開幕から3週間、新天地で輝いている10選手

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フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードは先日、序盤戦における新顔ジョージ・ニアンの活躍に面白い反応を見せた。堅実な出だしの76ersで、ニアンはその価値と重要度を示している。

11月6日(日本時間7日)に6連勝を達成した際、エンビードは「正直、彼は下手くそだと思っていた。だがこのチームでは彼が3ポイントショットを打つ以上のことができることを証明している。僕が感心するのは、彼の競争心だよ。コート内外で僕ら全員に多くの喜びを与えてくれる。彼がいてうれしい」と話した。

開幕から3週間、新たなチームメイトについて同じように感じている選手は多い。著名な選手から、高額でトレードされた選手、大きな期待を背負って加入したフリーエージェントの選手、必要に応じての措置的な補強だった選手と様々だ。ここではそのうちの10選手を取り上げた。


1. カイル・ラウリー(マイアミ・ヒート)

開幕から7勝1敗を記録した最初の8試合でラウリーがチームに与える影響が大きいのは明らかだったが、彼が8本のフィールドゴールすべてを失敗し、2018年12月9日(同10日)以来となる無得点に終わった8日(同9日)にデンバー・ナゲッツ相手に敗れた試合では特に顕著だった。

しかし、通常ラウリーの個人成績は、そのフロア上での指揮ぶりやペースほどヒートにとって重要ではない。今季序盤にジミー・バトラーが言ったように、ヒートの選手たちはラウリーとのプレイでは速さが必要であることをすぐに理解した。バトラーは「彼はいつもボールを前に出そうとする」と話している。

「僕らはそれを『カイル・カオス』と呼んでおり、ついていくためにはしっかりと身体が仕上がっていないといけないんだ」。

2. デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)

27歳で自己最多の平均27.3得点をマークしてから5年。デローザンは32歳でそれに迫る平均26.9得点を記録している。ベテランがもたらす安定性、そしてザック・ラビーンとのコンビの両面で、彼のブルズにおける影響力は多大だ。彼の加入で、ブルズはオフェンスで脅威的な選手が2人となった。双方が好調なら相手を苦しめ、片方が不調でも補うことができる。

守備で相手を苦しめるロンゾ・ボール、アレックス・カルーソの2人の新顔も、ブルズの好調を後押ししている。ただデローザンは、今でもミドルレンジでリーグ有数の脅威となる上、ここまでは3Pが成功率39.1%と自己最高の数字だ。

3. カーメロ・アンソニー(ロサンゼルス・レイカーズ)

正直に言うと、レイカーズが8月にアンソニーと契約した時は、レブロン・ジェームズの古くからの親友を助けてやるかぐらいのものだと思っていた。だが、彼は再び復調を遂げ、ここまではポートランド・トレイルブレイザーズ時代以上の活躍を見せている。

36分平均の得点(22.3)は、ここ5年で最高の数字。FG成功率50%、3P成功率52%とショットも自己最高だ。20得点超をすでに5回も記録しており、試合あたりの3P成功本数も通算平均1.3本と比べて今季は3.5本を記録している。

4. モントレズ・ハレル(ワシントン・ウィザーズ)

ここはグループでのエントリーと言えるかもしれない。カイル・クーズマはレイカーズを離れてから評価を高め、昨年の右ひざ前十字靭帯断裂から復帰したスペンサー・ディンウィディーはラッセル・ウェストブルックよりもブラッドリー・ビールにうまくフィットしている。

そしてハレルは、今でもシックスマンとしての役割をこなしながらも、解き放たれたかのようだ。レイカーズでの2020-21シーズンと比べ、平均で4得点&3リバウンドも増えているのはなぜか。平均出場時間が22.9分から30.0分に増えたのだ。先日、本人は「コートに立っている、それが最大の違いだ。去年は自分が望んでいたように使ってもらうことができなかった。まるでシーズンオフのように感じていたよ」と話している。

5. パティ・ミルズ(ブルックリン・ネッツ)

ミルズが「ネッツにとってのラウリー」のような存在になるとは誰も想像しなかった。ネッツにその必要はないと思われていたからだ。だが今季、33歳のミルズはまさにそういう存在となっている。カイリー・アービングがニューヨーク市の新型コロナウイルスワクチン政策の件で出場できなくなったことにより、ミルズはすぐに不可欠となった。

どういうわけか、ミルズは2ポイントショットが成功率32.4%なのに対し、3P成功率が47.4%。そして目には見えない財産をたくさんもたらしている。同僚ケビン・デュラントは「とにかく徹底的に真のプロフェッショナルなんだ」と話している。

「彼の毎日の取り組みだけでも、みんなには刺激となる。観客に向けて胸を叩き、バスケットの下でタイムリーなプレイをし、スティールを記録し、エネルギッシュにプレイしてくれるんだ」。

6. エバン・フォーニエ(ニューヨーク・ニックス)

ボストン・セルティックスとの開幕戦で32得点をマークしたフォーニエの活躍は、オフシーズンにケンバ・ウォーカーも獲得したニックスが、21勝から41勝と飛躍した昨季以上のことを目指しているというメッセージとなった。

開幕から5勝1敗というスタートを切った時期に比べると、その後の2勝3敗の期間中でフォーニエとウォーカーはシャープさに欠けていた。それでも、チームで3番目と5番目に多く得点をあげている選手たちだ。フォーニエはどこからでもショットを生み出して決めることができ、ウォーカーはデリック・ローズと48分間を分担できるベテランとして活躍している。

7. ジョージ・ニアン(フィラデルフィア・76ers)

現在のペースなら、ニアンは最優秀躍進選手賞の有力な候補になり得る。ハレル同様、出場時間の増加が、彼の生産性を高めているのかもしれない。ベン・シモンズ不在で76ersのローテーションに穴ができたことで、ニアンは得点(ユタ・ジャズでの昨季平均6.9得点から12.2得点)、FG試投(5.6本から9.5本)、出場時間(16.0分から22.9分)が上昇している。

ニアンに感心しているのは、エンビードだけではない。ドック・リバース・ヘッドコーチは、ニアンが規律のあるジャズというチームにいたことが成長に繋がったと評価している。セス・カリーも「ショットを決めているから、相手にとって脅威だね。それに彼はプレイメーカーとして過小評価されている。ボールを持ったら正しい選択ができる。オフェンスではとても賢い選手で、守備を読みながら良いスクリーンをかけたりスリップをしたりする。一緒にプレイしやすい選手だ」と話した。

8. リッキー・ルビオ(クリーブランド・キャバリアーズ)

ルビオは若いバックコートを支える控えのベテランメンターとして、そして今季で満了する1780万ドルの契約を持つ選手として加入した。しかしコリン・セクストンが左半月板断裂となった今、31歳のルビオはそれ以上の存在となる。

ニックスに勝利した7日(同8日)の試合で自己最多の37得点をあげたようなプレイを再び期待してはいけない。だが、彼の出場機会と生産性はそれぞれ増すはずだ。JB・ビッカースタッフHCは、必要な時に攻撃を活性化し、若いチームメイトたちを落ち着かせ、試合を締めくくるのに、これまでもルビオに頼っていた。指揮官は「そのために彼の獲得を争ったんだ」と話した。

「彼に何ができ、いかに優れた選手であるか、我々は知っている」。

9. スティーブン・アダムズ(メンフィス・グリズリーズ)

4チーム間の大型トレードで、少なくとも今季はアダムズとヨナス・バランチュナスは比較される対象となっている。スタッツを見る限りでは、より優れたビッグマンを手にしたのはニューオーリンズ・ペリカンズだと思われるだろう。バランチュナスは平均19.5得点、13.9リバウンドを記録している。

だが、グリズリーズで平均8.3得点、8.2リバウンドをマークしているアダムズは、FG試投がわずか6.4本であることからわかる通り、オフェンスで彼をどう組み込むか心配する必要がないのだ。そしてなにより貴重なのは、彼の守備、リバウンド、スクリーンセットだ。また、特にジャ・モラントをはじめ、グリズリーズのチームメイトたちとのケミストリー構築も素早かった。

10. グレイソン・アレン(ミルウォーキー・バックス)

NBAキャリア4シーズンで3チーム目となったバックスで、アレンはブレイクを遂げている。平均29.1分間のプレイで14.5得点をあげ、3Pは平均8.5本の試投で成功率40.0%をマークしている。

そして彼は、王者のローテーションにある2つの穴を埋めている。昨季ポストシーズンに足を手術してリハビリ中の元スターターであるドンテ・ディビンチェンゾに代わるシューティングガードを務めながら、サンアントニオ・スパーズに復帰したブリン・フォーブスの代わりにペリメーターシューターとしての役割も担っているのだ。

そのチーム状況から、アレンは2年2000万ドル(約22億6000万円)の延長契約というサプライズを手に入れた。彼はハッスルプレイや運動能力でチームメイトたちからのリスペクトを勝ち取り、ヤニス・アデトクンボとも良いツーマンゲームを生み出すことに成功している。


特別賞

ヨナス・バランチュナス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
ザイオン・ウィリアムソンがいないペリカンズは、彼がいなければどうなっていたことか。

ジャベール・マギー(フェニックス・サンズ)
36分あたり19.7得点、13.3リバウンド。有益なベテランビッグマンだ。

ネマニャ・ビエリツァ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
ステフィン・カリーの約1.5倍という3P成功率(57.9%)を記録している。

原文:10 players shining with new teams after first 3 weeks(抄訳)


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