新シーズンに向けたトロント・ラプターズのロスターは大半が定まっている。だが、来週からのトレーニングキャンプで競う枠はいくつか残っている。
そのひとつを争うのが、フアンチョ・エルナンゴメスだ。
ラプターズは7月下旬にエルナンゴメスと1年契約を結んだ。完全に保証されている契約と報じられているが、開幕時点でチームにいるのが、エルナンゴメス、D.J.・ウィルソン、ジョシュ・ジャクソン、ゲイブ・ブラウンのうちのひとりという可能性は高い。
エルナンゴメスのことは周知のとおりだが、この夏のユーロバスケット2022で彼はスペインの金メダル獲得に貢献。その力をラプターズに示した。
ユーロバスケットでのエルナンゴメス
スペインの全9試合に出場したエルナンゴメスは、平均23.4分間のプレイで12.8得点、5.0リバウンド、1.0アシスト、0.7スティールを記録した。スペインで彼よりも平均得点が多かったのは、兄弟のウィリー・エルナンゴメス（17.2）とロレンソ・ブラウン（15.2）だけだ。
優勝までの道のりで、エルナンゴメスは2ポイントショット成功率75.9％と見事な数字を残した。3ポイントショットは大会の大半で苦しんだが、決勝での好パフォーマンスのおかげで、最終的には成功率38.8％を記録している。
フランスを下して優勝を決めたファイナルで、エルナンゴメスは3P9本中7本成功の27得点をマークした。1本を除き、あとはすべて第2Qに沈めたものだ。
JUANCHO WENT CRAZY WHEN IT MATTERED THE MOST 💥
— FIBA (@FIBA) September 18, 2022
🪣 27 PTS
✊ 5 REB
🎯 7/9 3FG
⚙️ 30 EFF
Bo Cruz is jealous of Juancho 🤤#EuroBasket pic.twitter.com/serFfUt4ms
エルナンゴメスがラプターズにもたらすもの
サイズ、ショット、そしてもちろん確かな演技力だ。
『NBA.com』の登録で、エルナンゴメスは6フィート9インチ（約206センチ）、214ポンド（約97キロ）。キャリア通算3P成功率35.1％で、パワーフォワードのポジションからスペースをつくれることが魅力だ。
ユーロバスケットの大半でショットに苦しんだエルナンゴメスだが、それでも3Pは1試合平均2.1本成功。大会有数の数字だ。
多くがシンプルなスポットアップだが、エルナンゴメスはスクリーンからショットにつなげられるだけの素早さもある。
加えて、3Pの脅威がドライブへの道を開ける。
ユーロバスケットにおけるエルナンゴメスのショットは大半がペリメーターからの試投だった。3Pが特に警戒されていたことは想像に難くない。
ラプターズがエルナンゴメスを狙ってプレイをつくることは多くないだろう。だが、スペインは何度かポストの彼にボールを託し、そのサイズを活用した。
エルナンゴメスはオフェンシブリバウンドも強い。2021-22シーズンのNBAでオフェンシブリバウンドが2位だったラプターズにフィットするのには良い兆候だ。
守備より攻撃で知られるエルナンゴメスだが、7フィート（約213センチ）のウィングスパンでプレイをつくる力も持つ。ラプターズがローテーションの最後となる3Pのスペシャリストとして考えているなら、守備での限界はたいしたことにならないはずだ。
ラプターズに残れる可能性
ベンチメンバーの最後としてラプターズが何を求めているか次第だ。
ラプターズがもっとサイズを望むなら、ウィルソンが最善の選択肢だ。プロジェクトを考えているなら、ジャクソンが答えとなる。ショットが希望なら、条件を満たすのはブラウンとエルナンゴメス。ただ、エルナンゴメスの方が経験豊富であり、ブラウンはGリーグに向かうとみられている。
保証された契約を結んだことで、エルナンゴメスが競争において優位と考える人もいるかもしれない。だが、何も保証はないのだ。
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