ベン・シモンズが今季終了の見込み ネッツにおける今後はどうなるのか?

Jordan Greer

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ベン・シモンズのブルックリン・ネッツにおける初めてのフルシーズンは残念な結末を迎えた。

ネッツは3月24日(日本時間25日)、シモンズが背中の圧迫神経障害と診断されたと発表した。ネッツは「長期的な最善の治療方針」を見定めている最中ではあるが、シモンズは2022-23シーズンの残りを欠場し、回復に集中する見込みだ。

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ネッツがケビン・デュラントとカイリー・アービングの時代から移行した今、この転換期に球団は厳しい決断をいくつか下さなければならない。シモンズは、ネッツの今後の計画にどうフィットするのだろうか?

あるいは、もっと適切な問いはこうかもしれない。シモンズは、そもそも今後の計画にフィットしているのだろうか?

今シーズンのベン・シモンズの成績は?

2022年のトレード期限前にフィラデルフィア・76ersからネッツにトレードされたシモンズは、その後、背中のケガのために一度もユニフォームに袖を通すことはなかった。10月19日(同20日)にネッツでやっとレギュラーシーズンデビューを果たしたが、残念ながらネッツにとって、彼の不調は来るべき事態の前触れであった。

シモンズは1試合平均26.3分間の出場で、6.9得点、6.3リバウンド、6.1アシスト、1.3スティールを記録したが、いずれもキャリア最低の成績だった。フィールドゴール成功率は56.6%だったが、1試合あたりの試投数はわずか5.6回で、フリースロー成功率は一気に43.9%まで落ちてしまった。

フリースローを打つことの恐怖が頭から離れなかったのは明らかだろう。

11月20日(同21日)のメンフィス・グリズリーズ戦では、FG13本中11本を決めてシーズン最多の22得点を記録するなど素晴らしい活躍も見られたが、シモンズは一貫して貢献する方法を見いだせなかった。ネッツのコーチであるジャック・ボーンは、シモンズのような制限のある選手を中心にチームを構築することの難しさを認めている。

ボーンHCは2月に「我々にはやらなければならないことがある」と話している

「どういうラインナップになる可能性があるのかを見たばかりなんだ。ベンと並べてもう1人大きな選手を入れたら、彼の周りのスペーシングを考えなければならない。プレイメーカーを一緒にしたら、ベンがボールを持っていないときにどうなるかを考えなければならない。スモールラインナップでベンを使った場合は、彼でリバウンドが十分に確保できるかどうかを考えなければならない」

「だから、課題は多いが、我々はそれらに真っ向から取り組んで解決していく。我々にはそれを解決するための人材がいる。私が試合の状況を見てラインナップやマッチアップを考えるのか、彼にチームを任せるのか、その点はこれから見極めていくが、この先課題は山積みだ」

彼のプレイと健康問題を合わせると、ほかに言いようがないのだが、今シーズンはシモンズにとって最悪のシーズンだった。

ベン・シモンズの契約状況は?

シモンズにはポジティブなニュースもある。彼はオールスターのような成績を残せなくても、オールスターのような報酬を得られるのだ。

シモンズは、2019年に76ersと5年1億7000万ドル(約222億7千万円/1ドル=131円換算、以下同)の契約延長にサインした。それは2024-25シーズンまでの契約で、最終年にオプションはない。

シーズン 2022-23 2023-24 2024-25 2025-26
シモンズの報酬 3540万ドル 3790万ドル  4030万ドル 無制限FA

もしネッツが現時点でバイアウトの交渉ができれば、シモンズとの試みに終止符を打つ可能性が高い。しかし、シモンズがその話を聞き入れるのを想像しがたい。彼の契約には8000万ドル(約104億8千万円)近くが残されているのだ。

さらに事態を複雑にしているのは、シモンズが最近、2016年から彼の代理人を務めていたエージェンシーであるクラッチ・スポーツと決別したことだ。『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によると、シモンズとクラッチの決別は、シモンズが「新たなスタートを必要としていた」ためだという。

『The Athletic』のジョン・クラジンスキー記者は、シモンズが次のエージェントとしてジミー・バトラーの代理人を務めるバーニー・リーを雇う見込みであると報じた。クラッチからリーへの交代は、劇的な変化をもたらすのだろうか?

その点について考えてみよう。

ネッツはベン・シモンズをトレードするのか?

『Yahoo Sports』のジェイク・フィッシャー記者によると、ネッツはシーズン終了後、「シモンズのトレード市場を見極める」と予想されている。しかし、彼をほかのチームに送るのは簡単なことではないだろう。

2023年のトレード期限前、『ESPN』のボビー・マークス記者は、シモンズには「リーグでは価値がない」と指摘した。シモンズ獲得のためにアセットを手放そうとするゼネラルマネージャーは1人もいないだろう。彼はコート上で問題になるだけでなく、多額のサラリーが追加され財政的にも負担が大きい。

また、ネッツの立場からすると、シモンズのトレードにドラフト指名権を付けることは理屈に合わない。チームは、デュラントとアービングのトレードで指名件を補充したばかりで、今後再建を加速する上で使えるはずの指名権を無駄にするわけにはいかない。

お互いにとっては決別が最善の選択かもしれないが、それが最も現実的なものというわけでもない。今の段階では、シモンズとネッツは互いに身動きがとれない状態だ。

原文:What's next for Ben Simmons? Nets guard's contract, trade value complicate future in Brooklyn
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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Jordan Greer

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Jordan Greer has been with The Sporting News since 2015. He previously worked for the Pittsburgh Post-Gazette. He is a graduate of Westminster College and Syracuse University.