[スキルズ・チャレンジ展望] 8人による勝ち抜き戦を導入、優勝候補はJ・ティーグ、B・ナイト、K・ロウリー (杉浦大介)

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)、ジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ)といったオールスターゲーム本戦に出場する選手たちの直前辞退もあって、今年の『Taco Bell スキルズ・チャレンジ』は少々地味なメンバーとなった。

ジェフ・ティーグ(アトランタ・ホークス)、ブランドン・ナイト(ミルウォーキー・バックス)、カイル・ロウリー(トロント・ラプターズ)らの優勝候補たちは、いずれも“過小評価されているポイントガード”として名前が挙がることの多い選手たち。アイザイア・トーマス(フェニックス・サンズ)、トレイ・バーク(ユタ・ジャズ)、パトリック・ビバリー(ヒューストン・ロケッツ)もどちらかと言えば無名の存在で、デニス・シュローダー(アトランタ・ホークス)、エルフリッド・ペイトン(オーランド・マジック)はまだ未知数のルーキーである。

結果として、ダミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、トニー・パーカー(サンアントニオ・スパーズ)、ステファン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)といったスーパースター級がしのぎを削ってきた過去数年に比べ、華やかさに欠ける感は否めない。

ただ、逆に言えば、現地13日のライジングスターズ・チャレンジ同様、今回のスキルズ・チャレンジは新スター候補発掘の興味があるとも言える。

「僕にとって大切なのは所属するチームが勝つこと。来年以降も向上を続け、またオールスター候補に含めてもらえるようになれば良いと思う」。

今年のオールスターで最大の「Snub」(選ばれるべきだった選手)の1人と言われたナイトは、そんな模範的なコメントを残していた。しかし、同じポジションで本戦にも出場するティーグ、ロウリーらへの対抗意識は少なからずあるはず。また、“エリートPG”の一歩手前と目されているティーグ、ロウリーにしても、ここでその存在感をアピールしておきたいに違いない。

スキルズ・チャレンジは、障害物をドリブルで避けたり、パスやシュートを決めながら、コートを一周するタイムを競う競技。今回は、8選手による勝ち抜き戦方式を導入した。ガードとしての総合力が問われるこのイベントで観客を沸かせるのは、「Almost Famous」(有名になるまであと一歩)のベテランたちか、仕事人たちか、それとも売り出し中のルーキーか――。

たとえ事前の注目度は低くとも、それぞれの出場選手が持ち味を発揮すれば、ファンが目の離せないイベントになる可能性は十分にあるはずである。


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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。