東京パラリンピック 車いすバスケ男子、日本がイギリスを破って史上初の決勝進出

及川卓磨 Takuma Oikawa

東京パラリンピック 車いすバスケ男子、日本がイギリスを破って史上初の決勝進出 image

東京パラリンピックの車いすバスケットボール男子日本代表は、9月3日に有明アリーナで行われた準決勝でイギリス代表に79-68で勝利を収め、史上初となる決勝進出を決めた。5日に行われる決勝戦では、準決勝でスペイン代表を下したアメリカ代表と対戦する。

豊島英(#1/競技クラス:2.0)、鳥海連志(#2/競技クラス:2.5)、川原凜(#6/競技クラス:1.5)、藤本怜央(#13/競技クラス:4.5)、秋田啓(#25/競技クラス:3.5)が先発した日本は、第1クォーターで15-23と8点差をつけられる。

だが、日本は第2Qに香西宏昭(#55/競技クラス:3.5)が3ポイントショット2本中2本を沈めるなどして得点を伸ばすと共に、赤石竜我(#8/競技クラス:2.5)の堅守などでイギリスの攻撃を停滞させて18-13と反撃。一時10点あった点差を3に縮めて(33-36)後半に突入する。

第3Q開始直後に古澤拓也(#7/競技クラス:3.0)の連続得点で逆転に成功した日本は、このクォーターも19-12と主導権を握り、52-48と4点リードで第4Qを迎えた。

2016年リオデジャネイロ・パラリンピック銅メダル、2018年世界選手権金メダルの強豪イギリスも、今大会でヘッドコーチを兼任するギャズ・チョウドリー(#4/競技クラス:4.0)を中心に必死に食らいついてくる。そんななか、日本は香西が次々とシュートを沈めて最終クォーターだけで11得点を叩き出す。

香西の活躍に呼応するかのように、鳥海、赤石ら若手も得点を伸ばした日本は、粘り続けるイギリスを突き放し、最後は11点差をつけての勝利となった。

日本は、鳥海が20得点(後半11得点)、8リバウンド、8アシスト、香西が3P3本をすべて成功させるなどフィールドゴール9本中7本を成功させて17得点、7リバウンド、4アシストとチームを牽引した。そのほか、古澤と秋田が各9得点、赤石と藤本が各8得点、ローポインターの豊島が19分58秒出場で2得点、川原が17分2秒出場で6得点と、勝利を後押しした。

イギリスは、37分29秒出場したチョウドリーが試合最多の26得点、11アシスト、6リバウンドと奮闘したほか、リー・マニング(#14/競技クラス:4.5)が15得点、7リバウンド、40分フル出場したグレッグ・ウォーバートン(#12/競技クラス:2:0)が14得点、6アシスト、アブディ・ジャマ(#10/競技クラス:1.0)が10得点、4リバウンドだった。

日本が決勝で対戦するアメリカは、2016年リオ大会金メダル、2018年世界選手権銀メダルの強豪だ。アメリカのイリノイ大学で全米制覇、2シーズン連続MVPを受賞した経験を持つ香西は、試合後のインタビューで「僕たちはチャレンジャー。ぶつかりにいくだけだと思っています」と、決勝戦について意気込みを語っている。

なお、アメリカは、日本が予選ラウンドで破れたスペインに勝って決勝進出を果たした一方で、日本は予選ラウンドでアメリカに土をつけたイギリスを倒して決勝に進んでいる。また、日本対アメリカのカードは、東京オリンピックのバスケットボール女子決勝(アメリカが90-75で勝利)と同じカードであり、バスケットボール競技としては、東京2020オリパラ大会2度目の決勝戦での日米対決となる。

日本対アメリカの決勝戦は、5日(日)午後12時30分から同会場で行われる。

及川卓磨 Takuma Oikawa

及川卓磨 Takuma Oikawa Photo

スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。