ケガから復帰予定の12選手と彼らに期待すること|NBA 2023-2024シーズン

YOKO B

Steve Aschburner, NBA.com

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「希望の泉は枯れず」と詩人は言ったが、NBAでは秋は再生の季節である。

ここでは、2023-2024シーズンを健康に過ごせることを願い、そのために努力している12人の選手を挙げる。より多くの試合でプレイするということは、より多くの勝利と称賛と楽しみが待っているということだ。この12選手にとっては、まずは毎試合出場することからすべてが始まる。

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1. ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

右ハムストリングの負傷で29試合しか出場できなかったウィリアムソンのNBA4年目のシーズンは、最初の3シーズンとよく似ていた。デューク大出身の彼は、次なる目玉選手として2019年のドラフト全体1位で指名されてから、308試合中わずか114試合しか出場していない。

期待すること
これは単にウィリアムソンが60試合以上出場できればいいという話ではない(一度だけ60試合以上出場しているが)。ここに挙げた12選手の誰よりも、彼は「今シーズンは違う」ということを開幕戦の日から見せる必要がある。昨シーズンの途中まで25勝16敗だったペリカンズは、ウィリアムソンが戦列を離脱してからは17勝24敗と急降下した。3ポイントショットを向上させられれば、インサイドにおける彼の危険度は倍増するだろう。

復帰予定日
10月25日:ペリカンズ@グリズリーズ(日本時間10月26日午前9時)


2. ケイド・カニンガム(デトロイト・ピストンズ)

カニンガムはNBA2年目の昨シーズン、すねの負傷で12試合しか出場できず、手術も必要となった。その結果、ピストンズは若手選手の育成が予定通り進まず、オフェンスでのクリエーションをジェイデン・アイビーに任せざるを得なくなった。

期待すること
USA選抜チームでの活躍を含め、カニンガムは長く楽観的なオフシーズンを過ごしたが、プレシーズン中に大腿四頭筋の腱炎に悩まされており、まだ多少の不安が残る。しかし、ピストンズは、身長198cmのカニングハムがそのディフェンスとウィングスパンで相手を苦しめつつ、巧みな仕切りでゲーム展開をしてくれると信じている。次の目標はそれを勝利に結びつけることだ。

復帰予定日
10月25日:ピストンズ@ヒート(日本時間10月26日午前8時半)


3. チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)

Chet Holmgren (OKC Thunder)
Getty Images

2022年のトレーニングキャンプ開始前に右足のリスフラン関節を痛めた身長216cmのセンターのホルムグレンは、実質的にはまだルーキーである。2位指名だった彼の前後にドラフトされた6選手は、昨シーズンは平均77試合以上に出場しているが、ホルムグレンの出場試合数はまだゼロだ。

期待すること
昨シーズンのホルムグレンは試合には出ていないが、長期にわたる貴重な新人オリエンテーションを受けていた。1年を通してサンダーとともに過ごし、練習日にはジムに通い、フィルム研究などをしていたのだ。そして、その期間に学んだことを今夏のラスベガスのサマーリーグと10月のプレシーズンで披露してみせた。サンダーは、攻守両面でセンターを試合に投入できることに歓喜している。ホルムグレンは新人王争いでサンアントニオ・スパーズの天才ビクター・ウェンバンヤマを押しのける可能性もある。

目標予定日
10月25日:サンダー@ブルズ(日本時間10月26日午前9時)


4. タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)

ヒーローはプレイオフ開幕戦のミルウォーキー・バックス戦で手を骨折し、ヒートのファイナル進出をベンチから見守った。そして夏が来て、彼はデイミアン・リラードと引き換えにポートランド・トレイルブレーザーズに送られると噂された。ブレイザーズが彼を十分に評価していたら成立していた可能性がある。

期待すること
ヒーローの手が完治していることは、プレシーズン開幕戦において23分間の出場で22本のショットを放ち、22得点をあげたことからもわかる。ヒートファンにリラードのことを忘れさせようと、彼はさらなる闘志を燃やしてプレイすることだろう。また、元シックスマン賞受賞者のヒーローは、昨シーズンのフリースロー試投数(1試合平均2.7回)を上回るべく、さらに積極的にアタックを試みるだろう。

復帰予定日
10月25日:ピストンズ@ヒート(日本時間10月26日午前8時半)


5. ラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)

ボールは足首の捻挫に続いて足首を骨折し、NBA3年目のシーズンを棒に振った。12月14日から2月27日までの間に36試合に出場したが、それ以前の出場は3試合のみで、それ以後は1試合も出場できていない(1試合平均23.3得点、6.4リバウンド、8.4アシスト)。

期待すること
恒久的なものか短期間の予防措置なのかは不明だが、ボールはこの秋、足首に装具を着けて復帰した。それが彼の爆発力やゲームメイクに影響するかはまだわからないが、ボールはホーネッツに必要不可欠な存在だ。ルーキーシーズン以来、ボールの平均3P試投数は5.1回から10.6回に増え、2年合わせて38.4%という成功率はそれを裏付けている。

復帰予定日
10月25日:ホークス@ホーネッツ(日本時間10月26日午前8時)


6. ベン・シモンズ(ブルックリン・ネッツ)

Ben Simmons
Getty Images

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シモンズは昨シーズンも背中の問題に悩まされ、出場したのは42試合にとどまった。2021-22シーズンを全休したシモンズは、最終的にはフィラデルフィア・76ersからブルックリン・ネッツへトレードされる結果となった。

期待すること
10月の試合で垣間見たシモンズの姿は、最初の4シーズンで3度のオールスター出場を果たした元ドラフト1位指名選手の復活を示唆していた。彼への注目が薄れたことで、シモンズは再び快適にプレイできるようになったのかもしれない。注目すべき点は、76ers時代は36分あたり12.3本のショットを放っていたのに対し、昨シーズンはわずか7.7本しか打っていないことだ。

復帰予定日
10月25日 キャバリアーズ@ネッツ(日本時間10月26日午前8時半)


7. スティーブン・アダムズ(メンフィス・グリズリーズ)

アダムズが右ひざのじん帯の挫傷を負ったとき、グリズリーズの戦績は31勝15敗だった。彼の復帰スケジュールは何度も延長され、結局、復帰は叶わなかった。グリズリーズはその後、20勝16敗でシーズンを終え、ロサンゼルス・レイカーズとのウェスタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンドで敗退している。

期待すること
グリズリーズの夏は早く始まったが、キャンプがスタートしてもケガのためにアダムズの活動は制限されていた。アダムズが健康になって復帰することはチームにとって重要だ。彼が負傷するまでのグリズリーズは、リバウンド率とオフェンシブリバウンド率でリーグ2位だったが、アダムズ負傷後は、前者は25位、後者は22位に落ちている。また、彼がいることにより、昨シーズンの最優秀守備選手のジャレン・ジャクソンJr.がフリーになり、ヘルプディフェンダーとしてショットをブロックできるようになる。

復帰予定日
10月25日:ペリカンズ@グリズリーズ(日本時間10月26日午前9時)


8. カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

タウンズは11月下旬に右ふくらはぎを負傷し、その後約4か月の間に52試合を欠場した。のちに復帰を果たし、ウルブズがデンバー・ナゲッツとのウェスタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンドシリーズで敗退するまで8試合に出場している。

期待すること
2022-23シーズンをタウンズとルディ・ゴベアのツインタワーで臨む予定だったウルブズにとって、タウンズの戦列離脱は大きな誤算のひとつとなった。今シーズン、オールスター級のビッグマン2人がフロアでお互いを補完するベストな方法を見つけることができるかどうか。2人にとっても、クリス・フィンチ・ヘッドコーチにとっても、命運を分けるシーズンになる。タウンズにって重要なのは、相手チームのフォワードをガードすることと、もう少しわがままに得点のチャンスをうかがうことだろう。

復帰予定日
10月25日:ウルブズ@ラプターズ(日本時間10月26日午前8時半)


9. クリス・ミドルトン(ミルウォーキー・バックス)

ミドルトンは昨シーズン、2022年のプレイオフで痛めた右ひざと、その年の夏に手術が必要となった左手首が原因で、33試合しか出場できなかった。今夏にはひざの修復手術を受けている。それでもプレシーズンでの出番は減っている状況だ。

期待すること
ミドルトンは今シーズン、バックスで最も注目される選手になるかもしれない。チームメイトのヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードがリーグをざわつかせているが、ミドルトンはすべてを機能させる第三の武器となり得るのだ。試合に出続けることができれば、自身のキャリアの中で最もオープンになる可能性もある。しかし、彼の経歴、32歳という年齢やこれまでの運動量などを考慮すると回復力には懸念がある。

復帰予定日
10月26日:シクサーズ@バックス(日本時間10月27日午前8時半)


10. ジョナサン・アイザック(オーランド・マジック)

アイザックの負傷歴はまるでスポーツ傷害のベストヒット集のようで、昨冬の復帰も、左内転筋の断裂という災難によってわずか11試合で終了している。しかし、その手術は、2020年のオーランドでのバブルで負った前十字靱帯断裂に比べれば、比較的軽いものだった。

期待すること
2017年のドラフト全体6位指名のアイザックは、過去38か月間でわずか11試合しかプレイしていないため、彼に対する期待は低くなっている。今シーズン、彼が健康な状態で開幕を迎えられれば(そしてそのまま健康でいられれば)人々は感心するだろう。全盛期のアイザックは粘り強く、威圧的なディフェンダーだった。今のところは、プレシーズンで控え選手としてそこそこの出場時間を確保した程度で十分だろう。

復帰予定日
10月25日:ロケッツ@マジック(日本時間10月26日午前8時)


11-12. カワイ・レナード/ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)

Paul George and Kawhi Leonard LA Clippers
(NBA Entertainment)

この2人が揃ったときの価値は折り紙つきだ。両選手が出場したクリッパーズの過去4シーズンの成績は83勝35敗だが、どちらか一方が欠けると79勝91敗になる。オフシーズンに半月板断裂の手術を受けたレナードも、夏にひざの挫傷のリハビリを行ったジョージも、2人とも開幕には間に合うとされている。

期待すること
攻守に優れたウイング選手である両選手は、どちらも昨シーズン終盤は欠場していた。ジョージは、レギュラーシーズン最終14試合と、フェニックス・サンズに敗退したウェスタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンドを欠場。レナードは、サンズとの第2戦の後に離脱した。それは悲惨な幕切れだった。だからこそ、今月、2人のスターが健康であることがどれほどクリッパーズを活気づけているかが理解できる。彼らとチームがNBAの新しい選手参加規定にどう対応するかはわからないが、レナードとジョージが試合に出れていればチーム全体が勢いづくだろう。

復帰予定日
10月25日:ブレイザーズ@クリッパーズ(日本時間10月26日午前11時半)

原文:What to expect from 12 players returning from injury in 2023-24

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。

Steve Aschburner, NBA.com

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