ジャパンゲームズ開催を祝福するアダム・シルバーNBAコミッショナー「私の期待はBリーグがNBAとともに成長し続けること」

青木崇 Takashi Aoki

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トロント・ラプターズとヒューストン・ロケッツが対戦したNBAジャパンゲームズの第1戦を前に、アダム・シルバーNBAコミッショナーが、会場のさいたまスーパーアリーナで約30分間にわたる記者会見を行なった。  2003年以来となる日本でのNBAの試合開催に関しては、冒頭の挨拶のなかで「楽天のような素晴らしいパートナーが必要でした」と語り、バスケットボール好きの少年時代を過ごした楽天の三木谷浩史 代表取締役会長兼社長がNBAジャパンゲームズ実現に大きく寄与したことに対し、感謝の意を述べた。

「長期間の空白期間があったことを私は残念に思っています。ここでプレイしたのは16年前でしたが、ついに戻ってきました」。

いずれもレギュラーシーズンゲームの開催だった16年前までの過去6回のジャパンゲームズと違い、今回はプレシーズンゲーム2試合の開催となったことついて、シルバー氏は「プレシーズンゲームの開催で私が気に入っていることは、地元のコミュニティを経験する機会です」と、その意義を説明した。レギュラーシーズンゲームに比べてチームもファンも楽しみやすい環境を設けられる利点があることをアピールしたほか、NBAチャンピオンチームと優勝を狙える強豪チームの来日は、市場拡大という点でプラスに働くという認識を示している。

「2試合を行なうことに加え、(交流イベントの)ファンナイトや街の風情も味わえます。選手の多くは家族が同行しており、彼らもすごく日本を体感しています」。

 また、Bリーグの創設やFIBAバスケットボール・ワールドカップと東京オリンピックの出場権獲得、日本人NBA選手の誕生など、日本のバスケットボール界が発展し続けていることから、シルバー氏は日本のマーケットに手応えを感じていると語る。 

「3シーズンでBリーグが成功していることを喜ばしく思っています。彼らは素晴らしい仕事をしており、日本のマーケットは成長しています。すべてのバスケットボール・コミュニティが、この強力なリーグから恩恵を受けていると思います」。

 「もちろん、NBAのなかでも、日本にとって歴史的な時間を迎えています。なぜなら、八村塁が日本人初となるドラフト1巡目指名選手として、我々のリーグに加わったからです。彼はワシントン・ウィザーズでプレイすることになります。日本のバスケットボール界にとって転換点になると私は思います」。

「アメリカで塁と一緒の時間を過ごす機会がありました。以前にも話したように、彼は素晴らしい若者です。多大なプレッシャーをかけたくありません。国全体が期待して見ることになるでしょうが、彼はそれに応えてくれると思っています」。

シルバー氏は、今後のNBAジャパンゲームズ開催については詳細を明言しなかったものの、現在進行中の話として存在していることを認めた。一方で、すでにヨーロッパ、南米、オセアニア、中国のチームがプレシーズンゲームで対戦することが定番になっているように、将来的にBリーグのチームがアメリカに遠征し、NBAチームとプレシーズンゲームで対戦することについても前向きな考えを示している。

「私の期待は、BリーグがNBAとともに成長し続けることです」とシルバー氏は言う。

「Bリーグのチームが競い合うのを我々は楽しみにしています。今後の検討材料になるでしょう」。 

青木崇 Takashi Aoki

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バスケットボールライター