NBA記者の戦力分析:エドワーズの成長で十分か注目のウルブズ|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

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ミネソタ・ティンバーウルブズはこの夏、昨季活躍したアンソニー・エドワーズと延長契約を結んだ。

ウルブズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • シェイク・ミルトン(ガード/フリーエージェント)

主な退団選手

  • トーリアン・プリンス(フォワード)

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昨シーズン

間違いない大失敗というわけではなかった。だが、ルディ・ゴベアを獲得し、カール・アンソニー・タウンズと組ませた大型トレードから生じた懸念は、その多くが正しかったとされるだろう。2人のビッグマンが本当の意味でかみ合うことはなかったのだ。タウンズが53試合を欠場したことは言っておくべきだが、特にゴベアは欠点をさらけ出し、守備も本来の高い水準になかった。

さらに悪いことに、ウルブズが昨年夏にゴベアを獲得するために若手やドラフト1巡目指名権を手放したことは、チームの将来に悪く影響する可能性がある。昨季、ウォーカー・ケスラーがユタ・ジャズでオールルーキー・ファーストチームに選出されたことを考えれば、ウルブズはトレードをしなかったほうが、人材面で現状より良かったかもしれない。だが、どうなるかは時間が教えるものだ。

また、ウルブズは少なくとも平均的な出来にない試合で苦しんだ。決して団結することなく、支配的になることもなかった。タウンズのケガもあり、42勝にとどまり、プレイオフでは早期敗退した。

ただ、圧倒的にウルブズにとっての朗報だったのが、アンソニー・エドワーズが次のレベルにつながるシーズンだったことだ。平均24.8得点、5.8リバウンド、4.4アシストを記録し、まさに獣のような、自身最高のパフォーマンスだった。さらに、トレードデッドライン(トレード期限)ではベテランのマイク・コンリーを獲得(ディアンジェロ・ラッセルを放出)。すぐに機能し、ポイントガードのポジションで弾みとなった。

もうひとつのプラス材料は、ジェイデン・マクダニエルズの成長だ。タウンズの代役として輝いたナズ・リードも同じだろう。これらの若手がエネルギーと希望になった。

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夏の総括

2年連続でオフシーズンに大きく動くことは難しい。ウルブズにも当てはまる。大きな決定の狭間となる年だったと言えるだろう。すべてがうまくいかなければ、次の大改革があるのは確実だからだ。

ウルブズは、たとえどんなに小さくとも、タウンズを手放したり、疑わしい1シーズンでゴベアを見切るという衝動になびかなかった。その結果、金銭面で迷うことなく2つの決断を下している。エドワーズ、そしてリードとの延長契約だ。

エドワーズとの延長契約は簡単だった。5年最大2億6000万ドル(約390億円/1ドル=150円換算)というルーキーマックス契約を結んでいる。スターになりかけているエドワーズは、ロスターで最も価値のある選手と見られている。

もちろん、これにより、ウルブズはエドワーズ、タウンズ、ゴベアと、3選手とマックス契約を結んだことになる。NBAでは珍しいことだ。繰り返すが、新シーズンもプレイオフで勝ち進んでいくことができなければ、来年の夏は様々なことがあるかもしれない。マックス契約の3選手を擁しながら勝てなければ、ファンの心をつかむことはできないだろう。

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リードが2022-2023シーズンにブレイクしたことで、ウルブズは彼の残留を強く望んでいた。ただ、問題になり得ることが2つある。リードはセンターで、ウルブズにはこのポジションの人材が多いこと。そしてそのために、リードがもっと大きな役割をこなせるような別のチームに行きたがるようになるかもしれないことだ。

しかし、リードはウルブズを気に入っており、取引に至った。3年4200万ドル(約63億円)という契約は、選手にとってもチームにとってもウィンウィンだ。

また、サラリーキャップのスペースが少ない中で、ウルブズはフリーエージェントでミルトンを獲得した。フィラデルフィア・76ersでは浮き沈みがあり、最後はやや居場所を失った選手だ。しかし、ウルブズでは確実にローテーションプレイヤーであり、エドワーズをバックアップするだろう。

原文:30 teams in 30 days: Will Anthony Edwards' star turn be enough for Timberwolves?(抄訳)

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。