NBA記者の戦力分析:再び優勝メンバー中心のバックス|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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ミルウォーキー・バックスはマイク・ブーデンホルザーからエイドリアン・グリフィンにヘッドコーチが交代した。

バックスの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • エイドリアン・グリフィン(ヘッドコーチ)
  • マリーク・ビーズリー(ガード/フリーエージェント)
  • ロビン・ロペス(センター/フリーエージェント)

主な退団

  • マイク・ブーデンホルザー(ヘッドコーチ)

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昨シーズン

バックスは昨季のレギュラーシーズンでNBA最高成績を収めた。だがプレイオフでは、プレイイン・トーナメントを勝ち上がり、最終的に東地区王者となったマイアミ・ヒートに敗れ、ファーストラウンドで敗退。悔しい結末となった。もちろん、それには理由がある。ヤニス・アデトクンボが負傷し、そのヒートとのシリーズの2試合半を欠場したことが大きく響いたのだ。

しかし、2021年に優勝して以降、バックスは同じことの繰り返しだった。2022年のクリス・ミドルトン、そして昨季のアデトクンボが健康だったら、バックスは少なくともあと1回、あるいは2回、タイトルを手にしていたかもしれない。しかし、不運のために、バックスは王朝を築くことができず、マイク・ブーデンホルザーが職を失うことにつながった。

少なくとも、2022-2023シーズンのバックスは、健康を保ち、アデトクンボが再びMVP級なら、活躍できることを示した。NBA最高のチームなのは間違いない。このことは、夏に決断を下す際、フロントオフィスの考えにも大きく影響した。

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夏の総括

ある程度考え、だが大きく議論するほどでもなく、バックスは3シーズン連続で優勝した時のメンバー中心で再び臨むことを決断した。リスクがなかったわけではない。おそらくは多くの選択肢がなかったこともある。だが、2023-2024シーズンも、バックスのラインナップはここ3年で見てきたのと同じになるだろう。

ただ、ミドルトンとの再契約やブルック・ロペスとの延長契約は、バックスにとって支出につながる。確かな得点力で過去3年の成功において重要だったが、キャリアのピークが過ぎたスターター2人に、合計1億5000万ドル(約222億円/1ドル=148円換算)だ。しかし、彼らはアデトクンボを非常にうまく補完する。そしてバックスは今勝つことを重視しているだけに、ミドルトンとロペスが調子を落とすのが新契約の終わりであれば、それで構わないという姿勢のようだ。

そして本当に、この夏のバックスにほかの選択肢があっただろうか。サラリーキャップのためにできることには制限があり、アデトクンボの黄金期に再建に乗り出すという案はバカげている。だからこそ、バックスのジョン・ホーストGMは継続を選んだのだ。この主軸が遅かれ早かれ終わりを迎えるリスクを冒してでも、過去5年のレギュラーシーズンで平均55勝をあげたチームでチャンスをつかみにいくというわけである。

ミドルトンはオプションを破棄し、代わりに2年を加えた(合計3年)。32歳という年齢と最近のケガの過去から、賢明な動きだろう。以前のようなディフェンダーではないが、堅実さは変わらない。頼りになるスコアラーでもある。ただ、ここ3年は連続で平均得点とフィールドゴール成功率が落ちている。

一方、ロペスの昨季はおそらくバックスでの彼のベストシーズンだった。腰のケガでその前年を全休した選手にとっては心強い。年間最優秀守備選手賞の投票で2位となり、リバウンドの堅実さや、3ポイントショットでフロアを広げられることを改めて証明した。この夏はフリーエージェントだったため、ゴールデンステイト・ウォリアーズやヒューストン・ロケッツの話が上がるなど、別のチームでプレイする考えもあったが、バックスが適切な金額を用意したことで残留を選びやすくなった。

さらに、バックスは双子のロビンを戻したことで、ロペス兄弟がそろうことになった。彼らがロッカールームを明るくするのは確かだろう。そしてロビン・ロペスはまだ、控えビッグマンとして毎試合平均10~15分ほど貢献できる選手だ。

そしてバックスには、ビーズリーと契約するだけのサラリーキャップの空きがあった。昨季、ベンチスタートからの3Pでリーグトップだった彼は、ショットに関して選手層に厚みを持たせてくれる。グリフィン新ヘッドコーチによるシステム次第では、スターティングラインナップに食い込めるかもしれない(以前ウェズリー・マシューズが担った役割だ)。

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プレイオフ・ファーストラウンドでヒートに敗れたひどいパフォーマンスにおいて、試合終盤の決断の数々がうまくいかなかったブーデンホルザーに代え、バックスはグリフィンに指揮を託すことを選んだ。アデトクンボにジミー・バトラーを守らせなかったブーデンホルザーの運命は、敗退後にアデトクンボがバトラーを守りたかったと発言した時に決まっていたのかもしれない。普通は、優勝してからこれほど早くにチームが指揮官を見限ることはない。

グリフィンはキャリアで初のヘッドコーチだ。そのため、リスクはある。優勝に向けて戦う準備のあるチームが、初のヘッドコーチという指導者に託す――これもまた珍しいことだ。それがどれだけ厄介なことになり得るかは、ジョー・マズーラを起用し、NBAファイナルの舞台に戻ることができなかったボストン・セルティックスがよく知っている。だが、グリフィンは主にトロント・ラプターズでアシスタントコーチとしての経験が豊富だ。そして人選においてアデトクンボから称賛されている。

新しいコーチと、同じローテーション。まずまずのコンビネーションと思われる。次は、バックスが王座を取り戻すのに必要な方程式だったのかどうかを見てみよう。

原文:30 teams in 30 days: Bucks decide to run it back once again with championship core(抄訳)

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