【ルノー】堅実なレースマネジメントで、今年もポイントを稼ぐ

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2016年よりフルワークスチームとしてF1に参戦しているルノー・スポールは、もともとルノーのモータースポーツ部門を母体としている。そのため古くは1970年代からF1に関わっており、エンジンサプライヤーとしてもコンストラクターとしても数々の栄光を打ち立ててきた。近年では2005年と翌2006年に、若きフェルナンド・アロンソの活躍によってコンストラクター&ドライバー両方のチャンピオンに輝いたことが記憶に新しい。しかし、“エース”アロンソがマクラーレンへと去って以降、思うようなレース結果が得られているのが現実である。

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そこでルノー・スポールは現在、メルセデス、フェラーリ、レッドブルに続く“4番目に速いチーム”を目標に掲げ、チームを立て直している最中だ。昨季はトロロッソをわずかにかわしての総合6位だったが、フルワークス3年目になる今年はドライバーからマシンまで、チーム内すべての面でのステップアップが厳命であり、当然、ランキングアップも狙っている。そのためシャシーの開発部門があるイギリスのエンストン工場では新たにスタッフを100名以上増員したほか、空力設計を再検討するため風洞設備に新たなスーパーコンピューターを導入するなど、並々ならぬ投資と勝負への姿勢を見せている。現行レギュレーションを逸脱しない2020年までには、おそらくトップ3と同等に渡り合うチームへと成長していることだろう。

今年のチームの特徴

昨シーズンはホンダに次いでパワーユニットにトラブルを抱えていたが、この問題を解消するべく改良を重ね、今季はトラブルフリーでシーズンを終えることを目指しているという。また昨年のR.S.17に比べ、冷却系を中心部に集約してスリム化を進めたことで、空気をよりスムーズに後方へと流す設計になっている。ドライバーの顔ぶれは昨年と同様だ。

Point 1: ルノー、2018年ドライバー

<ニコ・ヒュルケンベルグ>
西ドイツ出身の30歳。2010年にウィリアムズでF1にデビューし、フォース・インディアとザウバーを経て、昨季ルノーへと所属を移した。長くF1に参戦しているものの、1度も表彰台に上がった経験がないという記録を更新中。だが、入賞率は高く、2015年にはF1現役ドライバーがル・マンで優勝するという久々の快挙を果たすなど、実力に疑いの余地はない。

<カルロス・サインツJr.>
スペイン出身の23歳。WRC(世界ラリー選手権)で2度世界チャンピオンになったカルロス・サインツを父に持ち、ジュニア時代からカートで頭角を現す。2014年、レッドブルの育成ドライバーとしては初のフォーミュラ・ルノー3.5の覇者となり、翌年トロロッソからF1デビュー。昨年のシーズン中、アメリカグランプリ直前にルノーへと電撃移籍した。

Point 2: ルノー、2018年新マシン

<R.S.18>
自前のシャシーとパワーユニットで今季も参戦。前年型のR.S.17は、前方がイエローで後方がブラックのツートンだったが、新型R.S.18は正面から見るとイエローで、サイドの大半はブラックが占める配色に変更された。ドライバーの頭上にあるインダクションポッドの幅広な設計がアクセント。前年までFIAの技術責任者だったマルチン・ブコウスキーをスカウトして物議を醸したルノーだったが、規定により彼はR.S.18の開発には携わっていない。

Point 3: ルノー、その他の事項

例年のごとく、ルノー本社からの資金援助は限られているため、外部スポンサーからのサポートが必須となっている。BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)とマフレとの5年間に及ぶ契約延長は、チームの財政安定化に貢献することだろう。そのほかスペインのサッカーリーグ、ラ・リーガや中国のアリババともスポンサー契約を成功させている。これらから得る潤沢な資金を用い、マシン開発や施設のアップデートがスムーズに行われている模様である。