ONEチャンピオンシップでのデビューに先立ち、デメトリアス・ジョンソンがUFC離脱のわけとファイターとしてのキャリアの最終チャプターとなるであろう自身をとりまく変化について語った。
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ジョンソンはスポーティングニュースの取材に応じて、こう語っている。
「俺にはあと5年ぐらいしか残っていない。今まで総合格闘技の世界で大きな足跡を残してきた何人かのファイター達 ― ランページ・ジャクソン、マウリシオ・"ショーグン"・フア、バンダレイ・シルバ、ミルコ・クロコップ -まだまだ他にもたくさんいるけど、彼らは日本でキャリアを始めて、北米で終えているだろう。だけど、その逆に、つまり北米からアジアに移った有名な格闘家は数少ない。俺はその1人になることを楽しみにしているんだ」
3月31日に両国国技館において行われるONEチャンピオンシップ「A NEW ERA 新時代」で、”Mighty Mouse”の異名でも知られるジョンソンはフライ級世界グランプリの1回戦で若松佑弥と対戦する。
ジョンソンがUFC以外の団体で試合をするのは7年振り、無敵のフライ級王者としての防衛戦ではなく戦うのは6年振りのことである。
2012年9月のUFC152以来、UFC 最多記録となる11回連続王座防衛を果たしたジョンソンであったが、昨年8月ヘンリー・セフードとの再戦で1-2の5R判定負けを喫している。その数か月後、UFCとONEとの間で歴史的なトレードが成立し、マット・ヒュームの弟子であるジョンソンはONEへ、ベン・アスクレンはUFCへ移籍した。
このトレードが発表されるやいなや、ファンや関係者の間で、この取引が成立した経緯、そしてそれがファイター達に及ぼす影響について、様々な角度から喧々諤々の議論が巻き起こった。
だがジョンソンにとっては、それはとてもシンプルな理由だった。
ONE とUFCの間で成立した総合格闘技の歴史で初めてとなるトレード移籍に応じた理由について問われ、ジョンソンは以下のように語っている。
「なぜいけない? 俺はUFCで7年間戦い、6年間王座を守ったんだ。その間負けたのは2試合だけで、ノックアウトされたこともタップしたこともない。いつも僅差で戦ってきたんだ。バンタム級王座に挑戦したし、フライ級王座は11回連続で防衛した。もはやUFCで俺がやるべきことは残っていない。もしヘンリー・セフードと再戦して勝ったとしても、元の場所であるフライ級王者に戻るだけだろう。もし負けたら、デビューした頃の位置に戻らないといけないじゃないか。」
「ONEチャンピオンシップは格闘技の原点とも言えるし、そこで戦うことは新たなスタートだと感じているんだ。そこにはムエタイもキックボクシングもグラップリングもある。俺のキャリアはもうすぐ終わる。最後の5年を充実した良い年月にして、引退するつもりなんだ」
ジョンソンにとって、3月31日の両国国技館での戦いは、単に日本のケージが今までと異なることだけを意味するのではない。
ジョンソンのコーチを長く務めてきたマット・ヒュームはONEのプロモーターやマッチメーカーも兼ねている。そのため、ジョンソンのセコンドにつくことがルール上出来ない。今までそのような場合はマットの腹心であるブラッド・カートソンが代役を務めることが多かったが、今回はそれも出来ない。
「ブラッドと奥さんにはもうすぐ3人目の子が生まれるんだ。だからブラッドに日本に来てもらうことは出来ない。代わりに2人のトレーニング・パートナーにセコンドについてもらう。これは確かに今までとは違う」
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「マットが俺のコーナーにいないのはかなり痛い。俺の試合においてマットの指示はとても重要なんだ。マットの目で見たことを聞き、マットの指示通りに戦ってきたからね。それが今回はない。確かにこのことは今までとは違う。だけど俺もキャリアを積んできたし、自分でトレーニングの成果を発揮できると思うよ」
ONEで戦う上で、ジョンソンにとってもう1つの大きな変化は競技体重だ。ジョンソンが主戦場にしているのはフライ級だが、ONEの階級は他の格闘技団体と同じ名称の階級であっても1階級分以上重い体重になっているのだ。つまりジョンソンは135パウンド(61.2キロ)で戦うことになる。
「ONEのグランプリは素晴らしいし、アジアで戦うことを楽しみにしているよ。それにONEの体重制は大歓迎だ。もう125パウンド(56.7キロ)に落とす必要がなくなるからね。135パウンドなら楽だ。俺も齢を取ったから、もう10パウンド余計に減らすのは大変なんだよ」
ジョンソンはまた彼の試合のペイパービュー視聴者が他のファイター達に比べて少ないのはなぜかといった質問に悩まされなくてすむことを喜んでいる。
「ペイパービューの数やらセールスのことやらを考えなくて済むのはとてもありがたいね。そういったことには飽き飽きしていたんだ。ONEの良い所はセールスにあまり拘らないことだよ」
「UFCは次のビッグ・スターを探して、ペイパービューで大金を稼ごうと躍起なんだ。一方でONEはファイターのストーリーを重視して、母国のヒーローを生み出そうとしている。ONEのチャトリ・シットヨートン会長は“等身大のスーパーヒーローを作りたい。デメトリアス・ジョンソンのポスターが人々の家の壁に飾られるようにしたい”とまで言ってくれたんだよ。2つの組織の違いはそこにあるのだと思うよ。良い悪いではない。UFCは最近ESPNとペイパービューの契約を結んだし、それは良いことだ。だけどONEはファイターの名誉と格闘技の倫理を大切にしているんだ」
このように多くの変化があるにしても、ジョンソンが穏やかで楽しい引退を迎える前にやらねばいけないことは変わっていない。それは彼が地上で最も強いファイターの1人であることを証明し続けることに他ならない。
「もちろんそのつもりさ。北米で培ったスキルを全て発揮して、アジアの人々にも、なぜ俺がパウンド・フォー・パウンド最強のファイターの1人と呼ばれているのかを知ってもらうよ」
バート・スコット(元アメフト選手)の有名なフレーズを借りるなら、”Cant’ Wait!”(待ちきれない!)
原文:Demetrious Johnson discusses fresh start with ONE Championship
翻訳:角谷剛
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