ゴールデンステイト・ウォリアーズは2020年のNBAドラフトで全体2位指名したジェームズ・ワイズマンとたもとを分かつことになった。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じたところによると、ワイズマンは4チーム間のトレードでデトロイト・ピストンズにトレードされるという。アトランタ・ホークスがサディック・ベイを獲得し、ポートランド・トレイルブレイザーズがケビン・ノックスと5つのドラフト2巡目指名権を獲得。ウォリアーズはギャリー・ペイトン二世が戻ってくる。
この取引のニュースはトレードデッドライン(トレード期限)の土壇場で届けられた。ウォリアーズとホークスはプレイオフ進出に向けて後押ししようとしており、ピストンズは引き続き未来に集中している。
それぞれにとってこの取引はどう働くのだろうか。『Sporting News』による各チームのトレード評価は以下のとおりだ。
ピストンズ評価
ピストンズは、まだ一本立ちしていない元ドラフト上位指名選手を獲得するという最近の傾向を続けている。
取引の前に『Detroit Free Press』のOmari Sankofa記者が報じたところによると、ピストンズのトロイ・ウィーバーGMは2020年のNBAドラフト前にワイズマンを高く評価していたという。
マービン・バグリー三世のケースや、ノックスを狙ったのと同じように、ピストンズは計り知れない潜在能力を持つワイズマンという、伸びしろがある選手を加えることになる。
ワイズマンがそのポテンシャルを発揮できるのかどうかは不明だが、新たな家に向かうのは良いスタートとなるだろう。
彼はこれまでのキャリアでその力を垣間見せてきた。ルーキーシーズンに半月板を断裂するまでは、うまくやり始めていた。ワイズマンはもうすぐ22歳になる選手で、イド・カニングハム、ジェイレン・デューレン、キリアン・ヘイズ、ジェイデン・アイビー、アイザイア・スチュワートといった選手たちがいるピストンズの若手を中心とする計画に合う。
複数の若手タレントたちがおり、構築を進めていくピストンズにとっては、長期的な狙いだ。
評価:B-
ウォリアーズの評価
主にケガが原因ではあるが、今回の取引は、ウォリアーズが2020年のNBAドラフトでうまくやれなかったことを認めたかたちだ。
ワイズマンに新しい展望が必要だったのと同じように、ウォリアーズもタイトル防衛と異なる長期計画に集中するために関係を終わらせる必要があった。何より大切なのは、この取引がウォリアーズにとって財政的に大きな救済となることだ。
『The Athletic』のジョン・ホリンジャー記者が直近で報じたところによると、サラリー引き受けなしでワイズマンをトレードすることで、ウォリアーズは今年のサラリーとタックス(税)で5100万ドル(約66億8100万円/1ドル=131円換算、以下同)、来年は8500万ドル(約111億3500万円)を節約できるという。
財政的な観点では悩む必要のないことだった。ただ、数年前の間違いを正そうとしたことでウォリアーズを過剰に称賛するのは難しい。
評価:C+
アップデート:ウォジナロウスキー記者の続報によると、ノックスと5つのドラフト2巡目指名権はブレイザーズに回り、2022年の優勝において大きな役割を担ったペイトン二世がウォリアーズに戻るという。
再び昨季のような役割を果たすためにペイトンが復帰するとなれば、この取引はウォリアーズにとってより勝利となる。
再評価:B-
ホークスの評価
例年同様、ホークスは改革が必要だった。それがベイ獲得だ。
今季のベイは52試合で平均14.8得点、4.7リバウンド、1.6アシストを記録している。通算3ポイントショット成功率は35.7%だ。ルーキーシーズンは3P成功率38.0%だったので、やや下降しているが、彼はよりフロアを広げることができる。
ベイは今季終盤に24歳となる選手で、ホークスのロスターにウィングの厚みをもたらす。
2020年にドラフト1巡目の中盤に指名されたベイは、今季わずか300万ドル弱(約3億9300万円)。来季も460万ドル(約6億260万円)だ。イースタン・カンファレンスのトップ6入りを目指すホークスのシーズン終盤に向けて貴重な補強となる。
評価:B+
ブレイザーズの評価
ブレイザーズはノックスの移籍先として取引に加わった。
23歳のノックスは5年前のドラフトで10位までに指名された選手だが、リーグでまだ適切な居場所を見つけられていない。ピストンズでの1年目だった今季は平均5.6得点だ。
ブレイザーズはジャスティス・ウィンズロウにとって良い居場所であることを証明した。大きく異なる選手ではあるが、ウィンズロウはチームに青写真をもたらし、新たな始まりを提供できたのだ。
トレードデッドラインを前にキャム・レディッシュとマティース・サイブルを獲得したブレイザーズにとって、ペイトン二世を失うのはさほど痛手ではない。
大きなリスクを負うことなく、高い報酬を得られる可能性がある。
評価:B
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