[西尾瑞穂イラストコラム第9回]NBAファイナルの後はW杯? いや、NBAドラフトでしょ!

Mizuho Nishio

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マイアミ・ヒートとサンアントニオ・スパーズの再戦となった今年のNBAファイナル。相手の手の内を知り尽くしたチーム同士の対戦ということで、誰もが接戦を予想しましたが、蓋を開けてみれば、昨年の雪辱に燃えるスパーズがヒートを圧倒し、4勝1敗であっさりとNBAファイナルを制しました。これで2013-14シーズンの全日程が終了し、NBAはオフシーズンに入ります。そう、NBAファンにとっての「苦難の夏」の始まりです……。

しかし、NBAはすでに来シーズンに向けて動き始めているので、ご安心を! FA契約やトレード、サマーリーグ、キャンプなど気になるイベントが盛り沢山ですが、なかでも要チェックなのは、ファイナル終了から10日後の6月26日(現地)に行なわれるNBAドラフトです。今年のドラフトは1984年と2003年以来の豊作年ということで前々から注目されていて、今シーズンは、上位指名権を獲得するためにわざと試合に負ける「タンク」という勝率操作をしていると疑われるチームがいくつか見受けられたほどです。

1984年のドラフトというと、アキーム・オラジュワン、マイケル・ジョーダン、チャールズ・バークリー、ジョン・ストックトンらがドラフトされた年。また、2003年は、レブロン・ジェイムス、カーメロ・アンソニー、クリス・ボッシュ、ドウェイン・ウェイドらがドラフトされた年として有名です。

これだけのレジェンド揃いの年と比較されることからも、今年のドラフトの注目度がうかがい知れます。

5月20日(現地)に行なわれたドラフト順位の抽選会(Draft Lottery)。ドラフト1位指名権獲得の大本命は、当選確率25.09%のミルウォーキー・バックスでした。シーズン中にNBAワースト記録タイの26連敗を喫したフィラデルフィア・セブンティシクサーズを凌ぐ15勝67敗(リーグ最下位)という成績で、バックスは見事にこの当選確率をゲットしました。

会場にはオーナーの美人娘マロリー・エデンスさんをチーム代表者として送り込み、まさに必勝体制で抽選会に臨みました。バックスに次ぐ19勝63敗でシーズンを終えたシクサーズは、1位の当選確率が19.9%、続くオーランド・マジックが15.6%ということで、1位指名権はこの3チームにほぼ絞られたと見られていました。

しかし、この三つ巴の戦いに割って入ってきたのは、当選確率わずか1.7%のクリーブランド・キャバリアーズ!! ここ最近の4年間で3回目のドラフト1位指名権獲得と、もはや悪魔に魂を売ったとしか思えないような強烈な引きを見せました!!

2003年のレブロン・ジェイムス、そして2011年のカイリー・アービングと、後のフランチャイズ・プレイヤーを1位指名してきたキャブズが、はたして今年は誰を指名するのか。大方の予想では、上位3人はアンドリュー・ウィギンス(カンザス大)、ジョエル・エンビード(カンザス大)、ジャバリ・パーカー(デューク大)でほぼ間違いないと言われていますが、昨年アンソニー・ベネットを指名したキャブズですから、何が起こるかわかりません。

未来のレジェンドプレイヤーがドラフトされる瞬間をお見逃しなく!

文&イラスト:西尾瑞穂  Twitter: @jashin_mizuho , Blog: http://jashin.sosu-fufu.com/


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