来年のドラフト1位指名争いに向けて想定外の好スタートを切った4チームは?

Shaun Powell, NBA.com

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ビクター・エンバンヤマ

今シーズンは最下位で終わることが1位を意味するかもしれないシーズンだ。なぜなら、それは2023年のドラフト1位指名権を獲得することであり、何十年に1人という才能ある選手を獲得するチャンスでもあるからだ。

そのシナリオと賞金 — 身長7フィート4インチ(約223.5cm)のフランス人天才選手のビクター・ウェンバンヤマという賞金 — があまりに魅力的なため、NBAのアダム・シルバー・コミッショナーが意図的に試合に負けることを計画をしたチームへのペナルティは高くつくと、シビアな警告を発したほどだ。シルバー・コミッショナーはその警告をシーズン開幕前にすでに出していた。

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その結果はどうなっているのか? いわゆる「負ける前提のチーム」は、一様に青写真や筋書き通りになってはいない。ユタ・ジャズ、サンアントニオ・スパーズ、インディアナ・ペイサーズ、オクラホマシティ・サンダーはここ1か月の間に連勝も経験している。

まだ時期尚早すぎて状況は変わる可能性がある。判断すべき時は今ではなく、チームがロスターと成績を評価する1月下旬か、あるいは、チームが買い手になるか売り手になるかを決める2月のトレードデッドラインだ。その時が最も疑心暗鬼に陥る頃だろう。

いずれにしても、プレイオフに進出しない下位3チームには1位指名を獲得するチャンスが平等にあることを覚えておいてほしい。4位にならないための競争は4月に入る頃に注目されるようになるはずだ。

今回は、最下位に沈むと予想されていたがそうはなっていない4チームを紹介する。


ユタ・ジャズ

プレイオフチームが、なんの見返りもなく2人のオールスター選手を放出してから、実際に良くなった…というケースがほかにあっただろうか?

サプライズチームとなったジャズが、今のペースを維持できるかどうかはいずれわかる。しかし、ジャズがドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアのトレードで悪影響を受けていないことは明らかで、ボールに触る機会が多くなり、出場時間を最大限に生かそうとするハングリーな選手たちと、試合に勝つことを望む新しいコーチで構成されるジャズは、今や違うチームになっている。

少なくとも、ジャズはラウリ・マルカネンという大事な存在を獲得したと考えている。マルカネンは、シカゴ・ブルズでスランプに陥り、クリーブランド・キャバリアーズではビッグマンの間で居場所を見失ったが、ジャズでは1試合平均20得点を記録しており、No.1オプションであることに違和感はなさそうだ。

トレードデッドラインが近づいてもジャズが勝ち続けていた場合、彼らは買い手側にまわり、そしてミネソタ・ティンバーウルブズがロッタリー(プレイオフに参加しない14チーム)に落ちてくること願うことになる。ジャズはウルブズの1巡目指名権を所有しているためだ。

ジャズがもし次の数か月でつまずいたら、その場合はチームのダニー・エインジ社長にはベテラン選手を放出する良い口実ができる。ジョーダン・クラークソンは需要があるだろうが、もう1つのトレードの駒であるマイク・コンリーは、次のシーズンの契約金が非常に高いため、何か価値のあるものを付けるか、ほぼ見返りなしでのトレードが必要となるだろう。

いずれにせよ、来年の夏、ジャズが2つのロッタリーピック(自前のものとウルブズのもの)を所有しているなんて信じられないことだ。

サンアントニオ・スパーズ

スパーズは見事なスタートを切ったが、それにはグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチでさえも驚いているほどだ。ちなみに、プレシーズンでは、ポップ(ポポビッチHCの愛称)はスパーズの見通しをあまり高く評価していなかった(冗談かどうかは定かではないが)。

その理由は容易に想像がつく。スパーズはリーグで4番目に若いチームで、このオフにデジャンテ・マレーをトレードしてからは頼りになる一流選手が不足している。それはスパーズが再建中だという明らかなサインだった。

スパーズにはたくさんのキャップスペースがあり、それはトレード市場で彼らがより柔軟に動けることを意味している。ダグ・マクダーモットとヤコブ・パートルを欲しがるチームがあるだろうし、両選手の契約はリーズナブルで、パートルは来年の夏にフリーエージェントになる。

かつてデビット・ロビンソンとティム・ダンカンをロッタリーで獲得したスパーズが、デビン・バセルとケルドン・ジョンソンに大ブレイクのチャンスを与えるためにアセットをトレードするなら、サンアントニオの誰も抗議することはないだろう。

インディアナ・ペイサーズ

ペイサーズは実にいいポジションにいる。適度に好調なスタートを切ったため、タンクの気配を消していてその疑惑の目を避けているのだ。

しかし、8か月ほど前にドマンタス・サボニスとマルコム・ブログドンを放出したペイサーズが、もしそれが理にかなっていれば、『再建』の名のもとにより多くのアセットを放出しないとは言い切れない。トレードの噂にマイルズ・ターナーとバディ・フィールドの名前が出るのには理由がある。

もし、ペイサーズがトレードデッドラインでどちらか片方、あるいは両方の選手を出したとしたら — その可能性は確実にある — 彼らは肩をすくめ、すべては計画通りだったと主張することもできる。

ターナーの契約は今シーズンで終了予定で、ペイサーズは明らかに延長するつもりがないようだが、ターナーは優勝候補のチームにとって堅実な補強になるだろう。一方のヒールドの契約は残り2年の手頃な金額(年間2000万ドル/28億9000万円:1ドル=140円換算)で、彼の3ポイントシューティング力は魅力的だ。ペイサーズはただ、ロサンゼルス・レイカーズからの電話を待っているだけなのだ。

オクラホマシティ・サンダー

サンダーは、このオフシーズンにベテランの補強をパスしただけでなく、ドラフト全体2位で指名したチェット・ホルムグレンが足のケガでシーズン全休という結果になった。それにより、サンダーはジャズ以上に最下位になる最高の資格を持っていた。

まあ、サンダーの序盤戦はジャズと同じくらいに、いやそれ以上の驚きだという議論はできる。ただ少なくとも、ジャズはマルカネンとケリー・オリニクという使えるローテーションプレイヤーを獲得している。

チームの現状を見ると、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはダブルチームを制御しながら1試合平均30得点以上を記録するなど、かなり良い活躍をし、オールスタへの道に向かって有意義な一歩を踏み出すことができている。同時に、ジョシュ・ギディーとルー・ドートは堅実なローテーションプレイヤーに成長しつつある。

サンダーの『問題』は、トレードデッドラインの時点でトレードできるアセットを欠いていることだ。そのため、たとえ彼らが一歩後退したくても、大きなケガがない限り(もちろん誰も望んではいないが)、その可能性は低い。


そして、より良い結果を期待していたが(今のところ)それができていないチームは以下の通りだ。

ヒューストン・ロケッツ
オーランド・マジック
シャーロット・ホーネッツ
デトロイト・ピストンズ

原文:4 teams off to unexpectedly strong starts to the season(抄訳)
訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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