[西尾瑞穂イラストコラム第6回]NBA選手はマッチョに描いて

Mizuho Nishio

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私は今までたくさんのNBA選手のイラストを描いてきました。ただ単に自分の趣味で描く時もあれば、雑誌やWebの仕事で描く時もありますが、最近では現地取材の際に直接NBA選手からイラストを頼まれることや、ツイッターやインスタグラムを介してNBA選手から依頼を受けるケースも増えてきました。

その経験を通して言えることが1つあります。それは、「NBA選手は自分を筋肉ムキムキに描いてもらいたがる!」ということです。

私に直接イラストを依頼してくれた最初の選手であるウェスリー・マシューズ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)がよく、「もっと筋肉をつけて描いてくれ」と言っていたので、薄々気付いてはいたのですが、この度のユタ・ジャズ現地取材を通して、その考えはより確かなものになりました。

まずは、ジャズ期待の若手センター、エネス・カンターが、「俺をもっとムキムキにして、腕にアンドリス・ビードリンスをぶら下げてくれ!」と、仲良しのビードリンスまで巻き込んだアイデアを提示してきました。

彼はデフォルメする必要もないくらい十分に立派な体をしているのですが、それよりもさらにムキムキな筋肉を要求してきました。もしかしたら、夏にトレーニングを受けた“筋肉師匠”ことカール・マローンの影響も大きいのかもしれません。

そしてもう1人、驚異のウイングスパン(両腕を広げたときの長さ)を誇る長身センター、ルディー・ゴベールも、漫画好きが多いことで有名なフランス人ということもあって、自分をイラストにしてもらうことに大変興味を示してきました。

彼はスマートフォンに自分の写真を表示して、「この写真を元にして、僕のイラストを描いてほしいんだ……」とオーダーしてきたのですが、その時、急にモジモジしながら自分の肩と二の腕のあたりを擦りはじめ、小さな声で、「あと……、実際よりも少しだけこの辺りをムキムキにしてほしいんだ……」と、言ってきたのです。

さらに、「この写真だと僕はポカーンとした顔をしているから、イラストにする時はもっとキリッとした感じで描いてほしいな」と、まさかの男前デフォルメ要求!!

どれくらい男前マッチョに描いたかは、実際のゴベールと、彼のツイッターアイコンに使われている僕のイラストを比較してご確認ください。

文&イラスト:西尾瑞穂
Twitter: @jashin_mizuho
Blog: http://jashin.sosu-fufu.com/

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