各チーム82試合のレギュラーシーズンを終え、4月14日(日本時間15日)からNBAプレイオフ2018が開幕する。イースタン・カンファレンス・ファーストラウンド(1回戦)のトロント・ラプターズ対ワシントン・ウィザーズの見どころを紹介しよう。
イースタン・カンファレンス
第1シード: トロント・ラプターズ(59勝23敗)
第8シード: ワシントン・ウィザーズ(43勝39敗)
背景
ラプターズは、ポストシーズン時期に付き纏う“悪魔祓い”をしようとしている。そのためにチームのオフェンスとベンチ陣を昨夏、オーバーホールした。プレイオフでこれまで以上の成功を収めるため、新たに導入したボールをシェアするシステムは、レギュラーシーズンでは機能した。その成果として、ラプターズは球団史上最多勝利記録(59勝)を更新した。
しかし、すべてはプレイオフの結果にかかっている。もしラプターズがレギュラーシーズンでの成功をプレイオフにつなげられなければ、これまでの試みはすべて水泡に帰してしまう。確かに、ラプターズの改革は実を結んだかもしれない。だからこそ、ファーストラウンドへ臨む試練は重要な意味を持つ。
対するウィザーズは、スター選手のジョン・ウォールが2週間前に復帰したばかりだが、実力的にはイースト上位クラスに匹敵する。ただ、ラプターズがプレイオフの悪魔祓いを実行に移すのなら、非常に良い相手ではないだろうか。ちなみにウィザーズは、3年前(2015年)のファーストラウンドでラプターズをスウィープ(4勝0敗)で下している。
キープレイヤー
1月下旬にひざの手術を受けたウォールは、復帰後に出場した4試合で合計50アシストを記録した。得点力の安定感は戻っていないが、それでも出場した直近2試合で28得点、29得点をあげるなど、徐々に状態は戻ってきている。
ウィザーズは、ウォール離脱から最初の1週間は上手く対応できていた。しかし、選手層、ウォールを欠いたときのタレントレベルの低下が結果的に悪影響を及ぼしたのは事実だ。今スコット・ブルックス・ヘッドコーチが取り組むべきは、ウォールのコンディションを速やかに戻し、チームのオフェンスとディフェンスの流れに組み入れること。そこがレギュラーシーズン終盤の不振の原因だった。
注目の数字: 18.8
これは今季のラプターズがオフェンスでピック&ロールを用いた割合で、リーグ8位の数字だ。しかしながら、ラプターズは昨季と比べてピック&ロールに依存する傾向を減らしている。今季ラプターズのオフェンスが改善された主な理由として、ピック&ロールの減少が挙げられることは多い。
昨季のラプターズはオフェンスの24.2%がピック&ロールで、そこから1試合平均24.5得点を記録していた(ともに昨季リーグ1位の数字)。それでも昨年のプレイオフでは対戦相手に対応され、カンファレンス・セミファイナル(準決勝)でクリーブランド・キャバリアーズに敗退した。昨ポストシーズンでは、ラプターズのオフェンスの19.2%はピック&ロールで、そこから平均16.7得点を記録した。昨レギュラーシーズン中の24.5得点から約8点も減少していたのだ。
予想
ウィザーズは簡単な相手ではない。だが、昨年からプレイオフを見据えて準備してきたラプターズは、ウィザーズに対応するだけの準備を整えているだろう。仮にウォールとチームメイトがケミストリーを取り戻したとしても、ウォールが離脱する以前から弱点として挙げられていた部分だけにアップセットに繋がるとは考えにくい。
加えて、ラプターズの選手層は厚く、万能性にも優れているため、アップセットの可能性に怯える必要はない。ラプターズが4勝2敗で勝ち上がるだろう。
原文:NBA playoffs 2018: Bracket picks, predictions for Eastern Conference first round by Sean Deveney/Sporting News(抄訳)