NBA記者の戦力分析:再建中のネッツが試みる新たなアプローチとは?|NBA 2023-2024シーズン

YOKO B

Shaun Powell, NBA.com

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再起を図るブルックリン・ネッツは、スーパースターを中心に再建するのではなく、ひと握りの若手選手たちに大きな期待を寄せている。

ネッツの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

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主な新戦力

  • ノア・クラウニー(フォワード/ドラフト)
  • ダリーク・ホワイトヘッド(フォワード/ドラフト)

主な退団選手

  • セス・カリー(ガード)
  • ジョー・ハリス(ガード)
  • パティ・ミルズ(ガード)

昨シーズン

「壮大な実験」は、最後には大きな音を立てて砕け散った。ケビン・デュラントとカイリー・アービングが3年ちょっと前にネッツにやってきたとき、彼らはネッツを優勝候補の一角に押し上げ、バスケットボール好きのニューヨーカーの注目を集めるはずだった。その2人は、シーズン半ばにしていなくなった。

デュラントとアービングは壊れた夢と約束を残していった。もっとも、そのほとんどはネッツ在籍中の両者のケガが原因だった。アービングはその予測不可能な言動で評判を落としていき、我慢の限界に達した球団は喜んで彼をダラス・マーベリックスに送った。そして、2022年の時点でトレードを要求していたデュラントがいなくなるのは時間の問題で、やはりネッツを去っていった。

どちらのトレードも、ネッツは無事に切り抜けた。ネッツはマブスから、堅実なスウィングマンであるドリアン・フィニー・スミスと、以前ネッツで活躍していたことのあるスペンサー・ディンウィディーを獲得した。しかし、大きな収穫は、デュラントと引き換えにフェニックス・サンズから獲得したミケル・ブリッジズとキャム・ジョンソンだった。2人の若手ウイングは、即座にチームにインパクトを与えている。

特にブリッジズは、攻守にわたって素晴らしい活躍を見せた。彼はファーストオプションという新しい役割に大いに可能性があることを示し、ネッツで出場した27試合で1試合平均26.1得点を記録した。ネッツに移籍してからのジョンソンも、オフェンス面でより良いプレイを見せ、平均得点はサンズでの13.9得点から16.6得点に伸びている。

ネッツは予想よりもうまく立ち直ったと言える。それでもこれは、新たな選手たちとともに歩む、再建なのだ。

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夏の総括

輝いていながらも嵐のようだった過去と決別しようとしているネッツの夏は一転して静かだった。エゴの塊のようなビッグネームを獲得する代わりに、ネッツはドラフトにかけた。スーパースターを中心にチームを構築するのをやめたネッツは、もはや必要とされない脇役たちを放出した。

そう、この夏のネッツの動きが証明したのは、ブルックリンで新しい一日が始まったこということなのだ。

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最も重大な決断は、ネッツの若返りに重要な役割を果たしたジョンソンに関するものだった。彼は4年総額1億800万ドル(約159.8億円/1ドル=148円換算)の契約を結んだと報じられているが、これはまだ育成過程にある選手にしてはかなり高額な契約である。しかし、この動きはネッツの現状と目指す方向に一致している。

ネッツのショーン・マークスGMは、ジョンソンとの再契約が最優先事項であり、あの金額であればジョンソンが拒否するわけがないと言っていた。それに、彼やブリッジスはここ最近の選手たちのように手がかかるタイプではない。

この動きに関連して、ネッツはカリーとハリス、ミルズを放出した。この3人はチームの新しい方向性にはそぐわなくなっていた。彼らは前体制の脇役であり、しかも3人とも全盛期を過ぎているのだ。

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ドラフト全体1巡目後半の2つの指名権で、ネッツはホワイトヘッドとクラウニーという万能型フォワードを獲得した。ネッツはフォワードのポジションの層が厚いため、両者とも当面はローテーション下位の補充要員になると予想される。

そしてもうひとつ、実現しなかった動きで、おそらくネッツファンを悩ませているものがある。ベン・シモンズはまだネッツにいるのだ。

理想的には、シモンズはこの夏に放出され、悔やまれる時代がすっきり終わっていたはずだっただろう。しかし、現実には彼にそれほど大きなトレード価値はない。実際にその価値はまったくないと言う人もいるだろうし、シモンズをトレードするには、ネッツは不利な契約を引き取らなければならなかっただろう。こういう状況では、シモンズが健康になり、NBAでの最初の数シーズンのような状態に戻ることを願ってじっと我慢し、それからネッツでの彼の将来を見直すのがベストだ。

デュラントとアービングが移籍した年、シモンズは残った。これはネッツが思い描いていたことではなかった。好転はしていないものの、これが彼らの新しい現実なのだ。

原文:30 teams in 30 days: Magic aim to accelerate their upward swing turnaround
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。

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