東京パラリンピックの車いすバスケットボール男子日本代表が、史上初となる銀メダルを獲得した。
9月5日に有明アリーナで行われた決勝戦で、日本は前回大会王者のアメリカ代表に60-64で敗れ、惜しくも金メダル獲得を逃したものの、これまでの最高位(2008年の7位)を大きく上回る2位に躍進した。パラリンピックの車いすバスケットボール競技における日本のメダル獲得は、男子としては史上初となる(女子は1984年と2000年に銅メダル)。
日本は、王者アメリカを相手に第3クォーターを終えて1点のリードを奪うなど優勢を保っていたものの、第4クォーターに相手の反撃を許し、惜しくも勝利には至らなかった。
豊島英(#1/競技クラス:2.0)、鳥海連志(#2/競技クラス:2.5)、川原凜(#6/競技クラス:1.5)、藤本怜央(#13/競技クラス:4.5)、秋田啓(#25/競技クラス:3.5)が先発した日本は、藤本の3ポイントショットで先制すると、秋田と鳥海も続いて8-0と最高のスタートを切った。
だが、米国もジェイコブ・ウィリアムズ(#2/競技クラス:2.5)の連続得点で反撃すると、第1クォーター終了間際にはそのウィリアムズがスティーブ・セリオ(#11/競技クラス:3.5)のアシストから3Pを沈めて18-18の同点に追いつく。
米国はさらに第2Qも身体能力の高さを生かした堅守を発揮し、第2Qの日本の得点を9に抑え込む。攻撃でリズムを作れなかった日本は、27-32と5点差をつけられてハーフタイムを迎えた。
【速報動画】#車いすバスケットボール 男子 決勝 日本×アメリカ
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第2クオーターは日本が追う展開 27-32#赤石竜我 選手が速攻で得点決める
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第2Qに停滞した日本だったが、第3Qに入ると一転してリズムを掴む。藤澤潔(#11/競技クラス:2.0)のアシストによる秋田の得点、藤澤自身の連続得点でオフェンスに良い流れが生まれた日本は、藤澤のアシストから鳥海、秋田のアシストから香西宏昭(#55/競技クラス:3.5)がそれぞれ得点して39-39の同点に追いつく。
さらに、赤石竜我(#8/競技クラス:2.5)のアシストから鳥海がレイアップを沈めて41-39と逆転に成功すると、日本はこのクォーターを46-45と1点リードで終えて第4Qに突入する(第3Qは日本が19-13と米国を上回った)。
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第3クオーター #鳥海連志 選手のシュートで逆転!
日本 46-45でリード!
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引き続き優勢を保ち続ける日本は、第4Q残り5分49秒に古澤拓也(#7/競技クラス:3.0)の速攻から鳥海がオフェンシブリバウンドを奪い、ティルティング(片輪を持ち上げて高さやズレを生み出す技術)をして倒れ込みながらレイアップをねじ込み、56-51と5点のリードを奪うなど、金メダルに向けて順調に突き進んでいるように見えた。
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第4クオーター #鳥海連志 選手のシュートでリード広げる
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だが、そこから日本はターンオーバーからの連続失点などで約1分後には逆転を許してしまう。一転して追う展開となった日本は、香西のショットなどで食らいつくも、残り49秒、必死に伸ばした鳥海の腕を巧みにかわしたセリオにミドルショットを決められて3点差(58-61)とされる。
タイムアウト後の古澤の3Pはリングに嫌われ、日本は早めのファウルで時間を止めるも、セリオが落ち着いてフリースローを決めた米国が逃げ切り、激闘に終止符を打った。
日本は香西の18得点(5アシスト、4リバウンド)を筆頭に、藤本が11得点、6リバウンド、秋田が9得点、赤石が6得点、3アシストを記録。チーム最長の36分1秒をプレイした鳥海は8得点、3アシストに加えて試合最多の18リバウンド(オフェンシブリバウンド4本も試合最多)をマークした。
アメリカはセリオが試合最多の28得点、9アシストと爆発し、チームのオフェンスを牽引。試合残り1分に至るまでにすでに23得点をあげていたセリオは、接戦となった最終盤にも鳥海をかわしてミドルショットをねじ込み、さらにフリースロー4本中3本を沈めて、圧巻の勝負強さを見せつけた。
試合後、キャプテンの豊島はテレビのインタビューで「いいゲームはしたんですけど、最後、あと一歩のところで勝つことができなかったので、とても悔しいんですけど、強いアメリカに対して、僕たちのやりたいディフェンスから流れを掴んでいい戦いができたというところで、すごい手応えがあった。みんな40分間、がんばったと思います」と、チームメイトを称えた。
「このチームの目標はメダル獲得というところで、それを達成できて嬉しい。(米国相手に)接戦をできたということで、もう一歩で届きそうという希望も見えた。次の日本代表がこの借りを返してくれるんじゃないかと思っています」。
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「希望が見えた」
60-64とアメリカ相手に接戦を繰り広げた日本
キャプテン #豊島英 選手のインタビュー
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