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Israel Adesanya - Dricus du Plessis
(Will Russell/Zuffa LLC/GETTY)

『UFC 305』でドリカス・デュ・プレシとイズラエル・アデサニヤが、UFC世界ミドル級タイトルを懸けて、曰く付きの新旧王者対決に臨む。この大会はオーストラリア・パースのRACアリーナで開催され、日本ではU-NEXTとUFC FIGHT PASSで、8月18日(日)にライブ配信される。

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現王者デュ・プレシは、総合格闘技のキャリアでノックアウトで9勝、サブミッションで10勝を挙げている。元EFCおよびKSWウェルター級チャンピオンは、WAKO世界選手権で南アフリカ人初のメダリストとなった。デュ・プレシは、元王者のロバート・ウィテカーを破り、当時のミドル級王者ショーン・ストリックランドに挑戦。30歳のデュ・プレシは、接戦の末、ベルトを獲得した。

元キックボクサーのアデサニヤは、暫定王者を経て、2019年にメルボルンでウィテカーを破ってUFC世界ミドル級王者に上り詰めた。『ラストスタイルベンダー』は、2023年にアレックス・ペレイラに敗れたが、ダイレクトリマッチでタイトル奪還を果たした。しかし、同年9月のストリックランド戦で精彩を欠き、0-3判定負けでタイトルを失い、休養期間に入っていた。今回の試合が約11か月ぶりの再起戦となる。

ファン待望の新旧王者対決を迎える両者だが、かねてから互いに口撃し合ってきた。その発端といえるのが、ナイジェリア生まれのニュージーランド人であるアデサニヤが、「アフリカを拠点に活動するファイターとして初めてUFCのベルトを手にすることになるだろう」とデュ・プレシが発言したことに異議を唱えたことだ。

いわゆる白人移民のアフリカーナーであるデュ・プレシの発言の核心は、ストリックランドに挑戦する前、アフリカ大陸を離れて生活するアデサニヤを皮肉るように、自身こそが真のアフリカ勢初の王者になると強調したことだ。両者の人種的・移民的なイデオロギーにもかかわるようなこの舌戦を通して対戦がほのめかされたが、その後のアデサニヤの休養入りもあり実現しなかった。

だが、8月18日、その遺恨マッチがついに実現することになる。

「アフリカの太陽は、私たちの惑星を照らす太陽と同じだ」と、アデサニヤはInstagramに投稿した。

「太陽は沈み、あなたがその中に入るまで再び昇ります。太陽よ、輝いている間は楽しんでください。太陽が消えると暗闇が訪れます」

この新旧ミドル級王者対決の勝者は、ストリックランドと対戦することになると、UFCのCEOダナ・ホワイトは明言している。10月26日には元王者ウィテカーと無敗のカムザット・チマエフのランカー戦もあり、2025年のミドル級戦線はさらなる注目カードが実現することになりそうだ。

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デュ・プレシvsアデサニヤ:勝敗予想

米大手ブックメーカー『BetMGM』によると、デュ・プレシvsアデサニヤのオッズは、8月16日現在で、王者デュ・プレシ「-105」、挑戦者アデサニヤ「-115」で、僅差と言って良い。

現王者のデュ・プレシは打極ともに優れ、立っても寝ても決定率は高い。アデサニヤに完封勝ちしたショーン・ストリックランドを制したことでもその実力の高さは証明されているだろう。30歳という年齢も、経験と技術、フィジカルが高いレベルで融合した全盛期にあると言っても過言ではない。

対する35歳のアデサニヤは、キックボクシング出身のストライカーである以上に、『ラストスタイルベンダー』の異名通り、試合中に相手のスタイルに合わせて戦術を切り替えることができるのが強みだ。多彩なコンビネーションとスイッチングによる変幻自在の打撃、豊富な運動量にスピードと高い防御スキルを兼ね備える。

しかし、そのアデサニヤのカメレオンのような能力はストリックランド戦では機能しなかった。ストリックランドのプレスとディフェンスで持ち前の多彩な打撃を封じられ、緩慢なアプローチに腐してしまった。

デュ・プレシはこのときのアデサニヤの癖を見抜いており、自身との戦いでもデータとして利用するだろう。打撃を封じ、スタミナを使わせれば、アデサニヤ攻略はより容易になる。疲弊したアデサニヤをテイクダウンすれば、一本勝ちは難しいにしても優位に試合を支配することは可能になる。

 

スポーティングニュースの予想:デュ・プレシの判定勝ち


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著者
神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。