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開幕間もないこの時期、大事なことはいちいち成績を気にしすぎないことである。
好調だからといって、はしゃいではいけない。期待したほどのスタートが切れなかったからといってパニックに陥ってはいけない。そこで今季初のパワーランキングでは、ここまでに実際に起きたことを2、3指摘するだけにしておいた。このランキングは開幕前の予想に基づいたものであることを予めお伝えしておく。
いいかな? OK。では始めましょう。
MLBパワーランキング
(1)アストロズ
知ってる?:開幕から5試合で、ホセ・アルテューベとカルロス・コレアの3、4番は二人合わせて17安打を放ち、打率.447。立派です。
何故この順位?:昨年のワールドシリーズ王者は、よほどのことがない限り今季も長い間この順位にいることだろう。打線は充実。先発投手陣には今季、サイ・ヤング賞クラスの右腕、ゲリット・コールが加わった。コールは今季初登板で7回を投げて2安打、11奪三振の好投を演じた。
(2)ナショナルズ
知ってる?:ブライス・ハーパーが、とてつもない結果を残した。4月1日の第3打席から翌2日にかけて本塁打、四球、本塁打、四球、本塁打、四球、四球、四球。すごい。
何故この順位?:昨季トレードで加入したアダム・イートンは、ほとんどの時間をDLで過ごし23試合しか出場できなかった。今季は雪辱を期して開幕から全開。3試合で打率.615、2本塁打、2二塁打、5打点、7得点だった。先発投手陣はいまさら言うまでもなく強力。サイ・ヤング賞3度のマックス・シャーザーとスティーブン・ストラスバーグの二枚は本当に素晴らしい。開幕から4試合で先発投手陣は全試合で6回以上を投げ、防御率は1.07だった。
(3)インディアンス
知ってる?:新加入のヨンダー・アロンゾが、チーム最多の5打点、5得点をマーク。
何故この順位?:開幕後4試合は2勝2敗。開幕戦ではコーリー・クルーバーが8回、2失点の好投を演じながら敗れた。先発2番手のカルロス・カラスコが防御率7.94で、フランシスコ・リンドアとホセ・ラミレス、ジェイソン・キプニスの3人が合わせて打率.125(48打数6安打)。それでも2勝2敗なのは、チームの強さの表れだ。これだけの先発投手と救援投手を擁し、しかもア・リーグ中地区。同地区のロイヤルズ、タイガース、ホワイトソックスはいずれもチームの再建期にある。よって95勝には楽々到達するだろう。
(4)ヤンキース
知ってる?:トロントで1試合2本塁打をマークしたのはジャンカルロ・スタントンだけではなかった。タイラー・オースティンも3月31日に同様の活躍を演じた。
何故この順位?:上位打線の破壊力は半端じゃない。救援投手陣はトロントでの開幕シリーズでは好調とは言えなかった。しかし剛球投手が揃っている。先発投手陣は安定している(ただし、ソニー・グレイはもう少し走者を減らす必要がある)
(5)レッドソックス
知ってる?:デビッド・プライスが今季初登板で7回無失点、4安打、無四球だった。故障に苦しんだ昨季は11試合に先発しただけで、7回以上投げて無失点だったのは一度だけだった。
何故この順位?:プライスがサイ・ヤング賞を受けたときのような調子に戻り、クリス・セールが引き続きクリス・セールらしいピッチングをし(今季開幕戦で6回、1安打、9奪三振、無失点だった)、リック・ポーセロが昨季(11勝17敗)でなく一昨季(22勝4敗)の状態であれば、ア・リーグ東地区を制することができるだろう。打線は安定しており、救援投手陣もいい(タンパでの開幕戦ではジョー・ケリーが4失点、カーソン・スミスが2失点と躓いてしまったが)。
(6)ドジャース
知ってる?:ジャイアンツとの開幕4連戦はいずれも完封試合だった。2試合続けて0−1で敗れた後、5−0、9−0で連勝した。
何故この順位?:クレイトン・カーショウ率いる先発投手陣は素晴らしい。カーショウの蔭に隠れているアレックス・ウッドも忘れてはならない。昨季頭角を現したウッドは、今季初登板で8回を1安打、無失点だった。昨季は先発25試合のうち13試合が1失点以下だった。抑えのケンリー・ジャンセンは今季第2戦で敗戦投手になって、彼も人間だったことを示した。それでも実績は文句なし。問題はマット・ケンプがいつまで正左翼手でいられるか、である。
(7)ダイヤモンドバックス
知ってる?:開幕4試合でポール・ゴールドシュミットの打率は.083(規定打席到達者213人中194位)。しかし出塁率はなんと.450(37位タイ)であった。
何故この順位?:昨季93勝を挙げたメンバーがほとんど残り(昨季途中のトレードで加入したJ・D・マルティネスは去ったが)、今季もプレーオフ進出争いを繰り広げると思われる。問題は、ドジャースと地区優勝を争うだけの投手力があるかということ。なければ昨季同様ワイルドカードまでだろう。
(8)メッツ
知ってる?:事実でなく、観察した感想を書いておこう。長髪をばっさり切ったジェイク・デグロム…、変な感じだ。
何故この順位?:プレーオフ争いに加わるだけの戦力はある。ナショナルズを脅かしてシーズン100勝を挙げ、地区優勝をするのは無理だろう。だが、ワイルドカードのラインが85勝から88勝であれば、じゅうぶん手が届きそうだ。鍵を握るにはノア・シンダーガードとジェイコブ・デグロム以外の先発陣。スティーブン・マーツやマット・ハービー、セス・ルーゴの出来である。
(9)カブス
知ってる?:開幕5試合で喫した三振が58。延長戦もあったが、開幕から5試合でのナ・リーグ最多記録を作ってしまった。
何故この順位?:三振数の多さは問題だ。開幕前の予想よりも順位を下げた、数少ないチームのひとつである。もちろん問題は三振数だけではない。開幕投手のジョン・レスターは一昨季のrWAR(baseball−referenceによるWAR)5.6から昨季は0.7に落ちたが、今季も初登板で4回持たずに降板した。オールスター選手をずらりと揃えた、とはとても言えないマーリンズ相手に、である。
(10)エンゼルス
知ってる?:大谷翔平は初登板のアスレチックス戦で22人の打者と対戦。わずか3安打しか許さなかった。だが、その3本は安打、安打、本塁打の3連打であった。
何故この順位?:見応えのあるチームである。なにしろマイク・トラウトがいる。そのうえ、大谷も加わった。彼は大変な注目を集めることだろう。先発投手陣は興味深いところである。一昨季、昨季と先発投手には故障が相次いだ。今季は故障者たちが回復した。もし故障者がなければ、先発陣は層が厚く、安定感もある。ただ、もしまた故障が蔓延したらどうなるか? 今季もプレーオフ進出はならないだろう。そうなると、トラウトにとってはメジャーに定着して7年で6度プレーオフを逸するということになる。
(11)カージナルス
知ってる?:遊撃手のポール・デヨングは開幕から4試合で早くも3本塁打。これでメジャー通算112試合で28本塁打を放ったことになる。
何故この順位?:安定した投手よりも、発展途上の投手が多い。先発陣ではルーク・ウィーバーがメジャー1年目。また、マイルズ・マイコラスが日本での成功を経てメジャーに帰って来た。救援陣では新人のジョーダン・ヒックスが好素材。アレックス・レイエスも楽しみで、5月に60日DLから出て来る見込みだ。彼らが活躍すれば、地区優勝の可能性はじゅうぶんにある。
(12)ロッキーズ
知ってる?:開幕4試合ではア、ナ両リーグ通じて最多の10本塁打を放った。ただし、すべて本拠地クアーズ・フィールドで、である。
何故この順位?:打線は素晴らしくいい。先発投手陣は、昨季予想以上に頑張った若手にあふれている。そして今オフ、フロントは大枚をたたいて救援投手補強を実現した。ナ・リーグ西地区のダークホースである。
(13)ブルワーズ
知ってる?:たまたまなのだろうが、開幕4試合でクリスチャン・イエリチとトラビス・ショーはともに打率.389、出塁率.421であった。
何故この順位?:今オフ、ブルワーズと契約してファンを大喜びさせたロレンゾ・ケーンだが、早速期待に応えた。4試合で打率.500(18打数9安打)、1本塁打、4打点、3盗塁。プレーオフ進出に向けて課題となるのは投手陣だ。先発陣の数は揃っているか、コーリー・ネベル以外の救援陣はどうか。
(14)ブルージェイズ
知ってる?:長い間期待されていたジャスティン・スモークが昨季、ついに開花した(38本塁打、OPS.833)。今季も4試合終了時でア、ナ両リーグ通じて最多の8打点。
何故この順位?:オフには前向きなニュースがなかった。あったのは「ジョシュ・ドナルドソンをトレードに出すべきか否か」という話題だけだった。しかしこのチームにはこれといった弱点は見当たらない。先発投手陣も打線も安定しており、救援陣も力をつけている。侮ってはいけない。
(15)マリナーズ
知ってる?:ここではひとつだけ事実を書いておく。マリナーズは現在、プレーオフ進出から最も遠ざかっているチームである(2001年が最後)。
何故この順位?:ひょっとして17年ぶりのプレーオフ進出がなるかもしれない。可能性がかなりある。故障者さえ出なければ、いいメンバーである。ただ、マリナーズにとって故障者を出さないことは容易なことではない。とりわけ先発投手はそうである。シーズン26試合以上先発した投手は一昨季も昨季もひとりずつだった。
(16)ツインズ
見解:先発投手のホセ・ベリオスとカイル・ギブソン、ジェイク・オドリッジの3人は合わせて21回無失点。許した安打は3人で5本だけだった。
(17)フィリーズ
見解:アトランタでの開幕シリーズは…、荒れた。ゲーブ・キャプラー新監督は、メジャー・リーグの指揮官として勉強していく自身の姿を見つめていく。
(18)アスレチックス
見解:プレーオフ争いのダークホースになるか? 言われているより力はある。マット・チャップマンとマット・オルソンはいい打者だ。
(19)パイレーツ
見解:プレーオフに駒を進めるにはどうしたらいいか? 勝てる相手に確実に勝ち、本拠地で勝つことである。パイレーツはチーム再建中のタイガースにデトロイトで3連勝し、本拠地初戦でツインズを下した。
(20)ジャイアンツ
見解:開幕4連戦で合計得点2。ジョー・パニックの2本塁打によるものだった(クレイトン・カーショウとケンリー・ジャンセンから)。もちろんチーム力はこんなものではないが、マディソン・バムガーナーのDLも含め、酷い開幕になった。
(21)ホワイトソックス
見解:ワイルドカード争いに加わることができるだろうか? 若い投手陣がメジャーに慣れれば不可能なことではない。
(22)ブレーブス
見解:ワイルドカード争いに加わることができるだろうか? 世の中には意外なことが起きることがある。ロナルド・アクーニャには注目していこう。
(23)レッズ
見解:タイラー・マーリーが今季初登板でカブスを6回、無失点に封じた。その時点でメジャー通算5試合に先発して防御率2.08であった。
(24)レンジャーズ
見解:44歳のバルトロ・コロンが2日のアスレチックス戦に先発して6回、1失点。レンジャーズ先発投手陣で今季初めて6回を投げた。
(25)オリオールズ
見解:チャンス・シスコのシフトの逆をつくバントは正解だった。9打席以上の選手は9人いたが、うち打率.188を上回っていたのは.231のマニー・マチャドひとりだけだったのだ。
(26)レイズ
見解:開幕戦でレッドソックスを6−4と下したものの、その後すべて1点差で3連敗。フラストレーションが溜まる。
(27)マーリンズ
見解:事実を言うと、カブスとの開幕シリーズでは大方の予想よりもいいチームであった。
(28)タイガース
見解:本拠地の寒さは助けにならなかった。開幕から4試合でわずか1本塁打だった。
(29)ロイヤルズ
見解:ロイヤルズにとっても寒さは助けにならなかった。開幕3試合でわずか1本塁打だったのだ。一方、投手陣はホワイトソックスとの開幕2連戦で計7本塁打を喫した。
(30)パドレス
見解:開幕から4連敗。それは同時に本拠地4連敗でもあった。とうてい理想的なスタートとは言えまい。
原文:MLB Power Rankings: Reigning World Series champs Astros occupy top spot
翻訳:Hirokazu Higuchi
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