富樫勇樹レポート:サマーリーグ初戦は「反省ばかり」でも「いい経験」(宮地陽子)

Yoko Miyaji

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富樫勇樹に出番が回ってきたのは第1Q残り1分32秒。交代を待つ間、ストレッチをして身体をほぐしてからコートに立った。何となく動きが固い。持ち味のはずの切れのよさが見られず、受け身のプレーをしているようだった。

試合後、富樫は「あの空気に少し呑まれてしまった」と反省した。高校時代は、アメリカのメリーランド州にある強豪モントロス・クリスチャン高でプレーし、アメリカの雰囲気は慣れているつもりだったが、やはり、NBAのサマーリーグとなると、ひと味違ったという。「いつも通りのプレーができなかった」と反省の言葉ばかりが口から出てくる。

出場時間も、1分半ぐらいずつと短時間で、まとまった時間のプレーができないのも難しい。bjリーグの秋田ノーザンハピネッツでほとんど出ずっぱりだったときとの差が大きい。「でも、それはわかっていたこと。ベンチから出て、少ない時間で自分の持ち味を出すというのがこれからの課題」と割り切っている。

後半も第3Q終わりから第4Qはじめに約1分半の出番があった。少しだけ動きに切れが戻ってきた。

チームが負けていたこともあり、試合終了前にもまた出番がまわってきた。そこでは速攻から味方のエリック・グリフィンが豪快なダンクを叩きつけ、会場も盛り上がった。これだけ盛り上がる会場で、ダンクにつながるパスを出せたのはさぞかし気持ちがいいだろうと思ったら、「勝っていれば一番いいんですけれど、負けていたので、試合中にそんなことは思わなかった」とマジメな答えが返ってきた。

富樫は言う。

「自分がやりたいこと、チームから求められていることっていうのがあまりコートでできなかったので、きょうの試合に関してはほとんど反省ばっかりなんです。でも、本当にすごくいい経験をさせてもらっているので、(次は)試合に出たら思いきってプレーができたらなと思います」。

第2戦の対ミネソタ・ティンバーウルブズ戦は現地7月12日、午後3時半から行なわれる。

文:宮地陽子  Twitter: @yokomiyaji
 

写真:三尾圭


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