オールスターゲーム本戦、ダンクコンテスト以外のイベントはやや注目度が下がるのが通常だが、今年は大きな見どころがある。昨季の新人王であり、躍進中のブレイザーズを支えるスーパースター候補、デイミアン・リラードが5イベント出場という史上初の試みに挑もうとしているのだ。
リラードは、2月15日(現地14日)のライジングスターズ・チャレンジ、17日(現地16日)のオールスターゲーム本戦だけでなく、16日(現地15日)のオールスターサタデーには、ダンクコンテスト、3ポイントコンテスト、スキルズチャレンジのすべてに出場。結局、主要イベントでリラードが出ないのはシューティングスターズだけで、今週末はNBAの“顔”の一人として奔走し続けることになる。
今季開幕直後からクラッチショットを連発してその名を轟かせたリラードは、リーグ屈指の新進スターとしてメディア露出も増える一方だ。1月中には老舗のスポーツイラストレイテッド誌で特集を組まれ、2月にはSLAM誌の表紙も飾っている。
実力への評価も高い。オールスターに間に合わないことを覚悟した故障離脱中のコービー・ブライアント(レイカーズ)に、「オールスターまでに戦列に戻れそうもないから、若い選手に注目して欲しい。特にデイミアン・リラード」と名指しされたほど。正直、オールスター中にこれほどフル回転すると後半戦に向けての疲れも気になるが、これも23歳の若さのなせる業か。オールスターが終わる頃には、さらに全国区の存在としてその認知度を高めていることだろう。
せっかくこれだけ多くのイベントに出るのだから、その中でひとつふたつは勝っておきたいところでもある。5種目に出場してそのすべてで優勝を逃したら、単なる“参加賞”で終わってしまう。さすがにオールスターゲーム本戦では初出場のリラードが目立つのは難しいかもしれないが、ライジングスターズ・チャレンジの中では格上の存在だけに、MVP候補の大本命と言えるだろう。
サタデーの3種目の中では、昨年優勝を果たしたスキルズチャレンジの2連覇に期待がかかる。マイケル・カーター=ウィリアムス(シクサーズ)、トレイ・バーク(ジャズ)、ビクター・オラディポ(マジック)、ヤニス・アデトクンボ(バックス)といった新人たちも名を連ねるこのイベントで、リラードは“先輩”の貫禄を見せることになるのか。
また、ダンクコンテストではポール・ジョージ(ペイサーズ)、昨年の王者テレンス・ロス(ラプターズ)、3ポイントコンテストではステファン・カリー(ウォリアーズ)、ケビン・ラブ(ウルブズ)、さらにはカイリー・アービング(キャバリアーズ)といった実力者たちに挑む立場になる。
“ニューオーリンズで最も忙しい男”はいくつのハイライトシーンを演出してくれるのか、その行方から目が離せそうもない。
文:杉浦大介
Twitter: @daisukesugiura