今年の年末も総合格闘技「RIZIN」の大晦日大会『RIZIN.45』が開催される。その第1弾ではフアン・アーチュレッタ vs. 朝倉海などメイン級カードが、第2弾では芦澤竜誠 vs. 太田忍、第3弾では皇治 vs. 三浦孝太など、第4弾では平本蓮 vs. YA-MANや仕切り直しの安保瑠輝也のカードなど、第5弾では那須川天心の弟・龍心のMMAデビューが発表された。
本記事では、『RIZIN.45』大晦日大会の発表(確定)済みカードをまとめる。朝倉未来や鈴木千裕、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオらが登場するのかなど、新たな情報が発表され次第、随時更新予定だ。
RIZIN.45第1弾カード発表は仕切り直しのWタイトル戦が目玉
10月26日の『RIZIN.45』第1弾カード発表では、4試合が明らかになった。
フアン・アーチュレッタ vs. 朝倉海のバンタム級タイトルマッチは、当初7月30日の『超RIZIN.2』で組まれるも、海の負傷により扇久保博正がスクランブル出場。アーチュレッタが3−0判定勝ちで新王者になっていた。海は「次は生きている限り必ずリングに立つ」と誓い、「RIZINのベルトは日本人が持ってなきゃいけない。絶対(アーチュレッタを)倒したい」と意気込んでいた。
リモートで参加した王者アーチュレッタは、前回負傷欠場した海について男気が無いと断じ「その程度の男と試合をしたところで全く負ける気がしない」と豪語した。
堀口恭司 vs. 神龍誠も『超RIZIN.2』で雌雄が決まるはずだったが、堀口から神龍への偶発的なアイポークによりノーコンテストに。また、同カードはBellatorフライ級王者決定戦として行われたが、BellatorのPFLへの身売り報道も絡んでか、大晦日の試合はRIZINフライ級初代王者決定戦に変更される。
神龍は「完全決着でぶっ倒してRIZIN初代フライ級チャンピオンになる。(超RIZIN.2から)この期間にめっちゃ強くなったんで」と言い放てば、堀口は「しっかりぶっ飛ばすんで、見ててください」と余裕で返した。
クレベル・コイケ vs. 斎藤裕は、2年越しに実現する好カード。復調した斎藤と、連敗でドン底にあえぐクレベルの対戦は、勝った方がフェザー級タイトル戦線入りするはずだ。扇久保 vs. ジョン・ドッドソンはフライ級挑戦者決定戦と言える顔合わせとなる。
第2弾発表は芦澤竜誠のMMAデビュー、賛否両論のカードが追加
11月11日には、第2弾カード発表が行われた。
太田忍 vs. 芦澤竜誠は、芦澤のMMAデビュー戦となる今年の大晦日の目玉カードのひとつ。相手を務める太田は、芦澤の才能を称えつつも「MMAってそんな甘くない」と釘を刺し、一方的にケガをさせないように「きれいに片付けたい」と先輩風を吹かせた。
芦澤は周りから「(MMAデビュー戦で)太田はやめろ」と言われたものの、SNSでのやりとりで逃げるなと言われたことについて「俺がダセェみたいなことを言われたがそもそも逃げるわけない」と話し、「太田忍とデビュー戦で俺がやれるっていうのも、俺すげえ『持ってんな』って感じだから普通にボコボコにしようと思います!」と宣言した。
一方、安保瑠輝也 vs. 木村"フィリップ"ミノルは、そもそもは安保が提案したカードではあったが、木村が今もドーピング検査中の身ということもあり、発表直後から賛否両論となった。
安保自身は賛否あることは承知の上で、「立ち技格闘技が面白いってことをRIZINに伝えたくて、それを一番体現できるカード」と説明。対する木村はサポートしてくれている関係者に感謝すると同時に「安保選手はずっと対戦要求してくれて、こうやって実現できるっていうことで、心の奥底から力が溢れ出てる」と殊勝に語ったが、安保からドーピングをいじられるや、「もう一回(身体を)大きくしようか」と返すなど、反省の色は薄かった。
なお、榊原信行CEOは検査の結果次第でこのカードが流れることも示唆している。
スダリオ剛 vs. 上田幹雄は、RIZINヘビー級日本人最強決定戦。身売り報道が出ているBellatorが将来的に解体となれば、来年以降、海外ヘビー級勢もチャンスを求めてRIZINに襲来する可能性もあり、誰がRIZINヘビー級の顔として迎え撃つかを決めることになりそうだ。
第3弾で皇治のMMAデビュー戦が決定、一方で安保 vs. 木村戦は消滅
11月24日には、第3弾カード発表が行われたが、まず第2弾で発表された安保 vs. 木村戦が、木村のドーピング検査「陽性」結果を受け、中止になった。榊原信行CEOが「笑うしか無い」とコメントした。
一方、皇治のMMAデビュー戦となる、三浦孝太戦が発表された。
K-1離脱後の皇治は、RIZIN参戦以降、キックルールとエキシビションのボクシングマッチに出場してきたが、かねてからRIZINの本流であるMMAデビューの意向を示していた。『RIZIN.44』直前には、朝倉海を相手にしたデビュー戦の緊急オファーを受けるも、準備期間の短さもあり実現しなかった。
11月上旬には右足首の負傷もあったが、回復を見込み、大晦日でのMMAデビューを強行する。相手の三浦孝太はサッカー界のレジェンド『キングカズ』こと三浦知良の次男で、デビューから2連勝を挙げていたが、5月の『RIZIN.42』でYA-MANに敗れている。
それを意識してか三浦は、2戦連続のキック王者との対戦に敬意を表しつつも「試合では関係ない。自分が勝ちたい」と意気込んだ。対する皇治は三浦へのコメントよりも「キム兄おそろしい。大晦日はいっぱい注射を打って頑張りたい」とすっとぼけた。
第3弾発表では、5月の『RIZIN.42』から延期になっていた山本美憂の引退試合(vs. 伊澤星花)のほか、弥益ドミネーター聡志 vs. 新居すぐる、イゴール・タナベ vs. 安西信昌も明らかになった。
第4弾は平本蓮 vs. YA-MANに、安保の仕切り直しカードも決定
12月10日、第4弾発表で、いよいよ『RIZIN.45』のカードが出揃ってきた。中でも目玉となったのが、平本蓮 vs. YA-MANだろう。
12月上旬の段階で、平本は自身のSNSに「仇は俺が取る」と投稿。誰の仇かと言えば、11.24『FIGHT CLUB』でのOFG(オープンフィンガーグローブ)キックボクシング戦でKO負けを喫した朝倉未来であり、相手はその朝倉を倒したYA-MANであることは想像に難くなかった。
平本と朝倉未来は、朝倉 vs. フロイド・メイウェザーのエキシビション戦発表の2022年夏頃から舌戦を繰り返してきた。両者の間にリスペクトは無いように見えたが、YA-MANにKO負け直後に引退を仄めかした朝倉に対し、奮起を促すようなコメントを送っていた。そして前述通り「仇討ち宣言」も飛び出していた。
第4弾カード発表会見でも「朝倉未来のおかげで(K-1から転向して)MMAを始めた」と告白し、いずれ朝倉と戦うためにYA-MAN戦に名乗りを挙げたことを明かした。対するYA-MANは、平本のペースに巻き込まれることを拒むように声を荒げ、「競技をやるつもりはない」と宣言し、喧嘩マッチを予告。フェイスオフでは平本の握手を拒否して一触即発となった。
また、カード再調整となっていた安保瑠輝也の相手が久保優太に決まった(ルールはMMA特別ルール)ほか、平本の弟・丈 vs. YUSHI、篠塚辰樹 vs. BreakingDown出身の冨澤大智のOFGキック戦も発表された。
第5弾では天心の弟・龍心のMMAデビュー、朝倉未来の愛弟子 vs. 修斗王者が決定
12月18日、第5弾として元谷友貴 vs. ヴィンス・モラレス、那須川龍心 vs. シン・ジョンミン、新井丈 vs. ヒロヤが発表された。
最も注目となるのは、那須川天心の実弟である龍心のMMAデビューとなるジョンミン戦だろう。12月16日のRISE両国国技館大会での(龍太郎戦)TKO勝利後に『RIZIN.45』出場を直訴。それを受けた榊原CEOが兄・天心と同じ道(MMA挑戦)を用意し、今回のカードが決まった。天心はMMA全4戦で4勝0敗を挙げたが、龍心の挑戦は如何なる結果となるのか。
また、朝倉陣営から2試合が決定。朝倉の所属ジム「JAPAN TOP TEAM」のレスリングコーチでもある元UFC戦士ヴィンス・モラレスが元谷と対戦。元谷は朝倉海戦以来の再起戦となる。朝倉の愛弟子ヒロヤはRIZIN2連敗の中、修斗ストロー級(52.2kg)&フライ級(56.7kg)王者の新井丈相手に「3度目の正直」を狙う。
【追記】12月24日に『RIZIN.45』全17戦の試合順が発表され、堀口 vs. 神龍のRIZINフライ級王座決定戦がメインイベントに決まった。
前日計量でアーチュレッタが2.8kg超過で王座剥奪へ
12月30日には前日計量が行われたが、アーチュレッタのみ体重超過となり、RIZINバンタム級王座の剥奪が決まった。朝倉海との試合実施可否について協議されることになったが、2.8kgオーバーという大幅超過のため、運営サイドとしては難しい判断となる。19:50時点で可否発表はされていない。
以降、新たな発表があり次第、追記・更新される。
■朝倉未来、鈴木千裕は出場する?
- 朝倉未来:未定(来年までの休養を宣言)
- 朝倉未来は当初、大晦日出場は「9割ない」としていたが、YA-MANとのOFGキックボクシング対決を行う『FIGHT CLUB』(11月19日)の記者会見の場で「ケガとかなかったら(RIZIN大晦日大会)行こうかな」と示唆。YA-MANにKO負けを喫し、一時は引退を宣言したが、後日冷静さを取り戻すと「RIZINでやり残したことがある」として撤回。自身のYouTubeチャンネルでは「来年強くなって戻ってくる」と涙ながらに宣言した。
本人の発言とKO負けのダメージもあり、大晦日での「試合出場」はないとみられる。
- 朝倉未来は当初、大晦日出場は「9割ない」としていたが、YA-MANとのOFGキックボクシング対決を行う『FIGHT CLUB』(11月19日)の記者会見の場で「ケガとかなかったら(RIZIN大晦日大会)行こうかな」と示唆。YA-MANにKO負けを喫し、一時は引退を宣言したが、後日冷静さを取り戻すと「RIZINでやり残したことがある」として撤回。自身のYouTubeチャンネルでは「来年強くなって戻ってくる」と涙ながらに宣言した。
- 鈴木千裕:出場見込み→不出場決定
- 日本時間11月5日、アゼルバイジャン大会でヴガール・ケラモフを下し、新フェザー級王者となった鈴木千裕は、その試合で右手親指を負傷。榊原信行CEOは「無理をさせるつもりはない」としていたが、11月20日には本人が「回復」をアピール。第3弾カード発表時点で、鈴木の大晦日出場見込みとして公式サイトで発表された。しかし、第4弾、第5弾発表でも鈴木のカードは明かされず、12月17日、榊原CEOが鈴木の大晦日の試合出場が消滅したことを発表した。鈴木自身は金原正徳を挑戦者に指名しているものの、榊原CEOは金原戦は来年実施を示唆していた。
皆さん、今夜配信した事前特番は観ていただけましたか?
— 榊󠄀原信行 Nobuyuki Sakakibara (@nobu_sakakibara) December 17, 2023
その番組の中で追加カード3試合を発表しました!
今年の大晦日は、この追加3試合で打ち止めとし、全17試合をラインナップする事になりました!
RIZINの理念である“三本の矢… pic.twitter.com/E1Se0nvexJ
■メイウェザー、パッキャオが来場?
ボクシング50戦無敗のレジェンド、フロイド・メイウェザーは自身がプロデュースするシャンパンブランドの販促のため、「大晦日は俺らと東京で祝おうぜ!」とSNSに投稿するなど、少なくとも大晦日に日本に滞在することを予告している。明言していないが、たまアリ来場が予想されている。
そのメイウェザーの現役時代の宿敵であるマニー・パッキャオとは、エキシビションマッチの噂も根強い。RIZINと1マッチ契約を結んでいるパッキャオ自身も今年の大晦日大会に登場する可能性があるが、そこで何らかの発表があるのか。現時点で何もわかっていない。
RIZIN.45 対戦カード(全カード試合順確定)
- メインイベント RIZINフライ級初代王者決定戦:RIZIN MMAルール 5分3R
- 堀口恭司 vs. 神龍誠
- 第16試合 RIZINバンタム級タイトルマッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- フアン・アーチュレッタ(王者>体重超過で剥奪) vs. 朝倉海(挑戦者)
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- クレベル・コイケ vs. 斎藤裕
- 第14試合 66kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- 平本蓮 vs. YA-MAN
- ───────── インターバル ─────────
- 第13試合 49kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- 伊澤星花 vs. 山本美憂(※引退試合)
- 第12試合 120kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- スダリオ剛 vs. 上田幹雄
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- 扇久保博正 vs. ジョン・ドッドソン
- 第10試合 61kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- 元谷友貴 vs. ヴィンス・モラレス
- 第9試合 61kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- 太田忍 vs. 芦澤竜誠
-
- 第8試合 65kg級契約マッチ:RIZIN MMA特別ルール 5分2R
- 三浦孝太 vs. 皇治
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- イゴール・タナベ vs. 安西信昌
-
- 新井丈 vs. ヒロヤ
- 第5試合 70kg級契約マッチ:RIZIN MMA特別ルール 5分2R
- 久保優太 vs. 安保瑠輝也
- ───────── オープニングセレモニー ─────────
- 第4試合 66kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- 弥益ドミネーター聡志 vs. 新居すぐる
- 第3試合 60kg級契約マッチ:RIZIN キックボクシングルール(OFG着用)3分3R
- 篠塚辰樹 vs. 冨澤大智
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- 那須川龍心 vs. シン・ジョンミン
- 第1試合 61kg級契約マッチ:RIZIN MMAルール 5分3R
- YUSHI vs. 平本丈
- YUSHI vs. 平本丈
※上記カードは、大会運営の都合や選手の体調等の理由で変更される可能性がある。
RIZIN.45:概要(日程・会場)
- 正式大会名:にゃんこ大戦争 presents RIZIN.45
- メインイベント:初代RIZINフライ級王座決定戦 堀口恭司 vs. 神龍誠
- 開始時刻:2023年12月31日(日)12:00開場(予定)/ 14:00開始(予定)
※上記時間は大会運営の都合で前後する - 試合会場:さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市中央区)
放送予定(テレビ中継・インターネット配信)
ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 CLUB、RIZIN LIVE、スカパー!(スカパー!番組配信)で、PPVライブ中継される。
ネット配信系は前売り税込6000円、当日税込6600円、アーカイブ税込3300円。スカパー!は税込6000円。プラットフォームによっては独自の割引施策が実施される。
ABEMAは、有料会員(ABEMAプレミアム)初回登録の上でのPPVチケット購入で3000円がキャッシュバックされる。
U-NEXTは、キャンペーンページからの有料会員初回登録(31日間無料)で、PPVチケット購入に使える1500円分のポイントが手に入る(通常は600ポイント)。
テレビ地上波・BSでの放送予定、また、DAZN(ダゾーン)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)、SPOTV NOW(スポティービーナウ)、TVer(ティーバー)、Lemino(レミノ)といったスポーツ配信実績のあるサービスでの配信予定はない。
現地観戦チケット
11月13日(月)正午(15日18時まで)にファンクラブ先着先行、RIZIN 100 CLUB先着先行の販売が開始される。オフィシャルサイト先着先行が11月17日(金)正午(17日18時まで)に始まり、一般販売(イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット)は11月26日(日)10時からとなる。
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