【MLB】大谷翔平がFAで手にする新契約は? 予想は史上最高額の6億ドルとも

Edward Sutelan

石山修二 Shuji Ishiyama

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MLBにフリーエージェンシーが導入されてからというもの、毎年のように「史上最高の打者」が登場するようになった。投手にしても同じこと。また、その人気・市場性の高さから高額契約を手にするスター選手もいる。

大谷翔平は、故障さえなければ、その全てを兼ね備えた選手だ。大谷が2024年シーズンに投手としてマウンドに立つことはないだろう。それを差し引いても、今年のフリーエージェント選手(以下FA)の中で彼の才能に匹敵する選手は存在しない。

大谷の新契約を考える上で、前例となるような契約は過去に存在しないし、大谷サイドはここまでこの件について口を開いてこなかった。そのため、彼がどのチームと、どのような契約をしようとしているのか、実際のところは契約書にサインするまで分からないだろう。

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大谷の契約がまとまれば、リーグ全体が一気に動き始める。大谷のスター効果に投じられる巨額の投資は、大谷とサインしたチームにとってはその後の補強を進める上で影響を与えるし、大谷を獲得できなかったチームにとっては次善策として誰に狙いを定めるかを考える上で大きなインパクトを持つ。

では、そこまでリーグ全体にインパクトを与える大谷の新契約はどのようなものになるのだろう? ここでは、メジャーを席巻してきた二刀流が手にするとされる新契約についての報道をもとに新契約の行方を考えていく。

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大谷の新契約の予想額

大谷の契約には、右肘の状態による不確定要素が存在する。1年契約にすることで、右肘の回復後に改めてFAとなり、万全の状態で高額契約を狙うという予測もあれば、高額契約の中にオプトアウト条項を入れ込むだろうという予測もある。

詳細がどのようなものになるのか分からないものの、新契約の年数、金額のベースについてはある程度はっきりしていると考えられている。ESPNのジェフ・パッサン記者は、大谷の新契約は長期契約となり、複数年契約で少なくとも5億5000万ドル(約808億円。1ドル147円換算、以下同)、6億ドル(約882億円)まで上がる可能性もあるだろうと報じている。

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右肘の状態への懸念については、パッサン記者は他の選手であれば大型契約を結ぶ上で問題となるかもしれないと指摘。その上で、大谷の場合は、打者としても活躍する二刀流であり、世界的スターとしてのアピール力を持つ大谷は「歴代屈指のFA」であり、「FAの不確定要素を超越した存在」だとしている。

平均年俸で他の選手を下回るような契約でサインすることはないだろう。現在、平均年俸でトップにいるのはジャスティン・バーランダー(アストロズ)とマックス・シャーザー(レンジャーズ)の4330万ドル(約63億6510万円)。野手に限れば、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)の4000万ドル(約58億8000円)がトップだ。

MLB史上最長の契約年数は、サンディエゴ・パドレスがフェルナンド・タティスJr.と結んだ14年の契約だ。しかしタティスJr.がこの契約にサインしたのは彼が22歳のとき。大谷は現在29歳で来年7月には30歳になる。29歳以上の選手が手にした契約でみると、マニー・マチャド(30歳、パドレス)、トレイ・ターナー(29歳、フィリーズ)、ザンダー・ボガーツ(30歳、パドレス)の3人が結んだ11年が最長だ。

次の表は、契約年数によって平均年俸がどうなるかを示したものだ(米ドル)。

  $5.5億 $5.6億 $5.7億 $5.8億 $5.9億 $6億
8年 $6875万 $7000万 $7125万 $7250万 $7375万 $7500万
9年 $6111万 $6222万 $6333万 $6444万 $6556万 $6667万
10年 $5500万 $5600万 $5700万 $5800万 $5900万 $6000万
11年 $5000万 $5091万 $5182万 $5273万 $5364万 $5455万
12年 $4583万 $4667万 $4750万 $4833万 $4917万 $5000万

この表にある平均年俸はどれも過去最高額で、大谷はMLB史上最高の契約、平均年俸を手にすることになる。ただ、大谷の年齢を考えれば、タティスJr.のような長期契約を提示するチームはないと思われる。

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大谷の契約をめぐる今後の流れ

12月1日に公開された前述のパッサン記者の記事によれば、大谷の契約は「急速にゴールに向かっている」とされ、大方の見方も、MLB30球団の関係者が一堂に介するウィンターミーティングでの一番のトピックになるだろうというものだった。つまり、その後の数日の間に契約がまとまるだろうと目されていた。

ただ、大谷が12月6日までにサインすると報じられたのはこれが最初ではなかった。ニューヨーク・タイムズのジョン・ヘイマン記者はすでに11月29日の段階で、ウィンターミーティング期間中にサインするだろうというのがリーグ全体の「圧倒的な見方」だと報じていた。また、MLB.comのマーク・フェインサンド記者もMLB.com上で、大谷はウィンターミーティング期間中にサインするだろうと報じていた。

MLBの高額年俸選手TOP10

契約総額

選手 チーム 契約年数 契約額
マイク・トラウト エンゼルス 12 $4億2650万
ムーキー・ベッツ ドジャース 12 $3億6500万
アーロン・ジャッジ ヤンキース 9 $3億6000万
マニー・マチャド パドレス 11 $3億5000万
フランシスコ・リンドーア メッツ 10 $3億4100万
フェルナンド・タティスJr. パドレス 14 $3億4000万
ブライス・ハーパー フィリーズ 13 $3億3000万
ジャンカルロ・スタントン マーリンズ 13 $3億2500万
コリー・シーガー レンジャーズ 10 $3億2500万
ゲリット・コール ヤンキーズ 9 $3億2400万

平均年俸

選手 チーム 契約年数 平均年俸
マックス・シャーザー メッツ 3 $4330万
ジャスティン・バーランダー メッツ 2 $4330万
アーロン・ジャッジ ヤンキース 9 $4000万
ジェイコブ・デグロム レンジャーズ 5 $3700万
ゲリット・コール ヤンキース 9 $3600万
マイク・トラウト エンゼルス 12 $3550万
カルロス・コレア ツインズ 3 $3510万
アンソニー・レンドン エンゼルス 7 $3500万
スティーブン・ストラスバーグ ナショナルズ 7 $3500万
ザック・グレインキー ダイヤモンドバックス 6 $3440万

北米スポーツにおける史上契約最高額TOP10

総額

選手 チーム 年数 総額
リオネル・メッシ FCバルセロナ(サッカー) 4 $6億7400万
カリム・ベンゼマ アル・イティハド(サッカー) 3 $6億4300万
パトリック・マホームズ チーフス(NFL) 10 $5億300万 
マイク・トラウト エンゼルス(MLB) 12 $4億2650万
カネロ・アルバレス DAZN(ボクシング) 5 $3億6500万
ムーキー・ベッツ ドジャース(MLB) 12 $3億6500万
アーロン・ジャッジ ヤンキース(MLB) 9 $3億6000万
マニー・マチャド パドレス(MLB) 11 $3億5000万
フランシスコ・リンドーア メッツ(MLB) 10 $3億4100万
フェルナンド・タティスJr. パドレス(MLB) 14 $3億4000万

平均年俸

選手 チーム 年数 平均年俸
カリム・ベンゼマ アル・イティハド(サッカー) 3 $2億1400万
クリスティアーノ・ロナウド アル・ナスル(サッカー) 2.5 $2億1300万
リオネル・メッシ FCバルセロナ(サッカー) 4 $1億6850万
カネロ・アルバレス DAZN(ボクシング) 5 $7300万
デイミアン・リラード トレイルブレイザーズ(NBA) 2 $6090万
アンソニー・デイビス レイカーズ(NBA) 3 $5900万
ヤニス・アデトクンポ バックス(NBA) 3 $5900万
ジェイレン・ブラウン セルティックス(NBA) 5 $5770万
デビン・ブッカー サンズ(NBA) 4 $5570万
カール・アンソニー・タウンズ ティンバーウルブズ(NBA) 4 $5560万

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:石山修二(スポーティングニュース日本版)

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Edward Sutelan joined The Sporting News in 2021 after covering high school sports for PennLive. Edward graduated from The Ohio State University in 2019, where he gained experience covering the baseball, football and basketball teams. Edward also spent time working for The Columbus Dispatch and Cape Cod Times.

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スポーティングニュース日本版アシスタントエディター