ロケッツのオフシーズンは完璧とは程遠いが、あきらめるのもまだ早い

Sean Deveney

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オフシーズンに入ってからほとんど成果を上げられていないヒューストン・ロケッツだが、ダレル・モーリーGMのことは少し大目に見るべきだろう。

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昨季のロケッツは難攻不落のゴールデンステート・ウォリアーズをウェスタン・カンファレンスファイナルで3勝2敗とリードし、NBAファイナルへのチケットをつかみかけたが、スター選手クリス・ポールがケガで最後の2試合を欠場したことによってミッション・インポッシブルを達成できなかった。

NBAのディフェンス効率ランキングで全体18位から6位まで1年でジャンプアップしたロケッツは同じメンバーを維持することを選ばず、ディフェンス面の向上に不可欠な貢献をした2人のキープレーヤー、スモール・フォワードでスタメンを張るトレバー・アリーザとリザーブの核であるルック・バ・ア・ムーティをFAで手放した。

ウェーバーの条件を満たしてFAになり、チームに迎え入れる準備が整ったカーメロ・アンソニーは、彼らの穴を埋める上で理想的な選手とは言い難い。アンソニーはディフェンダーとしての働きをほとんどしてきておらず、球離れもよくないのでハイ・テンポのオフェンスにも合わない。オクラホマシティ・サンダーは1シーズンで彼に見切りをつけ、アトランタ・ホークスは彼の契約バイアウトで2800万ドルを支払う。

さらなる懸念は、ニューヨーク・ニックスとロサンゼルス・レイカーズで失敗してからロケッツでコーチングキャリアを復活させたマイク・ダントーニとアンソニーの関係だ。近年のロケッツでは人間関係が厄介な問題となることが多いが、ニックス時代にたびたび衝突した2人は去年のチームが見せた連帯感を大いに脅かすことになる。

こうした批判を続けることはたやすいが、まとまりきっていない交渉がある状況ではモーリーGMに選択肢は少なく、チームの大枠が定まるまでは目をつぶっておくべきだろう。

ロケッツにとっては今月のはじめに4年1.6億ドルで合意したポールとの再契約こそが最優先事項で、制限付きFAのクリント・カペラとの1年あたり2200万ドルから2500万ドルになりそうな取引もまだ完了できていない。

それによってラグジュアリー・タックスのタックス・レベルを越えると、ロケッツはおよそ4000万ドルの課徴金を払う必要がある。アリーザはフェニックス・サンズと1年1500万ドルでサインしたが、ロケッツがその契約を結んだら約5000万ドルの税金がかかっただろう。アリーザはチームにとって重要な選手だったが、33歳の彼に6000万ドルかけるよりは意味があると考えざるを得ない。

同じことがロッカールームとディフェンス面で存在感を見せるルック・バ・ア・ムーティにも言える。32歳になり、プレーオフのローテーションから脱落した彼はロサンゼルス・クリッパーズから460万ドルを受け取るが、ロケッツが契約していればさらに1500万ドルの税金がかかるとみられる。

ロケッツはいずれ2人の不在を惜しむだろうが、彼らをチームに置いておくためにかかる金額ほどの価値はなかった。

問題はモーリーGMのBプランが迫力に欠けることだ。得点力のあるアンソニーがロケッツのオフェンスにうまくフィットすれば希望も持てるが、ジェフ・バズデリックアシスタントコーチが組み込んだディフェンスのシステムにフィットすることは期待できない。デンバー・ナゲッツでの2003-04シーズン、チームの若かりしスターだったアンソニーとヘッドコーチを務めていたバズデリックの間には確執があった。

ロケッツはサマーリーグで印象を残したドラフト2巡目指名のルーキー、デアンソニー・メルトンに期待している。コート全面でプレーできる上に相手を封鎖するディフェンダーにもなれる彼は、デビューシーズンでローテーション選手になるだろう。フロントコートでは、去年Gリーグでプレーした若手センターのアイザイア・ハーテンスタインと身長216cmのパワーフォワードであるジョウ・チーに勢いがつく可能性がある。

チームからはもういなくなってしまったが、パトリック・ビバリー、ギャレット・テンプル、イシュ・スミスやロバート・コビントンたちのようなNBAのクオリティを備えた選手を数多く発掘してきたモーリーのクリエイティブな能力も忘れてはいけない。

ロケッツはモーリーがいた11年のうち8度プレーオフに進出しており、ウェスト・カンファレンスで50勝以上を挙げたシーズンが6度ある。カンファレンス・ファイナルには2度進出し、その期間に複数回ファイナルに出場したチームは5チームしかない。

理想的なオフシーズンにはならなかったものの、ロケッツがくだしてきた決定にはロジックがあり、最終的にモーリーにとっていい方向に事が運んでもおかしくはない。

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原文:Rockets' offseason far from perfect, but don't bury Houston just yet

翻訳:Kaito Kato

Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.