キャブズがネッツの指名権をトレードせずに保有し続ける理由

Sean Deveney

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クリーブランド・キャバリアーズがカイリー・アービングをボストン・セルティックスにトレードした際、最も重要だった見返りは将来的な保険を手にいれたことだった。それはブルックリン・ネッツの2018年1巡目指名権だ。トップ5に入れば、ドラフトしたチームの命運を変える可能性がある新人を獲得できるのだ。

開幕から2ヶ月、色々とキャブズの状況は変わっているが、ネッツの指名権に対する姿勢は変わっていない。予想よりもネッツが好調で価値が落ちてはいるものの、キャブズは指名権を手放すつもりはないようだ。

 

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「彼らはトレードの話に興味は示すが、指名権には触れさせない。あれはレブロン関係でのBプランになるから、そのために残しておきたがっているんだ」とリーグのあるゼネラルマネジャーは語った。

その「レブロン関係」というのは、もちろんスター選手のレブロン・ジェームズが来年の夏にフリーエージェントとしてどういう決断を下すかだ。キャブズにとって、次のオフシーズンはふたつの大きな決断が重要となってくる。ひとつはジェームズの去就、もうひとつは現在股関節の怪我をリハビリ中であるガードのアイザイア・トーマスとマックス契約を交わすかどうかだ。

キャブズは今シーズンも優勝候補と考えられており、4年連続でのファイナル進出ができなければ、雲行きが怪しくなってくるだろう。もしジェームズとトーマスを両方失うことになり、チームを再建する必要が出てくると、ネッツの指名権がその痛手を少し和らげてくれるはずだ。

クリーブランドはロサンゼルス・クリッパーズのディアンドレ・ジョーダン、メンフィス・グリズリーズのマルク・ガソルらとのトレードが噂されているが、あるソースによればまだまだ実現しそうなレベルではないとのことだ。キャブズが主に提供できる戦力は、今シーズンふくらはぎの怪我で先発の座を失ってしまったセンターのトリスタン・トンプソンだろう。

そして指名権を実際トレードするかに関して、あるリーグ関係者はキャブズが頑なに口を閉ざしているのは、アンタッチャブルであるとアピールすることで指名権の価値を上げようとしているのではないかと推測した。そしていずれネッツの順位が下がり始め、指名権がトップ5入りすることにかけているのだ。しかしトレード期限までもう6週間しか残っていない。

さらに指名権のトレードに影響するのが、3年連続でウェストを制しているゴールデンステイト・ウォリアーズだ。もしキャブズが指名権をトレードするのであれば、その見返りはウォリアーズを倒すことに大きく貢献してくれる選手でなければならない。あるリーグ関係者は「チームに劇的な変化をもたらすような、チームを優勝に一歩近づけてくれる選手でなければ彼らはトレードしないだろう」と語った。

「今のところ出ている話で、そういった選手はまだいないのではないだろうか。ドラフトでトップ選手を獲得できるチャンスを、ウォリアーズのやられ役になる権利を得るためには手放さないだろう」。

というわけで、キャブズはまだネッツの指名権を保有しており、今後も持ち続けると予想される。

原文:Cavs keeping Nets' pick as backup plan for 'LeBron stuff,' SN sources say

翻訳:大西玲央

Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.