パラリンピック:アフガニスタン選手が走り幅跳びに出場…女子テコンドー選手は9月2日に1回戦

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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パラリンピック第8日の8月31日、中東アフガニスタンにおけるイスラム主義組織タリバンの政権奪取で一時は出場を断念しながらも、混乱の最中、出国に成功し来日を果たしたホサイン・ラスーリが、東京・国立競技場で行われた陸上男子走り幅跳び(上肢障害T47)に出場した。

ラスーリと女子テコンドー選手のザキア・フダダディは、当初17日に日本に到着予定だったが、タリバンが15日に政権を掌握。首都カブールが陥落したことで、出国できなくなっていた。その後、フダダディによる助けを求める動画が公開され、IPCやオーストラリアなどの支援を受けてアフガンを出国。パリ経由で28日に来日した。

ラスーリが本来出場を予定していた男子100メートルは来日前日の27日に終了していることから、本人の希望で男子走り幅跳び(上肢障害T47)に切り替えた。地雷で左の手首から先を失ったラスーリは、最長4メートル46で4回目以降の試技に進めず最下位となるも、にこやかに競技をやり通した。

9月2日のテコンドー女子49キロ級(上肢障害)には、生まれつき右腕の一部がないフダダディが出場を予定している。

国際パラリンピック委員会(IPC)は2選手の要望を受ける形で、心の健康を最優先し、大会中の取材対応を免除。競技に集中できることになった。また、パラリンピック終了後、2選手はオーストラリアで難民として保護されるという報道がある。特に女性については、1990年代末のタリバン政権下では就業が禁止された経緯もあり、新政権によって再び女性が排斥される懸念が高まっている。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。