NBAドラフトのシーズンがやってきた。NBAドラフト2020は11月18日(日本時間19日)に開催予定だ。今年のドラフト対象者たちの中からトップクラスの有望新人たちをチェックするタイミングである。
ドラフトのエキスパートであるカイル・アービング記者のモックドラフトは以下の通り。各選手の指名候補チーム、長所と弱点、比較し得るNBA選手たちなどを添えて、どのチームが誰を指名するか予想する。
1. ミネソタ・ティンバーウルブズ
アンソニー・エドワーズ(ジョージア大学)
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ドノバン・ミッチェル、ビクター・オラディポ
エドワーズは6フィート5インチ(約196cm)でNFLのランニングバックのような体躯を持つ爆発的なガードだ。彼のバスケットへのアタックはディフェンダーを大いに苦しめる。ドリブルから自分でショットを打ちにいける能力を持ち、NBAレベルでもショットメイカーとしてやっていけるはずだ。様々な形でフィニッシュでき、1番(ポイントガード)や2番(シューティングガード)でプレイする上でのボールコントロールにも自信を持っている。ただ、プレイメイクは磨きをかける必要があるだろう。守備での努力は物足りないときがあるが、肉体的素質はリーグで堅実なディフェンダーとなれるだけのものを持っている。
2. ゴールデンステイト・ウォリアーズ
ジェームズ・ワイズマン(元メンフィス大学)
ポジション: センター
年齢: 19
比較選手: ディアンドレ・ジョーダン、ナーレンズ・ノエル
ワイズマンは非常に運動能力の高いビッグマンで、NBAレベルでリムプロテクター、リムランナーとしてやっていくだけのポテンシャルをこれまでに何度も見せてきた。ペリメーターシューターとしてのスピードとポテンシャルを持つ彼のプレイは、一部のチームがますます小柄で速いプレイを目指す時代でも、まだ変換可能だ。リバウンドや守備でとてもエネルギッシュ。ただ、守備のIQとポジショニングは改善の余地がある。ポストでの動きやパスは磨きをかける必要がある。それでも、ロブターゲット(ロブパスのフィニッシャー)としてやっていけるはずだ。効果的なポストスコアラーとなるだけの強さとタッチを併せ持っている。
3. シャーロット・ホーネッツ
ラメロ・ボール(イラワラ・ホークス/オーストラリア)
国籍: アメリカ
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ジェイソン・キッド、ジェイソン・ウィリアムズ
ボールは今年のドラフト対象者で最も才能のあるプレイメイカーだ。ピック&ロールのボールハンドラーとして優れ、わずかな隙間からでもオープンなチームメイトを見つけられるコートビジョンは見事。いつかアシストでリーグを牽引するだけのポテンシャルを持つ。リバウンダーとしても素晴らしく、トリプルダブルを達成できる真の脅威だ。ただ、効率的に得点できないのが明らかかつ最大の弱点と言えよう。フローターのレンジは広く、ペイント内でのタッチも素晴らしいが、リムに向かっていくフィニッシュは向上させる必要があり、ジャンパーも要改善項目だ。NBL(オーストラリアのプロリーグ)での3ポイントショット成功率は25%にすぎなかった。NBAでも優れたディフェンダーとなるだけの肉体的素質があるが、もっと守備に集中する必要がある。ニューオーリンズ・ペリカンズの兄ロンゾのように体重を増やせば守備面で役に立つだろう。
4. シカゴ・ブルズ
デニ・アブディヤ(マッカビ・テルアビブ/イスラエル)
国籍: イスラエル
ポジション: フォワード
年齢: 19
比較選手: ゴードン・ヘイワード、ヒドゥ・ターコルー
アブディヤは6フィート9インチ(約206cm)の選手としてはプレイメイクのスキルが魅力だ。ボールを持ったときは自信にあふれ、トランジションでボールを運んだり、ハーフコートでのピック&ロールも難なくこなす真の“ポイントフォワード”だ。高い守備IQで運動能力面での限界を克服する抜け目ないディフェンダーでもある。最大の懸念はジャンプショット。マッカビ・テルアビブでの昨季は3P成功率33.6%、フリースロー成功率52.0%だった。ショット精度を高められれば、今年のドラフト対象者で最高の選手となるポテンシャルを持つ。
5. クリーブランド・キャバリアーズ
オビ・トッピン(デイトン大学)
ポジション: フォワード
年齢: 22
比較選手: ジョン・コリンズ、アマレ・スタウダマイアー
トッピンはデイトン大学の昨季の原動力で、ネイスミス賞(大学最優秀選手賞のひとつ)の受賞者だ。走れて高く跳べるフォワードで、カットインも極めてうまい。NBAでも活躍できるはずだ。ポストムーブはあまりなく、攻撃の大半はペリメーターからだ。シューターとしてスポットアップもできる。昨季の3P成功率は39%だった。守備時のピック&ロールでのスイッチの判断に大きな疑問が残るものの、それでも、強く爆発的な、典型的な現代のNBAのパワーフォワードだ。
6. アトランタ・ホークス
オニエカ・オコング(USC)
ポジション: センター
年齢: 19
比較選手: ブランドン・クラーク、バム・アデバヨ
オコングはほぼすべてができるビッグマンだ。走れて、リム付近でのタッチも良い。ポストからパスを出せ、ピック&ロールではロールマンとして仕事する。優れたショットブロッカーであり、リムプロテクターでもある。攻守両面でのモビリティがあり、攻撃時はボールを持つことができ、守備時にはピック&ロールでスイッチできる。ジャンプショットは安定感がないが、体重を増やせば大きな相手に対してもペイント内で対抗できるだろう。ただ、それには時間が必要だ。センターとしての潜在能力と幅広いスキルセットは魅力だ。
7. デトロイト・ピストンズ
キリアン・ヘイズ(ウルム/ドイツ)
国籍: フランス
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ゴラン・ドラギッチ、ジャマール・マレー
ヘイズは第一にプレイメイカーだが、得点を狙うことにも積極的だ。ピック&ロールの使い方がうまく、チームメイトのためにお膳立てすべきか、自分で得点を狙うべきか、正しい決断ができる。ドリブルから自分でショットも打て、高レベルのスコアラーになれるだけのポテンシャルがある。ただ、ウルムでの昨季は3P成功率29%にすぎなかった。サイズは6フィート5インチ(約196cm)、215ポンド(約98kg)。ポイントガードとしてはサイズ的に大半の選手よりも有利だろう。運動能力は超級ではないが、攻撃時の本能や守備がそれを補う。
8. ニューヨーク・ニックス
タイリース・ハリバートン(アイオワステイト大学)
ポジション: ガード
年齢: 20
比較選手: デジャンテ・マレー、ロンゾ・ボール
ハリバートンは真の2ウェイポイントガード(攻守両面で優れるPG)だ。決断力とパスが素晴らしく、ピック&ロールやスクリーンから、あるいはカットインでバスケットに向かう中でオープンな味方を見つけることができる。攻守両面でリーチの長さは貴重。攻撃ではリングに至るのに、守備ではボールハンドラーがパスを通すのを防ぐのに役に立つ。ジャンプショットはあまりオーソドックスでないが、アイオワステイト大での2シーズンでは効率的なスコアラーだった。運動能力は驚くほどではなく、ペリメーターでは自分で攻撃を作るのに苦しむ場面も見られたが、IQが高く、フロア上の優れた司令塔となれるはずだ。
9. ワシントン・ウィザーズ
アイザック・オコロ(オーバーン大学)
ポジション: フォワード/ガード
年齢: 19
比較選手: マティース・サイブル、アンドレ・イグダーラ
オコロは今年のドラフト対象者の中で最も優れたウィングディフェンダーと見る人が多い選手だ。守備では多才で、インサイドでもアウトサイドでも、1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)まで守ることをいとわない。6フィート6インチ(約198cm)だが、より大きな選手を守る際も、強さで高さを補う。NBAで見られるようになっている、ポジションを気にせずで流れるようなスモールボールのバスケットボールをするのに守備面で理想的だ。バスケットでフィニッシュする能力につながる運動能力やフィジカルを除き、攻撃面はさほどではない。ボールハンドリングは改善の必要があり、オーバーン大での1シーズンで3P成功率は28.6%。ジャンプショットを磨くことが、3Pとディフェンスのスペシャリストとしてリーグで脅威になるための鍵だ。
10. フェニックス・サンズ
パトリック・ウィリアムズ(フロリダステイト大学)
ポジション: フォワード
年齢: 19
比較選手: OG・アヌノビー、PJ・タッカー
ウィリアムズはサイズと能力のコンビネーションで予想指名順位を上げてきている選手だ。6フィート8インチ(約203cm)のフォワードで、自分でショットを作り出し、ドリブルからリムにアタックできる。スクリーンをかけてからリングに向かったり、ペリメーターに移ってプレイでき、運動能力を生かしてバスケットにフィニッシュできる。多才なディフェンダーでもあり、ウィングやペイント内でも貢献できる。フロリダステイト大学での1シーズンで3P成功率は32%だったが、NBAで優れたスポットアップシューターとなれるだけの技術を持っている。彼を指名するチームは、どんなラインナップでも様々なポジションに彼をつなげられるはずだ。
11. サンアントニオ・スパーズ
デビン・バッセル(フロリダステイト大学)
ポジション: フォワード/ガード
年齢: 20
比較選手: トレバー・アリーザ、ミケル・ブリッジズ
NBAでは3Pとディフェンスのスペシャリストがますます貴重となっているだけに、バッセルのような選手は強く望まれるようになるだろう。6フィート7インチ(約201cm)でウィングスパンは6フィート10インチ(約208cm)。肉体的素質はエリートクラスの守備と完璧に合う。体重は200ポンド(約91kg)足らずながら、NBAレベルでもウィングをしっかりと守れる能力がある。ボールへの嗅覚を備え、スティールとブロックは昨季のフロリダステイト大で1試合平均1本超。また、大学での2シーズンではそれぞれ3P成功率40%超とシャープなシューターでもある。自分でショットを作り出す力はさらに改善できるだろうが、守備とスポットアップシュートに秀でたウィングの選手は豊富だ。
12. サクラメント・キングス
サディック・ベイ(ビラノバ大学)
ポジション: フォワード
年齢: 21
比較選手: ジェイレン・ブラウン、ジミー・バトラー
ベイもまた、古風な3Pと守備のウィングプレイヤーだ。ただ、フロアのあらゆる距離から得点できる能力もある。ブレイクした大学での2年目では、1試合平均16.1得点を記録。ドリブルから得点につなげる能力、スポットアップシューターとして、またカットインでサイズを生かしてバスケットでフィニッシュする力を示した。ボールハンドリングは改善の余地があり、運動能力や1歩目のステップで相手を吹き飛ばすようなことはない。才能がある知的なディフェンダーで、勝利につながるプレイをする。常にトップ10圏外予想だが、ドラフトの掘り出し物となるかもしれない。
13. ニューオーリンズ・ペリカンズ
アーロン・ネスミス(バンダービルト大学)
ポジション: フォワード
年齢: 20
比較選手: ダニー・グリーン、ウェスリー・マシューズ
ネスミスは今年のドラフト候補選手で最高の3Pシューターのひとりだ。バンダービルト大学での昨季は3P成功率52.2%を記録。大学ルーキーシーズンは平均11得点だったが、2年目は23得点と飛躍した。スクリーンやドリブル、スポットアップからシュートを打てる。バスケットへのアタックやプレイメイクは特筆すべきほどではないものの、堅実なディフェンダーで、改善の余地はある。全体的には、ショット以外の分野にもポテンシャルのあるスナイパーだ。
14. ボストン・セルティックス
プレシャス・アチウワ(メンフィス大学)
ポジション: センター
年齢: 21
比較選手: モントレズ・ハレル、ケネス・ファリード
アチウワは、運動能力とエネルギーをチームにもたらす。6フィート9インチ(約206cm)の身長、7フィート2インチ(約218cm)のウィングスパンで、構えてリムを守る。しかも、運動能力を生かしてペリメーターでもプレイできる。メンフィス大学でのルーキーシーズンはブロックとスティールで平均1本超。素晴らしいリバウンダーでもある。攻撃ではフットワークがよく、ピック&ロールや、ポストでのロブターゲットとして効果的だ。シュートタッチは磨きをかける必要があり、パサーとしては知られていないが、そのサイズとしては良いボールハンドリング技術を持つ。今のNBAでは4番か5番でプレイできるはずだ。
15. オーランド・マジック
タイレル・テリー(スタンフォード大学)
ポジション: ガード
年齢: 20
比較選手: CJ・マッカラム、セス・カリー
テリーはフロアのあらゆるところから得点できるクリエイターだ。スタンフォード大学での1シーズンで3P成功率は40%超。そして、彼の得点パターンはそれだけではない。ポイントガードだが、まず得点を目指すメンタリティにより、ボールを持たないときの仕事がうまい。6フィート2インチ(約188cm)、174ポンド(約79kg)とサイズは小さいが、レイアップやフローターで狡猾に守備をかいくぐってフィニッシュする助けとなる。味方を探すときは堅実なパサーだが、小柄なそのサイズのせいでピック&ロールでは必ずスイッチの標的とされるだろう。
16. ポートランド・トレイルブレイザーズ
RJ・ハンプトン(ニュージーランド・ブレイカーズ/ニュージーランド)
国籍: アメリカ
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ジャマール・マレー、ジョーダン・クラークソン
ハンプトンは爆発的なファーストステップでリムでの得点を狙うコンボガードだ。運動能力と確かなハンドリングで、NBAでも堅実なプレイメイカーやパサーとなれる選手であることを垣間見せてきた。ボールを持っていないときはカッターとして相手にダメージを与えられるが、ジャンプショットが安定せず、その問題を解決するまでは殻を破りきれないだろう。素晴らしいペリメーターディフェンダーとなるポテンシャルを持つ。
17. ミネソタ・ティンバーウルブズ
ジェイレン・スミス(メリーランド大学)
ポジション: フォワード
年齢: 20
比較選手: サージ・イバカ、ルオル・デン
柔らかいシュートタッチとボールハンドリングを持つパワーフォワードだ。豊富なポストムーブでリングを背にしながら得点したり、フェイスアップからジャンプショットを沈められる。スクリーンをかけてからロールやポップで脅威となる。運動量があり、目的を持ってフロアを走り、リバウンドを追いかける。必ずしも悪いパサーではないが、時に読みが少し遅い。リーチの長さはショットブロッカーやリムプロテクターとして役立つ。ただ、ペリメーターでガードにスイッチすると苦しむかもしれない。少しぎこちなく、運動能力は特別ではない。前回フロアで見たときからサイズが増したが、それでもNBAでははじめはサイズで苦しむだろう。
18. ダラス・マーベリックス
ジョシュ・グリーン(アリゾナ大学)
国籍: オーストラリア
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ギャリー・ハリス、ジョシュ・リチャードソン
グリーンは信頼できる3Pと守備のスペシャリストで、攻撃では安定したシュートを持ち、守備ではとてもエネルギッシュだ。アリゾナ大での1シーズンで3P成功率は36.1%だが、シュートストロークははっきりしており、NBAの3Pラインにも適応するはずだ。守備では6フィート6インチ(約198cm)のサイズ、6フィート10インチ(約208cm)のウィングスパンで、あらゆるガードやウィングプレイヤーを守れる。ボールがないときにパスレーンを埋める才覚がある。素晴らしいボールハンドラーでも、リムでフィニッシュする選手でもないが、適切な役割なら彼が得意とすること――つまりシュートと守備――でやっていけるはずだ。
19. ブルックリン・ネッツ
ジェイデン・マクダニエルズ(ワシントン大学)
ポジション: フォワード
年齢: 20
比較選手: ジョナサン・アイザック、アンドリュー・ウィギンズ
マクダニエルズは今年のドラフト候補の中で最も未完の選手のひとりだ。だが、大きな成長ポテンシャルを持っている。6フィート9インチ(約206cm)ながらドリブルからアタッカーないしシューターとして得点する能力を持つ。リーチの長さ、クイックネス、運動能力で、将来は魅力的なディフェンダーにもなれるはずだ。ただ、まだ200ポンド(約91kg)と線が細い。マクダニエルズを指名するチームにとっては、成長までの忍耐が鍵となるだろう。
20. マイアミ・ヒート
タイリース・マクシー(ケンタッキー大学)
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ルー・ウィリアムズ、デニス・シュルーダー
マクシーは今年のドラフト候補有数の純粋なスコアラーだ。プレイメイクのスキルはパッとしないため、オフボールでのプレイが彼が最も輝くときとなる。ただ、ペリメーターで自らショットを作り出すプレイは特に問題はない。豊富なドリブルムーブやステップバックでオープンな視野を作り、狭い中からプルアップで得点できるショットメーカーだ。だが、そのシュートセレクションは時に頭を抱えさせられるものがある。堅実なフィニッシャーであり、守備でも頑張る選手だ。
21. フィラデルフィア・76ers
カイラ・ルイスJr.(アラバマ大学)
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: ダレン・コリソン、ダリアス・ガーランド
ルイスJr.は非常に魅力的な速さのあるガードで、そのスピードを生かしてフロアの好きなところでプレイできる。ピック&ロールでの判断力は優れているが、プレイメイクやボールハンドリングは改善の余地がある。相手をうんざりさせられるだけの堅実なシューターで、自分でショットを作り出すことも容易にこなす。守備ではクイックネスが光るが、6フィート3インチ(約191cm)、165ポンド(約75kg)というサイズからピック&ロールでスイッチのターゲットとされがちだ。時にあまりにも速く動き過ぎるところがあるが、それはマイナスというよりはプラス材料だ。
22. デンバー・ナゲッツ
アレクセイ・ポクセフスキー(オリンピアコス/ギリシャ)
国籍: セルビア
ポジション: フォワード/センター
年齢: 18
比較選手: トニー・クーコッチ、ドラガン・ベンダー
ポクセフスキーは豊富なスキルを持つセブンフッター(※身長7フィート=213cm級の長身選手)だ。成長を待つ余裕を持てるチームにとっては、興味深い選択肢となる。201ポンド(約91kg)と線は細いが、ウィングスパンは7フィート3インチ(約221cm)と腕が非常に長い。プレイメイクとボールハンドリングも、このサイズの選手としては素晴らしいものがある。判断力もプラス要素で、さらにコートビジョンとパスも長所。シュートタッチも堅実だ。そのサイズでディフェンダーの上からシュートを打つことができる。屈強さを身につければ、NBAでも多才なポイントフォワードとなれるだろう。
23. ユタ・ジャズ
マラカイ・フリン(サンディエゴステイト大学)
ポジション: ガード
年齢: 22
比較選手: フレッド・バンブリート、ジェイレン・ブランソン
フリンは頼りになる判断力を持ったディフェンダーで、今勝つために貢献できる選手を探すチームに完璧に合う。ボールハンドリングに自信があり、ピック&ロールでうまく仕事をし、無理な攻撃を展開することは滅多にない。クオリティの高いシューターで、スポットアップ、ドリブルからのシュートやキャッチ&シュートを決められる。守備での姿勢もよく、スクリーンの場面でも頑張って横にうまく動く。運動能力には疑問符がつくものの、それ以外はNBAでプレイする上で完成されている。
24. ミルウォーキー・バックス
デズモンド・ベイン(テキサスクリスチャン大学)
ポジション: ガード/フォワード
年齢: 22
比較選手: ギャリー・トレントJr.、アレン・クラブ
1巡目指名が見込まれるほかの選手たちと比べ、テキサスクリスチャン大学で4シーズンにわたってプレイしたベインはベテランと言うべき選手だ。最も運動能力のある選手でも、爆発的な選手でもない。だが、あらゆる能力を包括するそのプレイは、NBAで戦う準備ができている有望新人を狙っているドラフト下位指名権を持つチームにはよく合う選手だろう。大学での4シーズンのうち、3シーズンで3P成功率が40%超と、ペリメーターで決められるシューターであることを示している。ロングレンジからのシュートは通算43%だった。ドリブルで相手を制することはないだろうが、必要ならドリブルからシュートを打つことはできる。守備も強く、質の高いロールプレイヤーとなるポテンシャルがある。
25. オクラホマシティ・サンダー
ロバート・ウッダード二世(ミシシッピステイト大学)
ポジション: フォワード
年齢: 21
比較選手: ジェイ・クラウダー、トバイアス・ハリス
ウッダード二世もまた、シュートを必要とするチームが確実に欲しがる3Pと守備のスペシャリストだ。ミシシッピステイト大学では1年目から2年目で成功率27%から43%とペリメーターショットを大幅に改善した。リバウンドと守備にも優れ、勝てるチームのロールプレイヤーになるクオリティを備えている。
26. ボストン・セルティックス
テオ・マリドン(アスベル/フランス)
国籍: フランス
ポジション: ガード
年齢: 19
比較選手: エルフリッド・ペイトン、ジョージ・ヒル
マリドンはパスと得点力の双方でフロア上の堅実な司令塔となるポテンシャルを持ち、1巡目終盤の指名候補だ。ピック&ロールの指揮者で、力強いプレイメイクで粋なショットクリエイトにつなげる。ただ、1歩目の爆発力はなく、スコアラーとして抜きん出ることができていない。身長6フィート4インチ(約193cm)、ウィングスパンは6フィート8インチ(約203cm)。横へのクイックネスはともかく、守備ではどんなポイントガードにもマッチアップできるサイズだ。『EuroHoops』によると、アスベルのオーナーを務める元サンアントニオ・スパーズのレジェンド、トニー・パーカーから助言を受けているという。
27. ニューヨーク・ニックス
コール・アンソニー(ノースカロライナ大学)
ポジション: ガード
年齢: 20
比較選手: オースティン・リバース、ジェリッド・ベイレス
アンソニーは高校時代にトップクラスの有望選手と見られていたが、ノースカロライナ大学での1年ではうまくいかず、半月板の負傷でシーズンを終えた。NBAのチームでベンチスタートから得点するだけのすべてを持ち合わせているが、シュートセレクションは改善する必要がある。ハンドリングが巧みでペースチェンジにも優れ、リングでフィニッシュする運動能力もある。動きが豊富で、それを生かしてオープンショットを作ることができ、守備でもハードにプレイする。プレイメイクと守備の多才さ、そしてピック&ロール時のスイッチの標的にされる点が懸念事項だ。
28. ロサンゼルス・レイカーズ
タイラー・ベイ(コロラド大学)
ポジション: フォワード
年齢: 22
比較選手: トレバー・アリーザ、ドリアン・フィニー・スミス
ドラフト有望新人として最もベイの売りとなるのがその守備力だ。多才なディフェンダーで、ペリメーターでスイッチしてもしっかりと相手を守れるだけのでなく、ペイント内でより大きな選手をも守れるだけのサイズと強さも持つ選手だ。身長6フィート7インチ(約201cm)で、ウィングスパンは7フィート1インチ(約216cm)。フォワードだが、スモールボールのラインナップではセンターとしてもプレイ可能だろう。NBAでインパクトを残すには、ショットの改善が必要だ。だが、昨季はコロラド大学で31本の3Pを放って成功率42%と見通しは明るい。
29. トロント・ラプターズ
トレイ・ジョーンズ(デューク大学)
ポジション: ガード
年齢: 20
比較選手: フレッド・バンブリート、ジェボン・カーター
アトランティック・コースト・カンファレンスの最優秀選手と最優秀守備選手をダブル受賞したジョーンズは、1巡目終盤の指名権を持つチームが望むことのすべてをもたらすことができる選手だ。信頼できるボールハンドラーで、攻撃になればハンドルを握り続けられる司令塔。オープンなチームメイトを見つけることも、自分でシュートを作り出すこともできる。アグレッシブでペリメーターでの守備も屈強で、ディフェンスも得意とする。バックアップのポイントガードとしてすぐにインパクトを残せるような選手だ。
30. ボストン・セルティックス
リアンドロ・ボルマロ(バルセロナ/スペイン)
国籍: アルゼンチン
ポジション: ガード
年齢: 20
比較選手: ジョー・イングルズ、エバン・ターナー
6フィート7インチ(約201cm)のポイントガードであるボルマロは、プレイメイクが巧みな選手だ。高いIQとエリートクラスのパススキルで周囲のチームメイトたちをより優れた選手にできる。リング付近でのタッチが素晴らしく、フィニッシュの武器となるが、ジャンプショットはこれからだろう。運動能力には欠けるものの、守備では知性でそれを補う。安定したシューターになることができれば、NBAでもやっていけるだろう。
原文:2020 NBA Mock Draft: Will Anthony Edwards or LaMelo Ball go No. 1? by Kyle Irving/NBA Canada
※この記事における見解は著者のものであり、リーグやチームのそれではありません。