八村塁がレブロン、デイビス、ウェストブルックと完璧にフィットする理由

Stephen Noh

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八村塁を巡るトレードの憶測は、数週間前から渦巻いていた。

ようやく、元トップ10指名の八村は、新たな家を見つけたようだ。ケンドリック・ナンや3つのドラフト2巡目指名権と引き換えに、ロサンゼルス・レイカーズが彼を獲得したという。

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おそらくは、レイカーズのファンが望んでいた大型トレードではないだろう。ロブ・ペリンカGMは依然として、誰もが望む彼らの2027年と2029年の1巡目指名権を残している。だが、大きな変化をもたらす正当なトレードであることを示唆するものはたくさんある。

まだプレイオフ出場を争っていく中でタレントに飢えているレイカーズのロスターにとって、八村は重要な条件の数々を満たす選手だ。その彼は、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックのレイカーズトリオとどのようにフィットしていくだろうか?

ここでひも解いていこう。

八村塁の攻撃力を解き放てるレブロン・ジェームズ

レイカーズがショット力の向上を強く必要としているのは明らかだ。1試合平均の3ポイントショット成功数は最下位。成功率も33.7%しかなく、26位につけている。

一見すると、八村はその点で大きな助けにならないと思われる。最近の彼はショットでスランプに陥り、3P成功率は34%に落ちた。だが、以前に戻って平均に向かっているということなのかもしれない。昨季は3P成功率45%と絶好調だったが、通算では堅実に36%という数字だ。

もう少し八村の数字を掘り下げてみると、さらに楽観できる要素がある。ワイドオープンのショットが素晴らしいのだ。NBAのスタッツによれば、6フィート(約1メートル83センチ)超のスペースがある際のショット成功率は42%。昨季は46%とさらに良かった。そしてここ2年、八村はキャッチ&シュートの3P成功率で41%を記録している。

八村はワシントン・ウィザーズでそういったワイドオープンのショットをたくさん打てていたわけではない。トレードのニュースが出た時点で、ウィザーズのワイドオープンの3P成功率は28位だった。これは、ポイントガードで平均以下の選手だったことも一因だ。今季、八村に最もパスを出したのはデロン・ライトで、昨季はイシュ・スミスだ。

八村がパスをもらう相手は、その2人の月並みなプレイメーカーから、歴代有数のパサーであるジェームズになろうとしている。八村はジェームズによって、これまでのキャリアで最も質の高い状況下でのショットを打てるようになるだろう。

また、八村はフィニッシャーとしても素晴らしい。リム付近でのショット成功率は今季74%と、リーグのフォワードでトップ10の数字だ。トランジションからリムにカットする選手にレイアップを打たせることに関して、ジェームズはエリート級。八村にとっては、容易に得点力を高めるためのエリアとなるはずだ。

さらに、八村はジェームズに息をつかせ、攻撃力がなかったセカンドユニットを支えることもできる選手だ。『Basketball-Reference』によると、ジェームズがコートに立っている時のレイカーズのオフェンシブレーティングは117.8だが、彼がベンチに座っている時のオフェンシブレーティングは109.6とリーグ最低の数字に落ちる。

ミッドレンジからのショットがエリート級で、自ら攻撃をつくることができる八村は、レイカーズのこの問題を解決できる。アイソレーションでのポゼッションごとの平均得点は1.17と、リーグ全体で上位8%に入り、レイカーズの現ロスターのどの選手をも上回る数字だ。

八村塁の守備力を補うアンソニー・デイビス

八村とフィットするビッグマンのリストで、デイビスはトップに近い選手だろう。

これまでのキャリアで八村の最も目立つ弱点は、守備でのインパクト不足だった。身長6フィート8インチ(約203センチ)、ウィングスパンは7フィート2インチ(約218センチ)という素晴らしいサイズを持ちながら、八村は特にリムを守るのが得意なわけではなく、ボールのないところで相手を見失うことがある。技術やポジショニングの点でも苦労している。

デイビスはそういったミスをカバーする点でリーグ有数の選手だ。今季のデイビスは12月16日(日本時間17日)に負傷するまで、年間最優秀守備選手の候補にもなり得るような復活のシーズンを送っていた。

また、今季のデイビスはより進んでセンターの役割を務めてきた。これは八村にとって、パワーフォワードという自分のベストポジションでプレイする機会となるはずだ。

八村塁とラッセル・ウェストブルックの再会

八村はウィザーズ時代に一緒だったウェストブルックと再びチームメイトになろうとしている。彼らは2020-2021シーズンに良い関係を築いた。八村はウェストブルックを日本語で「センパイ」と呼んでいたのだ。試合中にウェストブルックが八村にレッスンしたこともあった。

ウィザーズでウェストブルックと八村は良いケミストリーを築いていた。ウェストブルックが最も好んでパスを出していた選手で、八村はブラッドリー・ビールに次ぐ2番目だったのだ。八村はウェストブルックがドライブで相手の注意を引きつけることの恩恵を受け、簡単なレイアップで得点することができるはずだ。

原文:Why Rui Hachimura is a perfect fit on Lakers next to LeBron James, Anthony Davis and Russell Westbrook(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.