ジェイソン・キッドがダラス・マーベリックスの新たなヘッドコーチになったことにより、ルカ・ドンチッチにとっては何が変わるだろうか?
NBAでも有数のオフェンス能力を見せ始めた世代を代表するタレントを、殿堂入りした元ポイントガードが指導する――。これはまさしく最高の組み合わせのように思われる。
そして特に、キッドがブルックリン・ネッツやミルウォーキー・バックスでのヘッドコーチとしてのこれまでの経験を生かし、ドンチッチをドンチッチらしくさせておくことができれば、その通りとなるかもしれない。ネッツやバックスで指導した時のキッドは、目の前の才能に自身が適応することを最優先しなかった。当時、キッドが最優先していたのは守備だった。そしてそれは変わらないだろう。完璧に妥当なことだ。
2020-21シーズンのマーベリックスは、100ポゼッションあたり112.3失点を記録した。リーグで21位の数字だ。そして109得点超を許した試合の成績は、16勝28敗だった。ドンチッチは守備でのストッパーと見なされていない。ボールを守るのにもっと良い仕事ができるはずだ。だが、攻撃に関して小うるさく言うべきことは多くない。そして、キッドはもう、いつ放っておくべきか分かると口にしている。
昨季のマーベリックスは3ポイントショットの精度が落ち、それによってドンチッチがリングにアタックすることが制限されていたようだ。そこで、ドンチッチはミドルレンジから自分でショットを打つ機会を増やし、3Pのショットも向上させた。彼にとって次の自然なステップは、もっとボールを手放すことであり、まさにそれこそがキッドが最もドンチッチを助けられるところとなる。
ドンチッチのユーセージ率(使用率/チームの攻撃ポゼッションがその選手で終わる割合)は35%と、昨季のNBAで2位だった。ロサンゼルス・クリッパーズに第7戦の末に敗れたプレイオフ・ファーストラウンドでは、その数字が39.1%に増している。彼がもっとボールを手放せば、ほかの選手たちがその任務をこなせるのなら、ドンチッチ本人とマーベリックスの攻撃を助けることになるだろう。
ただ、チームは一時ゴラン・ドラギッチの獲得が報じられたが、実現しなかった。直近でフランク・ニリキナと契約したものの、攻撃面での質問の答えにはならないだろう。
ドンチッチのためにキッドができる最善のことは、彼をフレッシュに保つことだ。疲労は彼にとって大きな要素だった。シュート、フリースロー獲得、プラスマイナスのインパクトと、いずれも昨季は第4クォーターに落ちている。
原文:10 key questions: Will Jason Kidd get the best out of Luka Doncic? by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)