完全復活ジョン・ジョーンズの対戦候補者とは?:最有力のミオシッチやレスナーとのドリームマッチの実現性

Daniel Yanofsky

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3年ぶりの復帰戦でジョン・ジョーンズは、シリル・ガーヌを撃破し、UFCヘビー級戦線で確固とした未来を手に入れた。それはもちろん、ベルトを持つ者としてヘビー級の潜在的挑戦者たちの標的になることを意味する。

復活した天才の次なる対戦候補を本誌格闘技エキスパートのダニエル・ヤノフスキーが解説する。

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3月5日、ジョン・ジョーンズ(米国)がオクタゴン復帰となった『UFC 285』(T-Mobileアリーナ、米ネバダ州ラスベガス)で、シリル・ガーヌ(フランス)から1ラウンド早々にギロチンチョークでの1本勝ちを奪い、完勝を収めた。

ジョン・ジョーンズ vs. シリル・ガーヌ予告動画

3年間以上に及ぶ空白期間を経て、復帰戦でいきなりのヘビー級王座獲得劇といい、ジョーンズはまったく躓く(つまずく)ことなく、この先の戦いを見据えている。

勝ち名乗りを上げたジョーンズは、客席に座っていた元チャンピオンのスティーペ・ミオシッチ(米国)に対戦を呼びかけた。UFCのダナ・ホワイト代表もジョーンズ対ミオシッチ戦の実現に興味があることを明らかにした。

『UFC 285』大会終了後記者会見において、ホワイト氏は「いつになるか分からないが、ジョーンズは必ずスティーペ(ミオシッチ)と戦うことになるだろう。ジョーンズはやりたがっている。だから我々はスティーペをやる気にさせるだけだ」と言った。

ホワイト氏はその時期を明言しなかったが、ジョーンズが勝利したあとで、ミオシッチ自身がさらに信憑性がありそうな日付を示唆した。その時期とはいつなのか。もし、ミオシッチ戦が実現しなかった場合は、だれがジョーンズの対戦相手になる可能性があるのか。

ジョーンズは最近8試合の契約を結んだ。独学で格闘技を学び、UFC2階級王者として頂点に立った孤高の天才も、35歳となった今や、あとどれだけ長く戦い続けられるだろうか。新たにUFCヘビー級王者の座に就いたジョーンズの今後について、我々スポーティングニュースが今知るすべては以下の通りである。

ジョン・ジョーンズ vs. スティーペ・ミオシッチ(ヘビー級2位)

ミオシッチは2016年にUFCヘビー級タイトルを獲得した。2018年にダニエル・コーミエ(米国)に敗れてベルトを失ったが、その後コーミエに2連勝して、タイトルを奪還するとともに、因縁のライバル関係も完全に終わらせた。ただ、ミオシッチは長年に渡って目に問題を抱えており、2021年にフランシス・ガヌー(カメルーン)に敗れてベルトを失って以来、試合をしていない。

地元オハイオで消防士も務めるミオシッチは、UFCの年次イベントである『International Fight Week』が行われる7月にヘビー級タイトル戦を目指していることを報道陣に語った。UFCデビュー以来、何回かジョーンズと戦う希望を口にしてきたが、これが最後になるだろう。もうひとりの標的だったガヌーはUFCから離脱した。残るはジョーンズ以外にいない。

前述のとおり、ジョーンズもミオシッチとの対戦を願っている。

英高級紙『Independent』の記事によると、ジョーンズは「スティーペ・ミオシッチと戦いたい。それが最も大きな意味のある戦いになると思う。ファイターはほかにもたくさんいるけど、個人的にはヘビー級歴代最強ファイターに勝つことが、私にとって最も意味があるのさ」と語っていた。

ジョン・ジョーンズ vs. フランシス・ガヌー(離脱)

『ザ・プレデター』の異名を持つガヌーと、『天才』ジョーンズの対戦は長年の話題だった。現在のところ、それは最も実現しそうもない話になってしまっている。

ジョーンズはライトヘビー級王者だった頃にガヌー戦の契約を締結しようとした。しかし、ホワイト氏との交渉、とくに金銭面で合意に至らなかった。ジョーンズはUFCライトヘビー級のタイトルを返上し、UFCから満足できる報酬を得ようと試みた。その後すぐ、ジョーンズはヘビー級の戦いに専念することを決めた。

一方、ガヌーは今年になってUFCと袂を分かった。やはりこちらも報酬に関する交渉が決裂した結果である。UFCはガヌーからヘビー級王座を剥奪した。それでも復帰するチャンスはいつでも残されていると思われがちだが、ホワイト氏はそれを否定する。

「答えはノーだ。ガヌーとは何年も交渉してきた。もう終わったことだ。ガヌーがUFCに戻ることはけっしてない。(格闘技界で)『絶対ないとは言い切れない』(Never say never)とはよく聞く言葉だが、この件に限れば絶対だ。我々は努力した」とホワイト氏は報道陣にきっぱりと述べた(EPSN MMA動画)。

ガヌーにはUFC離脱前から、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英国)とのボクシング対決が取り沙汰されている。

ジョン・ジョーンズ vs. カーティス・ブレイズ(同4位)or セルゲイ・パブロビッチ(同3位)

ヘビー級ランキング1位のシリル・ガーヌに勝利したことで、ジョーンズはヘビー級戦線で確固とした未来を手に入れた。それはもちろん、ヘビー級挑戦者たちの目標になることを意味する。近日中に予定されている「ある試合」は、ジョーンズ対ミオシッチ戦が終わったあとの挑戦者を決める戦いになるかもしれない。

その試合とは、4月22日に予定されているカーティス・ブレイズ(米国)とセルゲイ・パブロビッチ(ロシア)の試合だ。

レスリング出身のブレイズはこれまでにも王座挑戦者のポジションを目指していたが、ガヌーとデリック・ルイス(米国)にその道を塞がれてきた。現在3連勝中であり、その直近ふたつはTKOによるものだ。パブロビッチは5連勝中であり、しかもそれらはすべてノックアウト勝ちである。

この試合で大きなインパクトを残す勝利を収めることができれば、タイトル挑戦の可能性が浮上する。そしてもしジョーンズがミオシッチ戦にこぎつけられなかった場合、このふたりのうちのどちらかと対戦することもあり得る。

ジョン・ジョーンズ vs. ブロック・レスナー(離脱)

ジョーンズにとって究極の戦いとは何か。スポーティングニュースはもし自由に対戦相手を選べるとしたら誰を指名するかとジョーンズに質問してみた。ジョーンズの答えはブロック・レスナー(米国)だった。

現在のところ、レスナーがUFCに復帰する可能性は極めて低い。この元UFCヘビー級王者は今45歳だ。それを証明するように、ホワイト氏は2019年にレスナーの総合格闘技キャリアは「終了した」と述べている。

「レスナーは決断を下した。彼が別のところで何をしているかは知らない。ビンス(マクマホン)と新しい契約を交渉して、WWEに残ろうとしていたそうじゃないか。ブロックとは良い関係を保ってきた。お互いが敬意を持って接してきたのだ」とホワイト氏は米プロレス専門ウェブメディア『Wrestling Inc.』で語っている。

WWEで何度か王座に就いたことがあるレスナーは、4月の『レッスルマニア39』で巨人オモスと対戦する。レスナーの契約はもうすぐ失効し、WWEとの関係も終了するとの報道がある。しかし、それはあくまでレスナーとWWEとの間での話である。

レスナー自身は、2022年3月に『New York Post』の取材に対し、UFC復帰の「ドアは閉まっている」と告白しており、プロレスのキャリアを「身体が動く限り楽しむ」と話していた。現役ヘビー級王者だったガヌーの離脱、ジョーンズの王座戴冠によって事情が変わることもあり得るが、果たして…?

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UFC男子ヘビー級ランキング(3月6日段階)

  • 王者:ジョン・ジョーンズ
  1. シリル・ガーヌ
  2. スティーペ・ミオシッチ
  3. セルゲイ・パブロビッチ
  4. カーティス・ブレイズ
  5. タイ・トゥイバサ
  6. トム・アスピナル
  7. セルゲイ・スピバック
  8. アレクサンドル・ボルコフ
  9. ジャルジーニョ・ホーゼンストライク
  10. マルチン・ティブラ
  11. デリック・ルイス
  12. クリス・ドーカス
  13. アレクサンドル・ロマノフ
  14. ジャイルトン・アウメイダ
  15. ブラゴイ・イワノフ

原文:Who will Jon Jones fight next? Possible date for Stipe Miocic floated after UFC 285 win over Ciryl Gane
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部


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Daniel Yanofsky