MVP級の活躍続けるレッドソックスのムーキー・ベッツ、野球の原点は母にあり

Gary Phillips

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リトルリーグで監督が投手を務めるとき、打者からの距離は短い。4、5歳の子供を相手にしているときは、猫のような反射神経は必要としないことがほとんどなので問題はないはずばのだ。

しかし、息子相手に投げたダイアナ・ベネディクトは彼に驚かされることとなった。まだ打球の初速度が計測されていない20年以上前の話だ。ベネディクトはまるで「ロケットのようだった」と話した。

「打球は私の頭をめがけて飛んできたの」と彼女は『Sporting News』に語った。

「しゃがんでよけた。『もう二度とあんたには投げない』って感じだったわ」。

自身にとってキャリア最高のシーズンを送っているムーキー・ベッツと対戦するメジャーリーガーも、彼女の助言に従った方が良いのかもしれない。デイビッド・オルティスが引退してからボストン・レッドソックスの顔である25歳のベッツは、35試合で .356/.435/.780、41得点、29長打、13本塁打、27打点を記録している。2018シーズンはまだ序盤だが、ベッツがMVP候補の1人であることは間違いない。

ベッツは幼い頃、リトルリーグでプレイするには小さすぎると多くのチームに言われていた。そこで彼の母が、他の似た境遇の子供たちを集めリトルリーグのチームを結成し、監督も務めたのだ。それが戦術のライナー性の打球事件の1年前だ。

今でも175センチしかないベッツは、当時ユニフォームのズボンを履くためにサスペンダーを必要とするほどだった。

ベネディクトはサスペンダーを買いに行くと、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』(Teenage Mutant Ninja Turtles)のものしか売っていなかったという。ベッツは同じ柄の手袋も持っており、TMNTウェアを身にまといながらテネシー州ナッシュビルで活躍したのだ。

「他は全部写真があるのに、あの格好の写真が残っていないのが悔しいわ」とベネディクトは話した。

小柄なことから過小評価されていたベッツだったが、すぐさま頭角を現し、チームのベストプレイヤーとなった。3歳の頃からベネディクトと練習していたベッツは、同年代の子の中でも守備ができる稀有な存在となった。リトルリーグ入りすると、通常の内野手以上のことを求められた。

「母さんが『アウトが必要だから、なんとしてでも取ってきて』って言うことが何度かあったのを覚えているよ」とベッツはおなじみの笑顔を見せながら母について語った。

「当時まだ4歳とか5歳だったから、ゴロを取ったら一塁に投げるのではなく、走っていてタッチアウトにできるくらい足が速かったんだ」。

親が監督をしていると、我が子には厳しくなることは多々あるが、ベネディクトは息子に対してその必要性を感じることはなかった。ベッツが7歳の時にリトルリーグの監督を辞めたベネディクトは、息子がとてもコーチしやすい選手であったと話した。常に新しいことを学びたがり、躊躇することなく質問してきた。小さい頃から競争心の強かったベッツは、周りのチームメイトが育つのを手助けする「ミニコーチ」になってくれていた。

ベッツは若い頃から競争心があるのは、両親のおかげだと話す。

「母さんも僕と同じように競争心が強かったので、とても楽しかった。彼女は勝利にこだわっていた。『若いけど試合は勝ちにいく』と教えてくれた。

彼女と父さん(ウィリー・ベッツ)は厳しいけど無理強いはしないというところがとても似ていた。かあさんはどのスポーツでもやらせてくれるけど、もしやるのであるなら基礎を徹底的にたたき込むという姿勢だった。何をするにしても下手ではいけない。やるのであれば、上手くならなければならないんだ」。

監督業はもう過去の話だが、ベネディクトは今でもベッツと野球について話していると言う。最近はほとんどなくなってきたものの、ベッツに電話をして「今日はあまり良くなかった」と伝えることもある。ベネディクト自身も高校時代は内野手として活躍し、幼い頃はケンタッキー州の祖父が農場に作ったソフトボール場でプレイしていた。農業を終えると家族でソフトボールをすることから、グローブを持つ前から捕球の仕方を覚える必要があったのだ。

いまだに彼女は勉強熱心で、建設的な批評を提供している。ベネディクトはベッツに対して、なぜ特定の投球を見逃したのか、特定の打席に対するアプローチなどを質問するほどだ。

「もうリトルリーグではないのは理解しているけど、いまでも彼に『なんでこうしたの?』『なんでこうしないの?』と質問しているの。彼は『母さん、全然違うものなんだ』と言ってくる。違ってようがなんだろうが、説明して欲しいの」とベネディクトは語った。

「彼は『わかったよ、あとで電話する』と言ってくるから『ダメ、いま話したいの。聞きたくないだけでしょ』って返すわ。それが真実なのよ。多くの子供はそうなりがちなの。自分の子供とは正直に話し合うことが大切。ムーキーがうまくやっていればもちろん褒めるけど『もっとここを伸ばしたほうが良い』と伝えることも重要なの。良いことも悪いことも耳を傾ける必要がある。子供は褒めているだけだと、逆のことを聞かなくなってしまうの」。

母との電話を早く終わらせたい時ももちろんあるが、ベッツは彼女が親身になってくれていることを理解している。

リトルリーグからメジャーまで、ベネディクトは常に彼をコーチし続けているのだ。ベッツはレッドソックスでの活躍は母に基礎を叩き込んでもらったおかげであり、長年のサポートをとても感謝していると語った。

「母さんは僕の夢をいつも応援してくれていた。小さい頃から、僕はプロ野球選手になるんだって言っていたと彼女はいつも話してくれる。それを叶えるために母さんは全力を尽くしてくれたんだ」。

原文:From Little League to Boston, Mookie Betts' mom has never stopped coaching him
翻訳:Reo Onishi

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