2018年の顔:NBAの次世代「ユニコーン」ディアンドレ・エイトン(1)

Mike DeCourcy

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ディアンドレ・エイトンは類まれなる才能を持つアスリートで、周囲がしきりに「1年だけ大学に通う選手」と分類したがる選手のひとりだ。だが、先入観による考えにエイトンを当てはめようとするのは向こう見ずというものである。彼はあらゆる意味で普通ではない。

エイトンがアリゾナ大学に入学したのは、どこかで6月のNBAドラフトを待たなければいけないからではない。その間に試合をこなしながら金を稼ぐ機会はどこにでもあった。彼がアリゾナ大学にいるのは、彼がそれを望んでいるからであり、多くの人が彼はそうしないと思ったからだ。

『Sporting News』に対し、エイトンは「僕がここにいる理由の一つは、みんなが間違えていることを証明するためだ。僕は彼らが考えるような人間じゃない」と述べた。

「僕は、母の子どもたちの中で最初に大学に通う息子になりたかったんだ」。

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アリゾナ大学のシーン・ミラー・ヘッドコーチは、デイビッド・ウェストが活躍した時代にザビエル大学でアシスタントコーチを務めていた。ミラーはウェストが学生アスリートの模範だったと考えている。そして、「彼は非常に頭が切れる。世慣れしているんだ。学校は彼にとって簡単だろう」と、エイトンも同様に利口な選手だと述べた。

「彼は自分のやるべきことをしている。とても責任感が強いんだ。ちゃんといるべきところにいるかをチェックするために追い掛け回す必要なんてないんだよ」。

7フィート1インチ(約216センチ)、250ポンド(約113キロ)のエイトンだが、そのサイズから人々が想像する選手とは異なる。ポジションはセンターで、守備ではリングの近くでブロックやリバウンドをし、攻撃でもリングの近くでポストプレイや仲間のミスを叩き込むといった想像だ。

エイトンは「僕は普通のビッグマンじゃないんだ」と語った。

「僕は動けるビッグマンなんだよ。大きくなろうとはしていない。自分らしさが好きなんだ。しっかり動けて、コートを走れるといったようにね」。

大学での最初の11試合で、エイトンはダブルダブルを9回記録した。10試合でショットを半分以上成功させ、9試合で30分間以上プレイしている。その数字に届かなかったのは、大勝したときのみ。つまりファウルをせず、疲れもせず、失敗したことでミラーHCにベンチでレクチャーされるなどなかったということだ。

アリゾナ大学が必要としたとき、彼は素晴らしい成績を残している。アラバマ大学に競り勝ったときは、36分間で29得点、18リバウンドを記録した。アリゾナ大学が苦戦しても、彼は苦しまない。バトル4アトランティスの初戦で敗れたときも、エイトンは27得点、14リバウンドをマークした。

「我々はチームとして、グループとして、本当に彼に感謝している。チームメイトとして自信を与えてくれ、コーチとして自信を与えてくれるからだ。チームの一員であることがうれしいんだよ。彼は挑戦を受け入れるからだ」

「最も大きな試合に臨むとき、彼は準備を整える」。

5人兄弟の一人としてバハマで育ったエイトンは、幼少期にサッカーに熱中した。だが、徐々にサッカーでの成功を阻むほどに体が成長し、バスケットボールにトライするように勧められる。

弱冠12歳で6フィート8インチ(約203センチ)だったエイトンは、サンディエゴでアメリカの学校に通い、サマーコーチと暮らすように招待された。故郷から遠く離れた場所に移り住むのも、大変ではなかったという。5人の子どもをバハマの学校に通わせるために、家族が懸命に仕事するのを目にしていたからだ。彼が移住することで、支出は20%減ることになった。

それよりも大変だったのは、バスケットボールというゲームを学ぶことだった。ほかの選手たちは彼を「TFN」と呼んでいた。「Tall for Nothing(ただデカいだけ)」というニックネームだ。

エイトンは「彼らはそうやって僕をからかっていた」と振り返る。

「泣きたいときもあった。キツかったからね。でも、諦めたくなかった。僕のために犠牲を払ってくれた両親のために、本当に失敗で終わりたくなかった。当然のチャンスと思わないように努めた」。

((2)につづく)

 

Mike DeCourcy

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Mike DeCourcy has been the college basketball columnist at The Sporting News since 1995. Starting with newspapers in Pittsburgh, Memphis and Cincinnati, he has written about the game for 35 years and covered 32 Final Fours. He is a member of the United States Basketball Writers Hall of Fame and is a studio analyst at the Big Ten Network and NCAA Tournament Bracket analyst for Fox Sports. He also writes frequently for TSN about soccer and the NFL. Mike was born in Pittsburgh, raised there during the City of Champions decade and graduated from Point Park University.