NBAプレイオフ2018も、4月28日(日本時間29日)からカンファレンス・セミファイナル(準決勝)が始まる。今回は、ウェスタン・カンファレンス準決勝のゴールデンステイト・ウォリアーズ対ニューオーリンズ・ペリカンズの見どころを紹介しよう。
ウェスタン・カンファレンス
第2シード: ゴールデンステイト・ウォリアーズ(58勝24敗)
第6シード: ニューオーリンズ・ペリカンズ(48勝34敗)
背景
ウォリアーズにとっては順当な勝ち上がりだった。一方のペリカンズは、過去2年プレイオフ進出を逃した間にヘッドコーチとフロントの解任、そしてリーグベストプレイヤーの一人を含む大型トレードを成立させ、大規模なオーバーホールを行なった。
そして今年のプレイオフ・ファーストラウンドでは、ポートランド・トレイルブレイザーズをスウィープ(4勝0敗)で下し、10年ぶりにカンファレンス準決勝に勝ち進んだ(当時のチーム名はホーネッツ)。
この結果により、アルビン・ジェントリーHCとデル・デンプスGMのポジションは安泰だ。また、アンソニー・デイビスの獲得を狙っていたチームも撤退を余儀なくされるだろう。
ブレイザーズを撃破したペリカンズの結果がサプライズだったとしたら、ウォリアーズがステフィン・カリー抜きでサンアントニオ・スパーズに勝利した結果には驚かなかった。カリーは今シリーズ序盤も欠場すると思われるが、レギュラーシーズン終盤に問題点として指摘されたウォリアーズの守備は改善し、ファーストラウンドでスパーズを1試合平均96.8点に抑えた。
オフェンスはクレイ・トンプソン(平均22.6得点、3ポイントショット成功率51.6%)とケビン・デュラント(平均28.2得点)が引っ張ったのだが、これは当初から予想できていたことだ。
ペリカンズは、デイビスがブレイザーズとのシリーズでチーム最多の平均33.0得点、12.3リバウンドを記録。チーム一丸となっての守備、オフェンスの爆発力を含め、ペリカンズはまるで別人のようなプレイを続けている。ファーストラウンドを無敗で終えたペリカンズは、レギュラーシーズンからの連勝を9に伸ばした。この連勝中は平均118.2得点、フィールドゴール成功率51.8%、3P成功率39.6%を記録している。
これだけの違いが見られるのは良いことだろう。しかし、2013年以降、ウォリアーズはプレイオフを含めペリカンズとの26試合で24勝をあげている。
キープレイヤー
ペリカンズはブレイザーズとのシリーズ中、主に4選手を中心に試合を組み立てていた。オフェンス面でデイビスを後方から支えたのは安定感のあるニコラ・ミロティッチ、そしてプレイオフに入り調子を上げているラジョン・ロンドだ。
だが、ファーストラウンドで大きな違いを生み出したのはドリュー・ホリデーだった。平均27.8得点、6.0アシスト、FG成功率56.8%を記録しただけではなく、ブレイザーズのエース、デイミアン・リラードを封じ込んだ。
今シリーズでホリデーに与えられる役割は、リーグトップクラスの2ウェイガードの一人、トンプソンとのマッチアップになる。カリーが不在の間はホリデーもトンプソンにだけ集中できるが、簡単な仕事ではない。ペリカンズはデュラント対策にも選手を使わないといけないため、ホリデーを十分な形でサポートできないだろう。
注目の数字:12
今季のペリカンズは、ロンドが1試合12アシスト以上を記録した試合の大半で勝利を収めている。
16アシスト以上を記録したブレイザーズとの第1、4戦を含め、ペリカンズは今季ロンドが12アシスト以上をマークした試合で15勝2敗、チームアシスト数が29を超えた試合では22勝6敗という戦績を残している。
しかしながら、ウォリアーズはスパーズとのシリーズで被アシスト数を平均19.8に抑えた。
予想
ペリカンズのファーストラウンド突破は喜ばしいストーリーだ。ここ数年間も苦しんだチームが、ようやく浮上するための足がかりを見出せたのは良いことでしかない。
だが、ファーストラウンドでの良いストーリーは、たいてい準決勝で終わりを迎える。カリーがいなくとも、選手層、オプション数で上回るウォリアーズが第5戦までに勝ち上がりを決めるだろう。
原文:Warriors vs. Pelicans: Preview, predictions as New Orleans attempts to pull off upset by Sean Deveney/Sporting News(抄訳)