これはちょっとした驚きだった。アイザックはバブル以降、ここ3シーズンのほとんどをケガで棒に振っている。彼の契約は今後も一部しか保証されていないのだ。欠場が多い彼の市場はおそらくあまり大きくないため、マジックとしては、彼が健康で出場時間を稼ぎ、その間に何かを成し遂げることを願っていることだろう。

ポイントガードを誰1人として手放さなかったマジックには、少なくとも今のところは、フルツ、サグス、コール・アンソニーが残ることになる。トレードデッドラインの頃になるとまた状況は変わるかもしれないが。

結局のところ、マジックの方針はドラフトと育成のままだ。それで2023-24シーズンのチームの可能性が高くなるわけではないが、これが、将来的に報われる可能性のある長期的なアプローチなのだ。

原文:30 teams in 30 days: Magic aim to accelerate their upward swing turnaround
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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