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レイカーズでは八村塁 「飛躍」が求められる各チームの選手たち|NBA 2023-2024シーズン

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Rui Hachimura Los Angeles Lakers
(NBA Entertainment)

NBAの2023-2024シーズンが10月24日(日本時間25日)に開幕する。

新シーズンに向け、『NBA.com』のライター陣が、2023-24シーズンにブレイクが期待される各チームの選手たちを取り上げた。

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アトランタ・ホークス:ディアンドレ・ハンター

ホークスは数年前に延長契約を結び、ハンターに信頼を示した。だが、まだ大きく飛躍するには至っていない。いくつかうまくやっているが、素晴らしいというほどではないのだ。ホークスで最もトレードを噂される選手の役割を、ジョン・コリンズから引き継ぐことになるかもしれない。

—ショーン・パウエル記者


ボストン・セルティックス:オシェイ・ブリセット

セルティックスは信頼できる6選手以外の貢献を必要としている。3年目のペイトン・プリチャードが再び調子を上げることが重要となるが、特にアル・ホーフォードが37歳ということもあり、フロントコートが手薄だ。4番でジェイソン・テイタムの次にセルティックスが出場時間を与えられるのはブリセット(プレイオフ経験なし)。彼がオープンショットを決め、守備でも力を発揮することが必要だ。

—ジョン・シューマン記者


ブルックリン・ネッツ:ベン・シモンズ

27歳のシモンズは守備のほうが優れている。だが、ネッツに何よりも必要なのは、彼の攻撃面のスキルを生かすことだ。ミケル・ブリッジズは効率的で得点を量産するスコアラーになった。だが、彼はプレイメーカーではない。ネッツのチームメイトたちは、お膳立てしてくれる選手を必要としている。ここ2年で出場わずか42試合だが、その存在となり得るのがシモンズだ。

—ジョン・シューマン記者


シャーロット・ホーネッツ:PJ・ワシントン

3年4800万ドル(約71億5200万円/1ドル=149円換算)の延長契約を結んだばかりのワシントンは、それにふさわしいことを示すべく、不安定さをなくす必要がある。25歳のパワーフォワードは昨季、ところどころで信頼できる選手であることをうかがわせた。43得点をあげた3月のオクラホマシティ・サンダー戦のような出来は、ホーネッツも期待していないだろう。だが、昨季(4.9)以上のリバウンドを求めるのは妥当だ。

—ショーン・パウエル記者


シカゴ・ブルズ:パトリック・ウィリアムズ

ブルズはNBAドラフト2020でウィリアムズを全体4位で指名した。だが、4年目を迎える今でも、ファンやメディアは彼が新人かのように話している。時折才能を輝かせ、驚きを誘う。だが、これだけ時間をかけていることに対して寛容すぎるだろう。ブルズが想定したようなパワーフォワードとしては地位を確立しておらず、アンソニー・エドワーズやラメロ・ボールらドラフト同期の選手たちに後れを取っている。それでも、この夏は延長契約を手にした。制限付きフリーエージェントを見据え、今季は市場価値を示さなければならない。

—スティーブ・アシュバーナー記者


クリーブランド・キャバリアーズ:エバン・モーブリー

彼を知り、彼と仕事するクリーブランドの人々によれば、スキルセットは優れ、さらに労働倫理と向上心を持つ。3年目の今季は、年間最優秀守備選手賞を争うほどの才能を持つ彼にもっと多くを期待するタイミングだ。今季はショットのレンジを広げ、ペイント内での激しさを増し、攻撃面を強化することが求められる。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ダラス・マーベリックス:ドワイト・パウエル

7月にマーベリックスはパウエルと再契約を結んだが、センターのポジションでアップグレードを望んでいる。新たに獲得したベテランのリショーン・ホームズとパウエルに先発の座を競わせることが予想されるだろう。ルカ・ドンチッチやチームのシステムにより馴染んでいるパウエルは有利だ。

—マイケル・C・ライト記者


デンバー・ナゲッツ:ペイトン・ワトソン

昨季のナゲッツはベンチの成績がリーグ29位だったにもかかわらず、ウェスタン・カンファレンスで第1シードを獲得した。だが、(そのベンチの成績が向上した)プレイオフで長く戦っただけに、スターターをフレッシュに保ちたいところだ。クリスチャン・ブラウンが信頼できることは周知のとおりだが、7番手から10番手に関しては疑問が残る。昨年のドラフト全体30位で指名されたワトソンが、その答えのひとつになるかもしれない。

—ジョン・シューマン記者


デトロイト・ピストンズ:ケイド・カニングハム

最初の2シーズンは、出場64試合と12試合だった。能力を示すには十分だが、本当の意味でインパクトを残すには少なすぎる。昨季は12試合で平均19.9得点、6.2リバウンド、6.0アシストを記録した。この数字を出場70試合超でも繰り返せれば、オールスタークラスとなる。ピストンズは一気に攻撃力を高め、成長するだろう。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ゴールデンステイト・ウォリアーズ:ジョナサン・クミンガ

ウォリアーズが期待した若手で残った数少ないひとりだ。次はローテーションの一角として貢献が期待される。クリス・ポールとのピック&ロールはその助けとなるだろう。

—ショーン・パウエル記者

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ヒューストン・ロケッツ:ディロン・ブルックス

メンフィス・グリズリーズがポストシーズンで苦しんだことについては、不当に批判された。だが、チームを3年連続プレイオフ進出に導いた自己犠牲をいとわない文化の確立に貢献した功績は大きい。昨季はオールディフェンシブ・セカンドチームに選出された。イメイ・ウドカ・ヘッドコーチのビジョンにフィットするには、攻撃面で規模を小さくする必要があるかもしれない。

—マイケル・C・ライト記者


インディアナ・ペイサーズ:ベネディクト・マサリン

爆発的なウィングは新人王争いですぐに注目され、オールルーキー・ファーストチーム入りし、新人王投票で4位となった。シックスマンとしての活躍という、異例の役割での達成だ。昨季はリムアタックやフリースロー獲得が最も優れていただけに、ショットに関して改善の余地がある。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ロサンゼルス・クリッパーズ:カワイ・レナード

いわゆる普通の「飛躍」「ブレイク」とは異なる。レナードが期待されるのは耐久性、そして出場可能性という点での飛躍だ。クリッパーズに加入して以降、レナードは308試合のうち147試合を欠場してきた。彼とポール・ジョージがチームメイトになってからの4シーズン、両選手がそろって出場した試合で、クリッパーズは96勝46敗という成績を残している。一方で、どちらかないし両者が欠場した試合の成績は86勝80敗だ。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ロサンゼルス・レイカーズ:八村塁

ワシントン・ウィザーズでは月並みな中で苦労してきた八村だが、シーズン途中にレイカーズに加入してからはギアを上げたところを見せ、延長契約を勝ち取った。彼には才能があり、今では自信も深めた。もう言い訳はないはずだ。

—ショーン・パウエル記者


メンフィス・グリズリーズ:ジャレン・ジャクソンJr.

アメリカ代表で臨んだ夏のFIBAバスケットボールワールドカップ2023では苦しむところもあった。だが、この経験は上り調子の6年目の役に立つばかりのはずだ。昨季は初のオールスター選出を果たし、年間最優秀守備選手賞を受賞した。リーグ有数のリムプロテクターで、3ポイントショットは通算成功率35.5%。不要なファウルを犯しがちなところを減らし、インサイドで得点源として成長を続けることが必要だ。

—マイケル・C・ライト記者


マイアミ・ヒート:ニコラ・ヨビッチ

ヒートはFAでマックス・ストゥルースを失った。昨季は新人で出たとこ勝負のところもあったヨビッチだが、競争を勝ち抜けば今季はローテーションの一角に食い込めるだけのスキルをもたらすだろう。

—ショーン・パウエル記者


ミルウォーキー・バックス:クリス・ミドルトン

12年目のベテランウィングだけに、過去にたどり着いていない高みに「飛躍」する必要はない。2022-2023シーズンは出場33試合で平均15.1得点、フィールドゴール成功率43.6%と不本意な出来に終わった。だが、オールスター選出3回の彼だけに、出場試合数や得点力、ショット精度を再び上げていけば、バックスでやすやすと3番手の武器になれるはずだ。コートに立つだけの耐久性と、守備における十分なクイックネスを保てれば、32歳のミドルトンはよりクリーンな視界とより良いチャンスを手にするはずだ。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ミネソタ・ティンバーウルブズ:ジェイデン・マクダニエルズ

大半の人はエドワーズに注目するだろう。だが、ドラフト同期のマクダニエルズは、ウルブズの今後の展望にも影響できるだけの選手だ。小さな相手も、ビッグマンも、その中間も守ることができる多才ぶりで、オールディフェンシブチーム選出にも迫った。得点も3シーズン毎年、平均で約3得点ずつ増やしている。効率を高め、今季もそれを繰り返せない理由はない。エドワーズはマクダニエルズを「チームで最も重要な人」と呼んでいる。

—スティーブ・アシュバーナー記者


ニューオーリンズ・ペリカンズ:ザイオン・ウィリアムソン

相手にとって致命的な存在になれるリーグ有数の選手であることを、キャリアを通じて証明してきたウィリアムソンにとって、大事なのはコート上での飛躍ではない。23歳の彼がこの4シーズンで出場したのは114試合。フィジカルコンディションや準備の点で自身が至らなかったことは、本人も認めている。このオフシーズンは大半をニューオーリンズでのトレーニングにあてた。キャリア初のことだ。バイスプレジデントのデイビッド・グリフィンは、ウィリアムソンが健康を保つために「自分の役割を果たすことを受け入れている」と話している。

—マイケル・C・ライト記者


ニューヨーク・ニックス:RJ・バレット

NBAドラフト2019で全体3位指名されたバレットにとって、最初の4シーズンは落胆だったと言えるだろう。この4シーズンでFG試投2000本超の139選手のうち、成功率がバレット(51.7%)より低かったのはブルックス(50.8%)だけだった。ニックスは彼がスターになることを必要としていない。だが、もっと効率的な2番手のスコアラーとなることを必要としている。

—ジョン・シューマン記者

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オクラホマシティ・サンダー:ジョシュ・ギディー

昨季のギディーは平均4.1得点アップで、FG成功率や3P成功率も上昇させた。一方でターンオーバーを減らしている。もっとFTを獲得するなど、何か単純なことでも、20歳の彼がさらに飛躍すれば、サンダーでシェイ・ギルジャス・アレクサンダー以外の安定したレベルの選手となるだろう。そうすれば、来年のオフシーズンは延長契約を結ぶ可能性があることも考えると、ギディーにとって長期的な安泰にもなるはずだ。

—マイケル・C・ライト記者


オーランド・マジック:ジョナサン・アイザック

2020年の再開シーズンからケガに悩まされ、ここ3シーズンで出場は11試合にとどまっている。マジックは金銭的な損害なく、放出したり、トレードに出すことができる状態だ。それだけに、まずまずのディフェンダーであるアイザックにとって、自分の価値を示すことが至上命令となる。

—ショーン・パウエル記者


フィラデルフィア・76ers:タイリース・マクシー

この3シーズンですでに大きな向上を見せてきた。直近2シーズン連続で3P試投300本超の成功率40%超を達成したのは、マクシーを含めて4選手しかいない。だが、もしもジェームズ・ハーデンを起用することができなければ(あるいは76ersがトレードで先発ポイントガードを獲得しなければ)、22歳のマクシーはもっとボールハンドリング、そしてジョエル・エンビードやチームメイトに良いショットをつくり出すことが必要となる。

—ジョン・シューマン記者


フェニックス・サンズ:ユスフ・ヌルキッチ

西地区で二コラ・ヨキッチやアンソニー・デイビスのようなセンターと競っていくのは簡単な任務ではない。そしてサンズがディアンドレ・エイトンをトレードで放出し、ヌルキッチを獲得したことで、その任務はさらに困難となった。ヌルキッチは様々なケガで2018-2019シーズンから出場最大56試合という選手だ。近年の足のケガは、スイッチにおける機動性やピック&ロールでの守備に影響している。29歳のヌルキッチは、衰えてきている身体能力を、フィジカル、スクリーン、ピンポイントのパスで補う必要があるだろう。しかも、サンズはポストシーズンで長く戦い抜くことを目指しているだけに、主軸として戦い続ける健康を保たなければならない。

—マイケル・C・ライト記者


ポートランド・トレイルブレイザーズ:シェイドン・シャープ

ブレイザーズのメインがスクート・ヘンダーソンになるなら、シャープは2番手となる可能性がある。身体能力に優れているが、新人ながら3Pも成功率36%で、ペイント内でのフィニッシュも良い。20歳の彼にとって決定的なシーズンとはならないだろうが、さらに一年の経験で前進できれば、夏も充実させられれば、ブレイザーズの未来がより見えてくるだろう。

—ジョン・シューマン記者


サクラメント・キングス:キーガン・マレー

NBAドラフト2022で全体4位指名されたマレーは、すんなりとキングスのスターティングラインナップ入りを果たし、オールルーキー・ファーストチームに選ばれている。マイク・ブラウンHCは、3P成功率41.1%のシューターに、全般的にもっとアグレッシブになるように求めた。マレーがキングスで序列を上げていくために見せなければいけないことだろう。周囲により経験豊富な選手たちがいるだけに可能なはずだ。

—スティーブ・アシュバーナー記者


サンアントニオ・スパーズ:ザック・コリンズ

スパーズの先発センターとして期待されて開幕を迎えたコリンズは昨季、自己最多の平均11.6得点をあげて復活のシーズンとした。今季、チームはベテランにさらなる向上を期待している。スパーズで最も経験豊富なひとりで、リーダーシップをもたらすだろう。(先発パワーフォワードとしてのスタートが見込まれる)ビクター・ウェンバンヤマとフロントコートでコンビを組むことになる。契約最終年だが、今季さらにレベルアップすれば、首脳陣は近い未来を築くための堅実な土台と見るかもしれない。

—マイケル・C・ライト記者


トロント・ラプターズ:スコッティー・バーンズ

ラプターズはフレッド・バンブリートに代わり、デニス・シュルーダーが加わった。だが、バーンズはもっとプレイメークの役割を担わなければならなくなるだろう。ショットも向上させる必要があるはずだ。昨季はペイント外からのショットのエフェクティブフィールドゴール成功率が38.5%で、試投200本超の212選手で2番目に悪い数字だった。新人時代に何でもできるスターとなるポテンシャルを示したが、「何でも」の中で何をうまくやれるのかがまだ明確になっていない。

—ジョン・シューマン記者


ユタ・ジャズ:コリン・セクストン

ドノバン・ミッチェルのトレードで加入し、当初はマイク・コンリーの控えポイントガードだった。そのコンリーがトレードデッドライン(トレード期限)でウルブズに向かい、セクストンの出番となるはずだったが、オールスターブレイク後はケガで実質的にシーズン終了となってしまった。今季はルーキーのキヤンテ・ジョージとの争いとなる。ただの「まずショット」というポイントガードでないことを示す必要があるだろう。

—ショーン・パウエル記者


ワシントン・ウィザーズ:ジョニー・デイビス

昨年のドラフトで全体10位指名されたが、ルーキーシーズンは最初の67試合で出場わずか62分。最後の15試合はチームで2番目もの出場時間だったが、エフェクティブフィールドゴール成功率はわずか44.4%だった(フリースローも24本中11本成功)。2年目は多くを証明しなければならない。そしてウィザーズが獲得したガード全員と出場時間を争うことになる。

—ジョン・シューマン記者

原文:1 player on each NBA team who must take a leap in 2023-24(抄訳)

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坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。