NBA記者の戦力分析:プレイオフ進出を目指す若きペイサーズ|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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インディアナ・ペイサーズは、昨季デンバー・ナゲッツで優勝を経験したブルース・ブラウンをフリーエージェントで獲得した。

ペイサーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • ブルース・ブラウン(ガード/フリーエージェント)
  • ベン・シェパード(ガード/ドラフト)
  • ジェレス・ウォーカー(フォワード/ドラフト)
  • オビ・トッピン(フォワード/トレード)

主な退団選手

  • クリス・ドゥアルテ(ガード)

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昨シーズン

凡庸さにはまっているペイサーズにとっては、「平凡」な7か月だった。プレイオフに進出するほどではないが、ビクター・ウェンバンヤマを狙う現実的なチャンスを得られるほど悪くもなし。つまり、35勝をあげても、あるいは47敗を喫しても、何も勝ち取ることができなかったというのが現実だ。

こういった状況でよくあることだが、彼らには良いこともそうでないこともあった。

タイリース・ハリバートンの存在は、間違いなく前者だ。アシストでリーグ2位となり、オールスターに選出され、リーグ有数のポイントガードとしての地位を確かにした。

センターのマイルズ・ターナーは平均18得点、7.5リバウンドというまずまずのシーズンを終え、延長契約を結び、ようやくトレードの噂から外れることになった。ベネディクト・マサリンも最初の2か月はリーグ有数のルーキーだった。ただ、その後、壁にぶつかっている。

それ以外は、選手のパフォーマンスもチームのパフォーマンスも、絵に描いたような安定感のなさだった。そんな中途半端な状態から抜け出す道を探しつつ、ペイサーズは夏を迎えたのだ。

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夏の総括

優勝できないなら、優勝のメンタリティーをチームにもたらそう。このミッションを、ペイサーズはデンバー・ナゲッツからブルース・ブラウンを獲得することで成し遂げた。ナゲッツはフリーエージェントのスイングマンと再契約できる状態になく、そんな彼らの損失がペイサーズの利益となったのだ。

ブラウンにとっても利益となった。昨年夏、まずまずのFA契約を得ることができなかったブラウンは、お買い得価格でナゲッツと契約。700万ドル(約10億3600万円/1ドル=148円換算)で昨季最高のお値打ち価格の選手となった。そして今夏はペイサーズと2年4500万ドル(約66億6000万円)の契約を結んだのである。つくり出すことも守備もできるエネルギッシュな選手に対してはリーズナブルな金額だ。

また、ペイサーズはドラフトでフロントコートも強化した。2年前は最高級の評価だった6フィート8インチ(約203センチ)のフォワードであるウォーカーをロッタリーピックで獲得している。NBAへの移行がスムーズにいけば、オフシーズンにペイサーズが獲得したもうひとりの新戦力とパワーフォワードの出場機会をまずまず競えるだろう。

そのもうひとりの新戦力が、NBAドラフト2020で全体8位指名されたトッピンだ。ニューヨーク・ニックスはわりと早くからトッピンを見限り、2つの2巡目指名権と引き換えに手放した。これは決して良い兆しではない。

トッピンがニックスで出場時間を得るのに苦労したのには、2つの紛れもない理由がある。自らショットをつくり出すことができなかったのと、トム・シボドー・ヘッドコーチにとって十分な守備ができなかったからだ。すさまじいダンカーという以外に、多くの出場時間につながるようなところを、トッピンはあまり示せなかった。

まだトッピンはスキルを伸ばすことができる。だが、25歳であり、新シーズンも苦労すれば、来年の夏はルーキー延長契約を得ることはできないだろう。

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ルーキー延長契約といえば、ペイサーズはハリバートンのために財布のひもを緩めることを躊躇(ちゅうちょ)せず、マックス契約を結んだ。これは選手のみならず、球団にとってもすばらしいことだ。インディアナは小さなマーケットで、FA選手たちを引きつけるところではない。そのため、ドラフトで指名した選手を育て、必要とあれば何としてでもとどめることが重要なのだ。

ハリバートンはペイサーズがドラフトで指名した選手ではない。だが、2022年のサクラメント・キングスとのトレードは、双方に役立った。キングスはオールスター選手のドマンタス・サボニスを手に入れ、ペイサーズは少なくとも今後5年、ポイントガードのポジションを安泰にできたからだ。

一方、ドラフト指名した選手で成長しなかったのがドゥアルテだ。当初はペイサーズを感銘させた(2021-2022シーズンのオールルーキー・セカンドチーム入り)。だが、それから不調に陥り、バディー・ヒールドにポジションを譲り、すぐにローテーションから外れることに。オールドルーキー(現在26歳)ということもあり、球団内ではピークを過ぎたとの見方が上回るようになり、2つの2巡目指名権と引き換えにキングスにトレードされた。

ペイサーズがもうひとつの1巡目指名権を使って手に入れたのは、ガード陣にサイズをもたらすことができるシェパードだ。トレードデッドライン(トレード期限)にヒールドを犠牲にできるようになるほど、シェパードは成長できるだろうか。

1巡目指名権を2つとも残して使ったのは、ペイサーズが成長させてハリバートンと並べられるような有望タレントを探しているからだ。まだスーパースターはいないが、探し続けているのである。その間に彼らが望むのは、次のステップを踏み出すことのみ。中間層から抜け出し、プレイオフに進出することだ。

原文:30 teams in 30 days: Young Pacers look to take step toward playoffs(抄訳)

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