NBA記者の戦力分析:クリス・ポール獲得に動いたウォリアーズ|NBA 2023-2024シーズン

Shaun Powell, NBA.com

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この夏、ゴールデンステイト・ウォリアーズは戦略を変更してベテランポイントガードのクリス・ポールの獲得に動いた。

ウォリアーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • クリス・ポール(ガード/トレード)

主な退団選手

  • ジョーダン・プール(ガード)
  • ドンテ・ディビンチェンゾ(ガード)

昨シーズン

ウォリアーズは健闘したが、ウェスタン・カンファレンスのプレイオフ・セカンドラウンドでロサンゼルス・レイカーズに敗れ、連覇を果たせなかった。ファーストラウンドではサクラメント・キングスを相手に第7戦まで持ち込まれ、50得点を記録したステフィン・カリーに救われている。ウォリアーズが再び優勝できるチームではないことを示唆するにはそれだけで十分だった。

理由のひとつはジョーダン・プールの急激な不振だった。効率が一気に低下した彼は、セカンドラウンドには精神的にボロボロで控えにまわされた。また、アンドリュー・ウィギンズがシーズン後半に個人的な問題で戦列を離れていたことも一因だった。

カリーはキャリア3位の平均得点(29.4)を記録し、またもや素晴らしい活躍を見せたが、クレイ・トンプソンは不安定で、プレイオフのレイカーズ戦ではショットを決めることができなかった。結果的に、ウォリアーズがタイトル防衛を狙うチームとして脅威にはならなかったということだ。

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夏の総括

数年前、ウォリアーズはある戦略を試みた。それは、優勝チームの中核に若手選手を入れて、今だけではなく、その後も勝ちに行くというものだった。だが、その計画は見事に崩れ去り、ウォリアーズは急遽、方向転換をすることになった。

この時期にドラフトされたジェームズ・ワイズマン、ジョナサン・クミンガ、モーゼス・ムーディー、プールといった若手は、突如として現在のウォリアーズを代表する選手ではなくなってしまっている。

ワイズマンは昨シーズンの途中でトレードされた。彼の獲得に2位指名権を使ったのは間違いだったと恥ずかしながら認めたかたちだ。そして、プールは激動のシーズン終了後に退団になった。

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2021-22シーズンの優勝チームの主要メンバーで、その報酬として高額の4年の延長契約が与えられていたプールをウィザーズにトレードしたことは特に驚きだった。しかし、彼がコート内外で成熟することを期待していたウォリアーズのプールに対する忍耐は、予想以上に早く限界に達してしまった。最初の兆しは、プレシーズン中にドレイモンド・グリーンがプールを殴ったときだ。どうやらプールがグリーンに何か言って問題を引き起こしたようだった。

その後のパフォーマンスが期待外れだったことを考えれば、パンチの影響を受けていたのは明らかだろう。彼のショットセレクションは耐えがたいほどひどく、ディフェンスは散々だった。その前のシーズンには負傷したトンプソンに代わって先発出場し、1試合平均20.8得点を記録した選手とは別人だった。

なんとかしなければいけない状況に手を下したのはマイク・ダンリービーだ。ボブ・マイヤーズに代わってゼネラルマネジャーに就任してわずか数日後のことだった。プールはポール獲得のためにウィザーズに送られ、ウォリアーズのガード陣は瞬時により賢く安定したものになった。

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フェニックス・サンズからウィザーズ経由でやってきた12度のオールスターのクリス・ポールだが、サンズでは彼はもう衰退しているという雰囲気が漂っていた。

その可能性もあるだろう。ポールはこの5月に38歳になり、19年目のシーズンを迎える。また、彼の契約はこれが最終年でもあり、財政的な観点からもウォリアーズはプールの1億2800万ドル(約188.2億円/1ドル=147円)の契約を破棄するほうが得策だったのだ。

とはいえ、ポールはウォリアーズで違う役割を担うことになる。少なくとも彼にとっては異なる役割だ。彼にはボールを持つことも、多くの出場時間も要求されない。

カリー擁するチームがポジション的にポールを必要としないことを考慮すると、このトレードでウォリアーズが良いチームになるかどうかは、ポールがその状況にどう適応するかにかかっているだろう。

しかし、彼は賢いベテラン選手だ。ウォリアーズは、カリーに(そして、ドレイモンドとトンプソンにもある程度)残された全盛期を救うために彼を起用できないかと考えている。また、今回の移籍でポールにはおそらく、なかなか掴めない優勝への再挑戦のチャンスが与えられることになる。

ほかにやるべき仕事はグリーンの契約をあと4年延長することだったが、これはもともとの王朝時代の中心選手を維持するために計画されていた。

それもウォリアーズの理念の一例だった。2023年の夏、年配選手は報われ、若手選手切り捨てられたのだ。

原文:30 teams in 30 days: Warriors change their strategy by adding Chris Paul
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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